「毎日死にそうに悩んでいる」のはなぜ? 大手企業にぶら下がり、まったり勤務なのに

「毎日死にそうに悩んでいる」のはなぜ? 大手企業にぶら下がり、まったり勤務なのに

安定した生活を得ているのに、なぜ人は転職を考えるのか? それは自分が理想とする生き方や価値観とのギャップに苦しみ、それを埋める方法を考えてしまうからではないでしょうか。


ネットのQ&Aサイトに、こんな質問が載っていました。質問者さんは、29歳の独身男性。「毎日悩んでいて死にそうです」と不穏な思いを吐露しています。

その悩みとは、今の会社を辞めて転職すべきかどうかということ。現在の年収は450万円程度で役職も責任もなく、ノルマも厳しくありません。「まったり働けて、大手企業にぶら下がってるのがメリット」と言っています。

将来結婚したら「収入が足りるのか」と不安が

しかし仕事内容はつまらなく、モチベーションが下がっている状態と明かします。さらに上のポストは埋まっており、給与もこれ以上伸びる望みが薄い。先輩の給与明細を盗み見しましたが、自分とほとんど変わらず「これはひどい」と思ったそうです。

このように「出世も見込めないしスキルアップもないので、適当に働いてる感じ」ですが、将来的に結婚や子育て、住宅購入、介護などが発生したら、収入が足りるのかと不安が高まります。かといって、転職で必ず年収が増えるわけでもなく、人間関係も変わるので、これも不安というわけです。

さらに質問者さんは、「社宅の家賃」を引いて手元に残る手取りをどのように使っているのか細かく明かしてくれています。

食費:20,000円/光熱費:10,000円/奨学金(返済):14,400円/雑費:8,000円/生保:15,481円/スマホ:2,541円/ジム:8,370円/コンタクト:3,500円/美容院:2,666円/インターネット:4,104円/交際費:30,000円

奨学金を自分で返済しながら、大きな無駄遣いもなく、堅実に暮らしているように見えます。質問者さんは「手元に残るのが3~5万」と不安視していますが、それを貯金に回せるなら立派なものです。

回答者の転職コンサルタントは「生命保険代が高すぎます」と指摘していますが、それだけ将来の家庭づくりに備えたい思いが強いのでしょう。

回答者「安定は企業に、やりがいは副業に」

この質問に対し、回答者からは「現状維持」を支持する声が相次いでいます。

「結婚されるおつもりなら、そのままでいいと思います。共働きするのなら、素晴らしい条件の職場です」

「今のままがよいと思います。転職するなら、たぶんですが、年収も下がります」

会社の経営が安定していて、仕事もストレスがなく、まったりとしている。給与もそこそこなので、倹約しながら共働きをすればいいというわけです。また、お金よりも時間が大事という声も目につきました。

「結婚も子育ても介護も、今のご時世は「お金より時間」だと思います。やることがないなら帰れるだろうし大手の方が休みやすいし、とにかく時間を作れるっていうのが、一番の強みですよ。
中小へ行ったら、お金のかわりに時間を失いますから、私はそっちの方が、今の時代は家庭崩壊の危機だと思います」

別の回答者さんも「自分だったらそんないいポジションに悩みはないです。オフを楽しんで、将来の設計も立てやすい」と励ましています。

収入が足りなければ最悪アルバイトも、という質問者さんに対し、「これからはダブルワークも推奨されていくだろうし、安定は企業に、やりがいは副業に、とリスク分散させていく方が賢い」と付け加える人もいます。

「適当に働いてる感じ」で本当にいいのか

とはいえ、これでは質問者さんがなぜ「毎日悩んでいて死にそう」とまで言うのか、よく理解できないままで終わってしまいそうです。大企業に入れたくらいですから、きっと能力もモチベーションもそれなりにあった人なのでしょう。

だから「出世も見込めないしスキルアップもないので、適当に働いてる感じ」ではなく、本当は手応えのある仕事に挑戦しながら、年齢相応にスキルアップし、成果をあげて組織を動かせる権限を得て、その結果として自信を持って高収入を得たいと思っているのではないでしょうか。

入社時にはそんな夢を見ていたのに、30歳を前にしてそれが叶わないと思ったら、悲しく情けなくなってきた。こんな生き方では将来の妻や子どもに胸を張れそうにないけれど、転職しても確実に理想に近づく保証はない。でも、決断するならもうタイムリミットだ。

「死にそう」とまで悩んでいるのは、単に年収の問題だけではなく、生き方の理想との兼ね合いなのかもしれません。

各回答者さんのアドバイスは現実的でとても慰めになりそうです。しかしそれを鵜呑みにしてしまっていいかどうかは、質問者さん自身があらためて考えることなのでしょう。

この記事の執筆者

ネットのお悩み相談をウォッチするコラムニスト。


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