45歳管理職、転職先の「入社承諾書」にサインしたけど… やっぱり現職にとどまりたい

45歳管理職、転職先の「入社承諾書」にサインしたけど… やっぱり現職にとどまりたい

一念発起、転職を決断したけれど、直前になって「やっぱり現職にとどまりたい」と考えを変える人はいるようです。社会人たるもの、契約書を取り交わしたからには、本来約束は守らなければなりません。しかしどうしても心変わりをしてしまったら、どうすればよいのでしょうか。


ネットのQ&Aサイトのに、こんな質問が載っていました。質問者の自称「だらしない旦那」さんは、いちどは決めた転職をためらっているようです。

転職先から提示された条件に合意し、入社承諾書にサインをしたのにもかかわらず、「やはり現職にとどまりたい」という思いが生じているといいます。

「入社承諾書」とは通常、会社から「採用通知」が伝えられ、正式な「労働条件通知書」が提示された後に、求職者がその内容を承諾して入社の意思を明示するための書面です。

回答者は「いまさら遅いよ」の集中砲火

新しい勤務先が実家に近くなることもあって、妻は転職を支持しています。先方からは入社の目安を提示され、現職に伝えるタイムリミットも近づいています。

それなのに転職に前向きになれない理由について、質問者さんは「新規顧客との取引開始でやり残したことがある」といいます。しかし、現職にとどまることで、転職を決意した理由や問題を解決しなくてもよいのかと気になるところです。

煮え切らない態度に、回答者からも予想通り呆れる声が続出しています。

「転職で悩むのは仕方ありませんが、今さら感満載ですね」

「45歳のいい年した男性とは思えない、子供のような質問。自分の管理もできないで、あなた何の管理職なの?」

「20代の若者ならいざ知らず、今更迷ってどうするんですか」

「いまさら遅いよ、新天地でがんばりなさい」

新規顧客は質問者さんとの人間的な信頼関係を前提に、取引開始を決めた側面もあるでしょう。本人としてそれが気になるのも分かりますが、「この仕事は俺しかできない」という自負が強すぎるのも考えものです。

いまの会社で「やり残したこと」は、きっと後任がうまくやってくれることでしょう。気持ちは若くても、もっと若い後輩や部下たちがいます。いまこそ自分の仕事を手放して、若手にチャンスを与える番ではないでしょうか。

1973年生まれの「団塊ジュニア」は苦労だらけ

とはいえ、質問文だけでは情報が少なすぎるので、勝手ながら質問者さんたちがどういう時代を生きてきたのか。歴史を振り返ってみましょう。

1973年生まれだとすると、質問者さんはいわゆる「団塊ジュニア」真っ只中。ベビーブームで同世代の人数が多く、受験競争が激化。18歳でバブル経済が崩壊し、親がリストラ対象になった家庭もあったことでしょう。

大卒時はひどい就職氷河期で、例年であれば楽に入れた会社も採用人数を絞り込み、ようやく入社した会社の業績も右肩下がりで給与も賞与も伸びない…。社会人生活がそのまま「失われた20年」になっている世代です。

現在どのくらいの規模の会社に勤めているのか分かりませんが、結婚して家庭を持ち、管理職にまでのぼりつめた質問者さんは、同世代からしたら相当の「勝ち組」になったといえます。

そんな質問者さんが、なぜ転職を志し、いまそれを撤回したくなったのか。理由は分かりません。しかし上記の生い立ちを踏まえると、恵まれぬ環境の中で競争社会で懸命に戦って、勝ち残ってきた人だということだけは確かです。

「まだ間に合いますよ」という人がいてもいい

ひとつ気になるのは、転職話をきっかけに、これまで交流が少なかった妻の母親が「色々口出ししてきています」と、質問者さんがポツリと漏らしている点です。

もしかすると転職のきっかけは、将来の介護などを控えて、自分の実家近くに住むことを希望する妻から促されたからなのかもしれません。

優しい質問者さんはこれに応じたものの、自分の意思が脇に置かれ、家族など周囲の人たちに振り回されていることに気づき、それがイヤになったのだとしたら……。ふと、自分の生き方は家族のためだけでなく、「自分で決めたい」と思ったのだとしたら?

ここは「今更迷ってどうするんですか」と背中を押すだけでなく、「もしも転職を取りやめたいのであれば、まだ間に合いますよ。もう一度考え直してみましょうか?」と優しくアドバイスする人がいても、いいのではないでしょうか。

この記事の執筆者

ネットのお悩み相談をウォッチするコラムニスト。


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