【面接対策】キーエンスの中途採用面接では何を聞かれるのか

【面接対策】キーエンスの中途採用面接では何を聞かれるのか

計測制御機器メーカー大手のキーエンスへの転職。中途採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果などを具体的に問われるほか、キャリアシートでは見えてこない「人間性」も見られます。即戦力として、そして一緒に仕事をする仲間としても多角的に評価されるので、事前にしっかり対策しておきましょう。


キーエンスの採用面接前に知っておくべきこと

社風への理解

「世界中のものづくりを支え、進化を加速させる」ことを企業使命としているキーエンス。FA(ファクトリー・オートメーション)用センサをはじめ、測定器や画像処理機器など、「世界初、業界初」で付加価値の高い商品を生み出し続けています。

この「世界初、業界初」を実現可能にしているのは、技術力および営業力の高さです。特に顧客の課題解決につながる付加価値の高い「営業力」は、独自の手法によって生み出されており、社風にも大いに反映されています。

マニュアルや問答集が整備され、営業システムが確立されていることはもちろん、日々の業務についても「電話時間、訪問件数、訪問先、訪問内容など、全て指数という名のノルマで管理される」との口コミが多数見られます。目標に達していないときには「上司と一緒にとことん問題点を追求する」「追い込む文化が根付いている」という声もあり、こうした手法が管理目的で貫かれているのではなく、徹底的に仕事の品質を高める風土なのだということが伺えます。

こうした仕事の進め方に対し、「仕事量が多い」「残業が非常に多い事態が恒常化している」「平日はプライベートの時間はほとんどない」という声も見られますが、その一方で、仕事のやりがいに対しては満足度が高いようです。「顧客との関係が濃く、信頼関係もできるのが楽しい」「競合他社よりも一つ先を行ったスペックの製品を武器に営業できる」「売るだけでなく、客先ニーズが具現化される。ものづくりに関わっている実感」「目標はかなりカツカツで設定されているので、きついが、その分達成した時はやりがいを感じる」など、モチベーション高く仕事に取り組んでいる声が多く寄せられています。

結果として、2018年度の営業利益率が54.1%を誇るなど業績も好調で、社員の年収の高さとともに広く知られています。キーエンス社員の平均年収は、過去数年間にわたって、上場企業において3位以内のポジションを維持。社員からも、年収に満足しているという声が多数寄せられています。また、「連休前には追加でリフレッシュ手当が支給される」との声もあり、充実した処遇であることは明らかです。

その他にも、入社半年でテリトリー任命されるなど「若手に仕事を任せる仕組み」が整っているほか、「人事評価が正当なのもモチベーションの維持に一役かっている」という声も見られます。総じて、入社年次や社歴を問わないフェアで風通しのよい社風について触れられた口コミが多いことが特徴です。仕事に対してはストイックであると言えますが、「不要な上下関係を感じない」「休日の付き合いや飲み会がほとんどなく、ON/OFFがはっきりしている」というように、合理性を重視する社風であると言えるでしょう。

付加価値の高い商品を生み出すため、仕事に対して高い意識を持ち、徹底した品質管理と合理性を追求する。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。

選考は何次まで?

キーエンスの中途採用プロセスは、筆記試験と3回の面接です。面接スタイルは職種によって様々で、集団面接が行われるケースや、最終面接を人事部長が担当するケースもあるようです。また、最終面接は筆記試験のフィードバックが中心だったという口コミもあります。

募集職種は、大きく「ビジネス職」「エンジニア職」「S職」に分類されます。「ビジネス職」は営業、海外、マーケティング、生産管理、人事、経理、総務など、「エンジニア職」は商品開発、ソフトウェア開発、生産技術、コンサルティングエンジニア、情報システムなど、「S職」は新卒採用が中心となりますが、主にビジネス職のサポートを行います。それぞれの職種において、専門領域によってさらに細分化されるため、募集職種の全体像を把握した上で「その中でもなぜその職種に応募したのか」という点を明確に説明できるようにしておきましょう。

面接内容の傾向は?

