【19年3月期】初めて売上30兆円突破したトヨタ自動車 下方修正の行く先は?

【19年3月期】初めて売上30兆円突破したトヨタ自動車 下方修正の行く先は?

トヨタ自動車は2019年3月期で、日本企業初の売上高30兆円を突破しました。しかし決算説明会の豊田章男社長の口調は危機感迫るものでした。長年のビジネスモデルからの転換を図ろうとしているトヨタ自動車の財務諸表を分析し、現状と将来を解説していきます。


損益計算書(PL):営業利益は2兆4675億円

トヨタ自動車(トヨタ)の2019年3月期の売上高は前期比2.9%増の30兆2256億円と日本企業初の売上高30兆円越えとなりました。営業利益は2兆4675億円で同2.8%増でした。

売上原価は前期比3.6%増で、粗利率は同0.6ptの悪化。販管費は同3.7%減で、営業利益率は8.2%と前期と変わりませんでした。

なお、トヨタはニューヨーク証券取引所に上場しているため、会計基準は米国会計基準(SEC基準)を採用しています。日本企業では他にキヤノンや野村HD、富士フイルムHDなどが採用しています。

連結販売台数は、北米が最も多く274万5000台(30.6%)、次いで日本が222万6000台(24.8%)、アジアが168万4000台(18.8%)となっています。全体の台数は増加していますが、北米と日本は減少。アジアで大きく伸ばしています。

出典:2019年3月決算説明資料

なお、2018年度の世界自動車メーカーの売上高ランキングでは、トヨタはドイツのフォルクスワーゲングループの30兆7547億円に次ぐ2位となっています。前年度の首位から陥落となりましたが、引き続き世界的を代表する自動車メーカーです。

(出典:オートモーティブ・ジョブズHP【2019年版】世界自動車メーカー売上高ランキング ―トヨタは30兆円超えも、2位に後退(2019.05.31))


セグメント分析:国内売上比率は24.4%。金融事業が成長。

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この記事の執筆者

コンサル会社員をしながら、副業ライターとして執筆活動を行っています。証券アナリスト取得を目指し日々邁進しております。


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