【口コミ評判】日本ガイシは「電力関連」が大赤字 社員の悩み「問題があってもなぁなぁで」

【口コミ評判】日本ガイシは「電力関連」が大赤字 社員の悩み「問題があってもなぁなぁで」

電力用のがいしや自動車の排ガス浄化用セラミック部品で世界トップ級のシェアを誇る日本ガイシ。グローバルニッチな会社ですが、祖業の電力関連事業で赤字を出すなど問題にも直面しています。キャリコネの口コミから、社内の内情が垣間見られるものをピックアップします。


「世界で日本ガイシだけ」という分野もあるが

日本ガイシは、電力用がいし(碍子=電線を支柱などに絶縁固定する器具)やセラミックス製造を主力とする会社です。事業セグメントは、次の4つです。

  • 電力関連事業:がいし・架線金具、送電・変電・配電用機器、電力用貯蔵用
  • セラミック事業:自動車排ガス浄化用セラミックス触媒担体、PM除去フィルター、センサー
  • エレクトロニクス事業:電子工業用製品、ベリリウム銅製品、金型製品
  • プロセステクノロジー事業:半導体製造装置用製品、化学工業用耐食機器、液・ガス用膜分離装置、燃焼装置・耐火物、放射性廃棄物処理装置

2018年度のセグメント業績のトップはセラミック事業。売上高2515億円、営業利益559億円、営業利益率22.2%です。次いで、プロセステクノロジー事業が売上高1065億円、営業利益176億円、営業利益率16.5%です。

その一方で、祖業の電力関連事業は85億円の赤字、エレクトロニクス事業は3億円の赤字となっています。電力関連事業は、売上高が全体の1割程度と最小セグメント。超高圧送電線用のがいしを製造できるのは世界で日本ガイシだけ、とされているので意外です。

日本ガイシでは、法人相手のBtoBメーカー、かつニッチな分野での製品を扱っており、堅実な働き方が重視されているようです。

企業口コミサイト「キャリコネ」には現役社員・OBOGが会社の内情を明かした書き込みが残されています。代理店営業を担当する20代の男性社員は、設立100年を迎えた会社の雰囲気を次のように説明しています。

飲み会が多い分、仲良くなれるといういい循環が回っている。自分としてはもう少し頻度を減らしてもいいのではと感じたりもしている。ただ社風としては落ち着いている人が多く、過ごしやすいと考える人も多いのではないかと思う。(2018.12.4)

問題を指摘すると「評価が下がる」という声も

基本的には温厚な社風のようですが、その点に物足りなさを感じている人もいます。20代後半の営業アシスタントの女性社員は、在職中の雰囲気を次のように振り返っています。

程度の差はあれ基本的に温厚な人が多く、後輩育成もしっかりしている。ただし事なかれ主義な人も多く、企業としてもガツガツのし上がっていくタイプよりも、一歯車として真面目に働く人間を求めているので、何か問題があった場合にはしっかり解決できるというよりは、なぁなぁで終わってしまう事は問題だと思う。(2018.4.4)

飲み会が多くて社員の仲が良く、安心して働ける職場ではあるものの、社内の調和を優先してしまうので、問題に対して厳しく当たることができないということでしょうか。祖業で大きな赤字が出ていることも気になります。

このような会社では、社内に波風を立てることはご法度です。技術関連職の30代男性社員は、上記と同様に、社内の問題点を指摘することで評価が下がるリスクがあるとしています。与えられた資源で黙々と達成することがよしとされているのかもしれません。

マネジメントの重要性を理解している管理職が少なく、部署や上司次第では若手や中堅がオーバーロードしていることが多い印象。マンパワー的に求められる事項を全て達成するのは到底不可能であっても、それを口にしても理解されずに評価が下がることが多いように思う。(2019.4.23)

フレックス制度はあるけど、朝礼もある?

キャリコネには、39歳の女性社員が給与明細の内容を投稿しています。年収526万円。基本給は28万円で、残業手当はなし。定期賞与は年2回合わせて190万円もらっているそうです。

勤務時間については、特に問題を感じていません。3年目からフレックス勤務制度あり。水曜日、金曜日はノー残業デーのため、定時退社を促されます。会員制福利厚生サービスあり。社員食堂があり、安価で種類もたくさんある。社内に喫茶、ラウンジもある。(2018.11.16)

上記より1年前の投稿ですが、30歳男性の給与明細もありました。年収574万円。基本給は同じく28万円で、定期賞与は計120万円。そのほかに、時間外手当と家族手当など月約10万円の支給があります。

フレックス制度はあるが、所属していた部署では朝礼があったため簡単には利用できなかった。残業は多かった。22時退社が標準。仕事の量と人のマンパワーが釣り合ってない(2017.8.26)

フレックス制度があるのに朝礼への出席は必須とは、どういう意味なのか――。口コミには全体的に、昭和的なイメージがつきまといます。

もうひとつ、キャリコネには「転職面接」の口コミがありますが、日本ガイシの中途採用に成功した人の書き込みがひとつもありません。やや古い書き込みですが、24歳の女性は面接の様子を次のように明かしています。

二次面接(最終だったはず)は8名くらいの面接官に自分1人だった。面接官の方々の雰囲気はよかったのでご縁がなかったのは残念でした。ただ、仲介会社さんもここの中途はかなり厳しく、1人も合格が出たことがないと言ってました。後で聞いた話ですが、事務方は縁故採用がも多いと……。(2015.9.4)

この記事の執筆者


関連記事

【面接対策】日本ガイシの中途採用面接では何を聞かれるのか

セラミック技術を駆使し、日本だけでなく世界進出を見据えて革新的な製品をうみだしている日本碍子への転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。ともに働く仲間として多角的に評価されるので事前にしっかり対策しましょう。


【平均年収769.6万円】日本ガイシ社員の給料は実際いくらもらっているのか?

【年収研究シリーズ】日本ガイシ(碍子)の年収・給与・ボーナス・報酬について、ただ額面に注目するだけではなく、高い理由や、デメリット、同業他社や、年代、職種間での比較を通じて実態に迫ります。転職先決定の判断材料にご活用ください。


wiget_w300
wiget_w300
wiget_w300