ネットのQ&Aサイトに、こんな相談が載っていました。質問者さんは大学4年生。「とある事情」で就職活動が始められず、秋から開始しようと考えています。
しかし大手企業は一括採用をほぼ終え、7月から内々定を出しています。そんな中、「今年の秋採用で就活をする」べきか、それとも「留年して一年遅れでしっかり準備し直して就活する」べきか、迷っています。
回答者「一年遅れで何を準備するつもりか知らないですけど」
大学院や公務員を目指して受験したものの、夏から秋口に不合格が判明し、一般企業への就活に切り替える人は少なくありません。留学帰りの場合もあるでしょう。早くから内定をもらっていたけれど、時間を置いて「もっと納得できる会社を探したい」と就活を再開する人もいます。
そんな人たちをねらって、企業は「秋採用」を行い、年度の採用計画を満たそうと必死になります。特に今年は「売り手市場」の中で、人材確保に苦慮する会社が少なくありません。
回答者の中には「秋採用なんて珍しいんじゃない?」と、就職留年を勧める人もいますが、安易に留年しない方がいいと助言する人もいます。
「留年はお金かかるしやめたほうがいいのでは…年明けの3月に決まった人もいますし、就活してればできると思いますよ!」
「一年遅れで何を準備するつもりか知らないですけど、早いに越したことないと思います」
好景気の今は求人市場が活性化していますが、来年も同じとは限りません。ある回答者さんは、
「(内定辞退などで急に)空きが出て(問い合わせしたら)偶然募集している場合もある」
「秋でも一年後でも、(募集が)ある時はあるし、ない時はない」
として、自分に合った会社を探すのに、秋採用だからといって悲観することはないとも言っています。
「超人気の上場大企業」を狙わないなら道はありそう
一方、別の回答者さんは「どこでもいいなら今年就職する。それなりの企業に就職したいなら留年すべき」とアドバイスしています。
確かに超人気の上場大企業であれば、そうなるでしょう。しかし質問者さんが、はじめからそういう会社を目指していないのであれば、留年の意味はだいぶ薄れてしまいます。
ディスコの調査によると、2019年7月時点で「採用選考を終了した」企業は31.1%で、前年調査の26.4%を上回っています。しかし、採用予定数に対する内定者の割合である「充足率」は平均63.9%にとどまっています。
今後も採用活動を継続すると答えた企業の充足率は51.0%と、まだ半数を超えたばかり。選考終了が10月以降となると答えた企業の割合は47.6%。特に非上場企業の充足率が低いようです。
非上場のBtoB企業の中にも、優良ホワイト企業は存在します。「知名度のない会社に入るのは恥ずかしい」と思ってしまうのは、ミーハーな学生時代だけ。社会に出れば「いい会社」の定義も変わってくるものです。
ツイッターで「秋採用」を検索
例えばツイッターには、こんな会社の秋採用が載っています。情報収集のアンテナを高くして、引き続き頑張っていきたいものです。
ネットのお悩み相談をウォッチするコラムニスト。