ネット上のQ&Aサイトに、こんな質問が載っていました。質問者さんは社会人1年目。最近気持ちが不安定になることが多く、一人でいるのが寂しくてたまらないと訴えます。
少し責任のある仕事を任せてもらうこともありますが、とても怖く、些細なミスを引きずってしまう性格から「責任のない仕事」をしたいと感じてしまうのだそうです。
回答者は「心療内科でカウンセリング」と助言
本心を打ち明けて悩みを相談できる友達はおらず、家族や会社の同僚、彼氏にも迷惑をかけたくないので相談できません。しかし、誰かに話して心の整理をしたいし、できればアドバイスが欲しいといいます。
自分では病気ではないと考えていますが、このようなときに病院の「カウンセリング等を利用してもよいのでしょうか?」という疑問を投げかけています。
世代的な要因もあるのかもしれませんが、社会人1年目の人が仕事の不安を訴えて「もう辞めたい」と相談するケースは、Q&Aサイトで非常に多く目にします。
洗練された消費社会を謳歌してきた若者たちが、何の準備もなく、急に生産者側に立って顧客に奉仕することを求められるのですから、そのギャップに苦しむのも当然かもしれません。回答者からは、遠慮せずに病院に行き、不安を相談した方がいいというアドバイスが相次いでいます。
「多くの方が、より良く生きるため、カウンセリングを利用されています。躊躇は全く必要ないと思いますよ」
「精神科、と構えず、心療内科でカウンセリングが良いと思いますよ。軽い不安障害ではないでしょうか。甘えとは違いますよ」
近くない人だからこそ、話せることがある
数年前に「アメリカ人は気軽に精神科医に行く」というタイトルの本が発行されました。この中には、精神科やカウンセラーを訪れた経験があるかという質問に、アメリカの大学の心理学クラスのほとんどの学生が手をあげたというエピドードがあります。
日本では、悩みは親や家族に打ち明けるべきと考える人が多いのかもしれませんが、それで適切なアドバイスがもらえる保証はありません。ある回答者さんは、あまり近くない人だからこそ、安心して話せることがあるのではないかと指摘します。
「病気や障害を持っている・いないにかかわらず、誰かに話をして、気持ちの整理をする時間は必要です。抱え込んだまま我慢する方が、のちのち大変です。カウンセリングはもっと気軽に通っていいところです」
不安で心をコントロールできなくなっても、自分を責めなくていいと言う人も。
「文章拝読して、質問者さんの周りに上手く甘えられないところ、また会社から任されているところから、頑張り屋さんで、周りの評価も高いのだろうと思います。しんどいとき、しんどいと上手く言えないんですよね。甘えていいんですよ」
仕事に対する迷いは若いうちに解消したい
こういった回答に対し、質問者さんは「一つ一つのコメントを読ませていただいて、涙が止まりませんでした」と感謝を述べています。
「まだ少し勇気が必要ですが、心療内科やカウンセリングに行ってみようかな、と思います。皆様のコメントも支えになります、ありがとうございました!」
「責任のない仕事がしたい」「出世したくない」という人に対し、怠け者だ、稼ぎをもたらす人に寄生するなんて甘えだと批判があがることもあります。しかしもしかすると仕事を忌避したがる人は、心の中に複雑な精神的不安を抱えている場合があるのかもしれません。
どうせ毎日仕事をするのであれば、前向きな気持ちで経験やスキルを磨き、キャリアを積める働き方をしなければもったいない。カウンセリングなどの手段も使って、仕事に対する迷いや不安定な気持ちは若いうちに整理しておきたいものですね。
パワハラが絡む場合は話が別
ただし、上司からのパワハラなどが絡んでいる場合には、労働局に相談した方がいいかもしれません。同僚から暴力を受け、退職を余儀なくされた大手メーカーの男性社員は、会社の対応に不信感を抱いています。
診療内科に通院し、上司に相談しましたが、逆にその上司からもパワハラを受けました。会議室に閉じ込められ、自分の問題点と改善点を書かされました。産業医からは「なんの問題もない」「この程度では警察に行っても無駄だ」という話をされて・・・
ネットのお悩み相談をウォッチするコラムニスト。