ネットのQ&Aサイトに、こんな質問が載っていました。質問者さんは、「月200時間以上働いてる人って、いつ遊んでるんですか?」と質問しています。
現代人は生きるために働かなければなりませんが、いつの間にか「働くことが生きることの中心」になっているのが現実。質問者さんは、ここに疑問を持ったのでしょう。
1か月を30日とすると720時間。1日8時間睡眠、3食に1時間ずつ、通勤に往復1時間として390時間がかかり、残りは330時間。自由に使える時間の6割を超える200時間を「仕事」に奪われると考えると、比重が高すぎるように見えます。
1日10時間も働いたら「仕事しかできない」
1日8時間、週に5日、月に4週働く人の所定労働時間は160時間。月200時間以上働くためには、月の時間外労働(残業)は40時間以上となり、1日2時間以上の残業は必要です。
しかし回答者からは、その程度の労働時間であれば、遊ぶ時間を作るのはそんなに難しくないという回答が相次いでいます。
「8時間×25日=200時間。10時間×20日=200時間。余裕で遊べますが…」
「1日8時間働いて、22日で176時間。1日1時間残業して約200時間だよ。土日は遊べるし、平日の夜も遊べるけどwww」
しかし質問者さんは納得がいかず、こう反論しています。
「月に25日も働いたら、残り5日しかないじゃないですか。1日に10時間も働いたら、平日は仕事しかできなくないですか?」
週休1日なんて「文字通り休息で終わってしまう」
質問者さんいわく、たとえば午前9時始業の場合。通勤時間が30分ほどだとしても、7時半には起きなければならず、そのためには午前0時には寝たい。帰ってから家事を何もしないとしても、23時には家に着かなければなりません。
残業を1時間で終わらせても、終業は夜の7時。職場近くで3時間くらい飲み会したら「一次会しかできなくないですか?」と言います。
毎日3時間も飲み会をするのか、一次会で十分なのでは――という疑問は脇に置くとしても、実際に家事などの時間を考えると、晩御飯を食べて風呂に入って寝るくらいが関の山であるのは確かです。
「週休1日で残業無しでクリア、あるいは週休2日なら残業1時間30分くらいでクリアできます。時間がぎっちりなんてことはないと思います」
という意見にも、質問者さんは「週休1日なんて過酷な環境では、休みの日は文字通り休息で終わってしまう」と納得いかないようです。
「ひところ300時間働いてた時期がありましたが、夜飲みに行くくらいで遊ぶ時間はほとんどなかったです。でもたまに日曜休めたので、そのときは特に『遊べない』という意識はなかったですね」
というコメントにも、「たまに日曜休めるだけで“遊べる”って意識になるって、何のために生きてるのでしょう??」と疑問を投げかけています。
原則は「205時間」が労働時間の上限
結局、回答者がハードワーカーということもあって、意見は噛み合わなかったようです。とはいえ、会社の拘束時間の長さは異常という質問者さんの問題意識は、多くのサラリーマンが共感するのではないでしょうか。
なお、36協定を締結しても、時間外労働は原則として1か月で45時間、1年で360時間が上限とされています。「特別条項」で定めれば、これを超える時間外労働は可能ではあるものの、原則は160時間に45時間を加えた「205時間」程度が労働時間の限度なのです。
いまどきの就活生は、「給与より労働時間を重視する人」が多いそうですが、中長期的な健康を考えても賢明な判断のように思えます。さて、あなたの労働時間は月にどのくらいでしょうか?
企業口コミサイト「キャリコネ」には、あるカーディーラーに勤務していた20代女性が、労働時間の過酷さを理由に退職したという書き込みが残されています。
残業がとにかくひどいです。店舗によるが月40時間あたりまえ。休日出勤はお客様との約束や、管理職クラスになると結構あるようです。残業がひどすぎて自分の生活よりも、仕事のために生きている感じです。
ネットのお悩み相談をウォッチするコラムニスト。