就職人気ランキングで「銀行が上位」なのはなぜ? 「みんな知ってるし給料も良さそう」で大丈夫なのか

就職人気ランキングで「銀行が上位」なのはなぜ? 「みんな知ってるし給料も良さそう」で大丈夫なのか

長年「就職人気ランキング」で上位を占めてきた銀行業界で、いま転職希望者が急増しているそうです。将来のリストラを察知して、「売り手市場」のうちに高く自分を売ろうと考えているのでしょう。安定志向の学生には、依然として人気の業界ですが、低金利時代に仕事の内容も大きく変わっているようです。


ネットのQ&Aサイトに、こんな質問が載っていました。質問者さんは「就職人気ランキングみたいなので、保険会社や銀行が上位なんですが何故ですか?」と尋ねています。

新卒向けの就職人気ランキングでは、確かに銀行が強い傾向があります。「キャリタス就活2018」の就職希望企業ランキングでは、総合ランキングの1位と2位を、みずほフィナンシャルグループと三菱東京UFJ銀行が占めていました。

回答者は「単なるイメージでしょ」と冷ややか

また「マイナビ2018」就職企業ランキングでは、三菱東京UFJ銀行が2位、三井住友銀行が4位にランクイン。東洋経済オンラインの「就職人気ランキング」では、三菱東京UFJ銀行とみずほフィナンシャルグループが2位と3位に入っています。

上場企業だけでもおよそ4000社ある中で、これだけ上位を占めているということは、大変な人気業種であることは間違いありません。しかし回答者から寄せられたコメントは、あっけないほどシンプルなものでした。

「就職人気ランキングは、単なるイメージでしょ」

別の回答者さんは、ランキングは「みんな知っている」「ブランドイメージが良い」「ステータスがありそう」「給料が良さそう」「周囲に自慢できる」といった要素が影響しているといいます。

「待遇も良さそうだし、給料も良さそうだし、会社名を言えば世間でも通じるし、と思うからじゃないですか」という答えもありました。共通しているのは「有名な大手銀行なら○○でありそう」というイメージや推測です。

そもそも、人気ランキングが多数決で決まる限り、最大公約数の知名度競争になるのは当たり前。さらに、メガバンクの中には過去に新卒学生だけで2000人近く採用するところもあったので、それに比例して志望者の数が増えるのも自然な話です。

実態は厳しい競争社会「昇格できるのは5割程度」

しかし、その実態はどうでしょうか。メガバンクに入社できれば、30代のうちに年収1000万円を超えることは難しくないとも言われています。口コミサイトのキャリコネには、三菱東京UFJ銀行の経営企画部門で働く人による書き込みが見られます。

この男性も30代前半にして、早くも年収1000万円に到達しています。

「7年目で社内昇格ができれば、総合職であれば(年収は)1000万円程度に達します。巷で出ている(銀行員の)平均年収がなぜあれほど低いか分からないが、一つあるのは昇格率の悪さでしょうか。最初の昇格ができるのは5割程度の印象です」

確かに高給を得ている若手銀行員もいますが、それは長時間の残業代込みの話。基本給は決して高くなく、一度の失敗も許されない減点主義で、学閥も強く影響する出世競争に勝ち目がない人は退職に追い込まれる、厳しい競争社会であることまではあまり知られていません。

銀行には新卒からしか入れないと言われる理由も、同じスタートラインで大量に採用し、競争で選別していくからでしょう。給与額やイメージだけで就職先を選ぶことにはリスクがあると指摘する人もいました。

「それが悪いとは言いませんけど、仕事として考えた場合、自分に合う仕事、働く環境の良い企業は、学生の知らないところにあったりしますね」

「銀行員の転職希望急増」の新聞報道も

AIに仕事を奪われる話もあり、銀行員の将来性にも不安要素が出ています。2018年1月15日付けの読売新聞は、一面の記事に「銀行員の転職希望急増」という見出しをつけ、その理由を「超低金利に伴う銀行の収益悪化などで、人員削減への不安が高まっていることが背景にある」と分析しています。

たとえ銀行がリストラを実施しても、他社で働けるスキルがついていれば心配はありません。しかし、その会社で一生働き続けるつもりで、自社でしか通用しないスキルしか身につけていなければ、行く場所はなくなってしまいます。

マーケティングコンサルタントの酒井光雄氏は、1月9日付けのプレジデントオンラインのコラム「"息子や娘に就職アドバイス"7つの新視点」の中で、「学生の人気企業ランキングに入っている企業はあえて避ける」ことを提案しています。10年後に凋落している可能性もある競争率の高い会社を、わざわざ目指す必要はないというわけです。

知名度はなくても、今後成長が見込める事業領域で活躍している中堅中小企業が存在する。入社しやすく、しかも長期にわたって自身の力を存分に発揮できる可能性がある。上場の予定があり、社員持ち株会がある企業なら、社員でも上場益を期待できる」

その会社の人気のピークで入社するのは、「ババをつかまされている」のと同じこと。とはいえ、回答者さんが言うように、社会人なら1つは知っているよい企業は多数決では見えてこず、「学生の知らないところにあったりする」のが悩ましいところです。

最新の人気ランキングでは「首位陥落」

そんな人気の銀行業界も、最近では様子が変わってきました。ディスコの就職意識調査によると、2020年卒の学生による「就職人気業界ランキング」では、2009年の調査以来初めて「銀行」が首位陥落し、8位に後退しました。

調査元は「銀行が採用数を大きく絞ったこと」を理由のひとつにあげていますが、それでも安定志向の強い学生の人気は依然として高いようです。

とはいえ、銀行における仕事内容は低金利時代に大きく変わりつつあり、納得できないといって辞める人も少なくありません。企業口コミサイト「キャリコネ」には、ある地方銀行の20代女性が退職理由を次のように書き残しています。

貸金では利益が確保できず、保険販売など金融商品販売に力を入れ始めたことから、将来性が低いと思い退職しました。銀行業全体がその傾向ですが、もはや銀行の意味がわからなくなりました。保険は保険屋、投信等は証券会社がメインなので、いくら知識をつけようと本業の方には勝てません。貸金しつつ、保険も売れという姿勢はどちらにしても中途半端でモチベーションがあがりませんでした。

この記事の執筆者

ネットのお悩み相談をウォッチするコラムニスト。


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