面接内容には、「仕事に対して高い意識を持ち、徹底した品質管理と合理性を追求する」という社風が大いに反映されています。「ビジネスに必要なこと」「働く上で必要なこと」「モチベーションを保つために工夫していること」などについて、「3つ挙げてください」と問われるのが特徴です。仕事に対する姿勢を確認するのはもちろんのこと、自分の考えを述べる時にも、論点を整理しながら論理的に伝える能力があるかが、評価のポイントと言えます。

また「ビジネス職」はもちろん、「エンジニア職」についても、営業力を問う質問が必ず出題されます。「和菓子が嫌いだけど食べたくなるようにして」というように、面接官が嫌いなものについての考え方を転向するように説得する、というパターンの問題が多く出されるようです。5分間という短い持ち時間の中でロジックを組み立てられるか、またどんな問題が出されても臨機応変に対応できる能力があるかが問われますので、しっかりと対策をしておく必要があるでしょう。

キーエンスの面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。

キーエンスの面接攻略法(面接対策)

キーエンスの企業理念を理解した上で自己分析をする

キーエンスの面接を受ける上では、企業理念を理解しておくことが不可欠です。この企業理念は、経営視点だけでなく社員の行動指針を軸にして、以下の3つで構成されています。

●「最小の資本と人で最大の付加価値をあげる」
最小限の経営資源でアウトプットを最大化するということが、キーエンスの考える経営の原点です。
そのため、世の中にないものを「商品開発」し、圧倒的な「コンサルティングセールス」でお客様にできる限りの付加価値を提供するということを常に意識しています。

●「目的意識」を持って主体的に行動する
「その仕事は何のために行っているのか。どんな価値を生み出すのか」つまり仕事の目的を自問自答することを大切にしています。目的=ゴールのビジョンを明確にイメージすることが、成果の最大化のためには不可欠です。

●「市場原理・経済原則」で考える
原理・原則で考えるということは、ものごとを論理的に検討することにつながるので、人によって判断がぶれにくいという利点があります。この判断基準を共有できているからこそ、若い人に積極的に仕事を任せることが可能となり、その結果、社員一人ひとりが責任感をもって意欲的に取り組む実りのある風土を実現しています。

これは、キーエンスの企業カルチャーの土台となる価値観。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの企業理念に合致する人材であることをアピールしましょう。

キーエンスは、仕事に対する意識を高く持ち、徹底した品質管理と合理性を追求する社風ですが、これは企業理念の中にも色濃く表れています。「仕事に対する高い意識」とは、「目的意識」を持って「原理・原則で考える」ということ。これに絡めて、これまでの仕事について目的意識を持って取り組んだことや、その目的を達成させるために論理的に考えて工夫してきたエピソードを紹介することで、「『目的意識』を持って主体的に行動する」「『市場原理・経済原則』で考える」双方の視点でのアピールにつながります。

また、携わってきた仕事内容について、付加価値を生み出すためにどんな取り組みをしてきたのか、そしてその中で効率性や合理性をどう追求してきたのかを織り込むことで、「最小の資本と人で最大の付加価値をあげる」という側面についてもアピールすることができるでしょう。

いずれの場合も、仕事とどう向き合い、どう考え、どのように取り組んできたのかを具体的なエピソードで紹介することが肝心です。これらの視点を意識して、しっかりと準備しておきましょう。

「なぜキーエンスに転職したいのか」の明確化には他社研究が必要

キーエンスの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜキーエンスか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。

業界理解や職種理解の枠を超えて、キーエンスという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。

  • オムロン株式会社
  • 株式会社ミツトヨ
  • 株式会社堀場製作所

キーエンスの採用面接で実際に聞かれた質問内容

このように、キーエンスの採用面接を受ける前には、企業理念に基づいた自己分析や、他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、仕事に対して高い意識を持ち、徹底した品質管理と合理性を追求する社風を意識して、「目的意識と論理的思考を持って、効率的に付加価値を生み出せる人材である」ことを印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。

面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。

22歳男性/営業【結果:入社】

質問

モチベーションを保つために工夫していることを3つ。

回答

達成した時のワクワクするご褒美…(口コミの続きとアドバイスを見る

30歳男性/営業【結果:2次面接で不採用】

質問

影響力のある人の特徴3つ

回答

自信のある人、チームの方向性が解る人…(口コミの続きとアドバイスを見る

27歳男性/営業【結果:内定を辞退】

質問

野菜嫌いな私に野菜を薦めてください

回答

何の野菜が嫌いか?何故嫌いか?などの質問を重ねて…(口コミの続きとアドバイスを見る

24歳男性/研究開発【結果:1次面接で不採用】

質問

温泉嫌いな私を好きになるように説得してください

回答

メリットとデメリットを述べて…(口コミの続きとアドバイスを見る

キーエンスの採用面接に向けて

キーエンスの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。

  • 付加価値の高い商品を生み出すため、仕事に対して高い意識を持ち、徹底した品質管理と合理性を追求する社風を意識する。

  • どんな質問に対しても臨機応変かつ論理的に、自分の言葉で応える。

  • キーエンスの企業理念を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。

  • 競合他社について研究し、「なぜキーエンスか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。

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「転職エージェントって何?」という方はこちらの記事をお読みください。

この記事の執筆者

東京大学卒業後、大手自動車メーカー入社。人事部門に配属。女性の働き方プロジェクトリーダーを担当。


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