志望動機にはどこまで「本音」を答えていいのか 「会社の規模が大きいから」でも大丈夫?

志望動機にはどこまで「本音」を答えていいのか 「会社の規模が大きいから」でも大丈夫?

就活・転職面接の鉄板といわれている「志望動機」の質問。しかし突き詰めて言えば「その会社に入って働きたいから」という以上のものはなく、答えに詰まる人もいるかもしれません。人材研究所の曽和利光さんは、コラムの中で「自分の選社基準を答えればよい」とアドバイスしています。


ネットのQ&Aサイトに、こんな相談が載っていました。質問者さんは、「面接には本音でぶつかれ」と聞いたけれど、それは本当なのかと尋ねています。

就職か転職かは分かりませんが、質問者さんは志望企業について「企業規模が大きく、基盤がしっかりしていて将来性があるから」という本音を持っていて、それを採用面接の場で明かしてしまっていいものかと不安を持っているようです。

動機より「自分の選社基準」を明確に語ろう

ネットには「志望動機くらい捏造しろ」なんて声もありますが、それで墓穴を掘ったら悲劇です。志望動機の考え方については、リクルートで人事部ゼネラルマネージャーを務めた曽和利光さんが、とても分かりやすいアドバイスをコラムに書いているので引用してみます。

応募者側としては、厳密に考えるとズレた答えになるかもしれませんが、「志望動機」を聞かれたとしても、字義通りに「御社の魅力」を答えなくてもよく、人事が本当に聞きたがっている「自分の選社基準」を答えればよいのです。

まずは一般論として「私はこういう理由で、会社や仕事を選ぶ際にこんな点を重視しています」と答え、一応「志望動機」風にするために、「御社はこの点で、私の選社基準に合っていると思ったので受けました」と付け加えるということです。

「そんな志望動機なら、ウチじゃなくてもいいよね?」とアホな面接担当者が詰めてきたときの返し方Icon outbound

https://news.careerconnection.jp/?p=71875

どうしてうちの会社なの?と聞かれても、、 もしもあなたが女性で、合コンに参加したときに、初めて会った男性から「ねえ君、なんで僕のこと好きなの?」と唐突に聞かれたら、気持ち悪いですよね。

これを参考にすると、質問者さんは「企業規模が大きく、基盤がしっかりしていて将来性がある会社で働きたい」と考えていて、その点が「私の会社を選ぶ基準に合っていると思ったので」受けてみた、ということでも十分よさそうです。

確かに、規模の大きい会社であれば、採用した人には長く働いてもらいたいと考えるので、この答えは採用ニーズに合っているように思えます。ただし、曽和さんのアドバイスに照らし合わせれば、前段の「私はこういう理由で」の部分が欠けており、そこを補う必要があるでしょう。

そこで安易に「高い給与がもらえて、働かなくてもクビにならないから」と答えたとしたら、採用は見送られるおそれが高くなります。「大きな仕事にあこがれていたから」「自分のスキルを高めながら長く働きたいと考えているので」といった程度は練っておいた方がいいかもしれません。

「将来性を感じた部分」は掘り下げ必要

元の質問では、回答者さんが「企業規模が大きいからと述べてもいいとは思いますが…」としつつ、そう答えた場合の反応を想定しておくべきだとコメントしています。

「意地悪な面接官だった場合

1.企業規模が大きい企業だったら他にもあるし、何もウチじゃなくてもいいんじゃない?
2.弊社のどのような部分に将来性を感じましたか?

くらいの質問が来るかもしれませんので、それに対する回答はあらかじめ準備しておいた方がいいかもしれません」

2の「将来性」の中身については、確かにそのとおりです。単なるイメージだけでは根拠が薄く、動機としては弱く感じられます。ただし1の「ウチじゃなくてもいいんじゃない?」には、どう答えればいいのでしょうか。

この点についても、先のコラムで曽和さんが明快にアドバイスをしています。

そもそも会社は星の数ほどあるのだから、「その会社でなくてはならない」合理的理由などあるはずがない。なのに「なぜ当社を志望したのですか?」と聞くアホな採用担当者など、そもそも「思い上がっている」と考えてよいのだそうです。

痛快な指摘ですが、だからといって「ええ、別に御社じゃなくてもいいですよ」とは、なかなか言いにくい。でも、無理にいろいろ言おうとすると、逆に「この人は論理的じゃないな」と低評価をされてしまうおそれがあります。

面接担当者の突っ込みを甘んじて受ける

この点について、曽和さんは「ふとした偶然に縁があった」ことを理由にし、合理を超越した「縁」「偶然」で押し切る、というユニークな方法を提唱しています。

確かに、やらしい話、そもそも面接担当者は心の底から「何もウチじゃなくてもいいだろ」とは思っていません。むしろ「いやいや御社にどうしても」と食い下がってもらい、「そうだよねえ」と悦に入りたいわけです。一種のツンデレですよね。

ですから最悪、「業界研究をしていた何十社の中から、ふと目に止まった」でもいいのかもしれません。このくらいの回答で「まあいいか」と思わせておく。これが「何もウチじゃなくても」への対策と言えそうです。

企業口コミサイト「キャリコネ」には、現役社員・OBOGによる書き込みが寄せられています。電通のビジネスプロデュース局への転職に成功した26歳の男性は、これから電通を受ける人に次のようなアドバイスを残しています。

「ワールドカップやオリンピックに関わる案件に携わりたい。また、それがクライアントのブランディング向上にどのように貢献できるのかを提案していきたい」と答えた。
広告業ナンバーワンの会社で優秀な方々と共に成長したかった。なぜ転職が必要なのかを徹底して突き詰めた。また、新卒入社時の志望動機と一貫性があるような志望動機を考えた。

この記事の執筆者

ネットのお悩み相談をウォッチするコラムニスト。


関連記事

中途採用に「SPI試験」は必要?「仕事に無関係な知識」で採否を決めるのか

中途採用に「SPI試験」は必要?「仕事に無関係な知識」で採否を決めるのか

経験と実績を活かして新しい職場で働いてみたいと臨んだ人が、職務とは関係のない学力試験を受けさせられたら……。バカにされたと感じてもおかしくないのではないでしょうか。「SPIはとんでもないのを排除するだけで、半数以上の人は通過する」と言う人がいる一方で、9割はできないと合格しないという口コミもあります。


経営者のみなさん、気象警報が出たら「早期帰宅」を即決しませんか?

経営者のみなさん、気象警報が出たら「早期帰宅」を即決しませんか?

大型台風に翻弄されたここ数ヶ月。公共交通機関は事前に「計画運休」を発表し、自宅勤務を認める会社は一気に増えました。それでもいまだに、未消化の有給休暇を山ほど残している社員に対し、定時出社を呼びかける会社もあります。その謎は、日本のサラリーマンにしか分からないことなのかもしれません。


転職活動に適した時期はいつ? 年末年始が「大きな狙い目」になる理由

転職活動に適した時期はいつ? 年末年始が「大きな狙い目」になる理由

「いつか転職できれば」と漠然と考えていても、物事は進みません。転職のタイミングを具体的に考えてみてはいかがでしょうか。ビッグウェーブに乗るには、2020年の初旬が大きな好機になりそう。不況になってからではなく、好況・人手不足の「売り手市場」に転職するメリットも多いものです。


ゾンビ企業から転職したいけど「辞めたい」と切り出せない! どうしたらいい?

ゾンビ企業から転職したいけど「辞めたい」と切り出せない! どうしたらいい?

「転職したい」と思っても、社長や上司が怖かったり、同僚に迷惑がかかるのではと心配になったりして、退職を言い出しにくいケースは少なからずあるでしょう。しかし、よりよい労働環境とキャリアを勝ち取るには、自分自身で一歩進み出すしかありません。退職の足を引っ張るブラック企業の「傾向と対策」をまとめてみました。


「正社員」なら絶対に辞めない方がいいの? 求人内容と違って耐えられないのに

「正社員」なら絶対に辞めない方がいいの? 求人内容と違って耐えられないのに

「正社員=安定」というイメージにつけこんで、悪条件の「名ばかり正社員」として雇うブラック企業があります。そういう会社に当たったら、ただちに退職を考えるべきですが、「フリーターの方がマシ」と衝動的な行動を取らない方がよさそうです。