採用面接で一発合格! それって「ブラック企業」じゃないの?

採用面接で一発合格! それって「ブラック企業」じゃないの?

どうしてもブラック企業に入りたくない! でも早く就職先を決めたい! その間に揺れているとき、どのような点に気をつけたらよいのでしょうか? 理由があって即決している会社を、すべてブラック企業と勘違いすると、せっかくの大チャンスを手放すことにもなりかねません。


ネットのQ&Aサイトに、こんな相談が載っていました。質問者さんは、採用面接の回数と、会社の体質との関係が気になっています。

就職や転職の採用面接を2回、3回と複数行う会社もあれば、1回しか行わない会社もあります。その差はどこから来るのでしょうか。

「面接回数が少ない会社は、離職率が高いブラック企業が多いような気がするんですけど、どうでしょうか?」

「誰でもいいから人数さえ揃えばいい」のか

何か月も選考を受けているのに、なかなか採否が決まらない会社と比べれば、早い段階で内定が得られることは、転職者にとって嬉しいことです。しかしその半面、「このまま内定を受諾して良いのか?」と不安になることもあります。

ブラック企業アナリストの新田龍氏は「"ブラック企業"は、こう見抜け!」面接編の中で、「短時間、1回の面接で即内定」を承諾するリスクについて、こう指摘しています。

「『本当に能力も相性も良く、何の問題もない』という場合は万が一にはあるかもしれないが、一般的には『即決』=『もう誰でもいいから、人数さえ揃えばいい。イヤなら勝手に辞めろ』くらいの基準であることが多い。もし、そうであれば、入社後の状況は推して知るべしだ」

正社員採用の場合、平均的な生涯賃金は2~3億円。しかも一度採用すれば、本来は簡単にクビにすることはできないはず。そんな「高くてキャンセルしにくい買い物」をするのに「1回10分の面接で即決」などありえないというのです。

笑顔で「採用!」と言われたら、最初は嬉しい気持ちが湧いてくるでしょう。しかしその後は、「この会社は人がどんどん辞めてしまうブラック企業ではないか?」「ここで承諾したら私も短期間で使い捨てされてしまうのでは?」と不安になっても仕方ありません。

“ブラック企業”は、こう見抜け!(6) 面接編・Part1 | 企業ニュース | 転職・就職に役立つ情報サイト キャリコネIcon outbound

https://careerconnection.jp/biz/economics/content_759.html

就職活動している人にとって、応募した会社の書類審査が通り、筆記試験もクリアし、面接にまでたどり着くことは嬉しいものだ。一方で、「面接」は採用することで企業が応募者におカネを払う側である以上、どうしても「応募... | 社員の口コミがコラム記事になりました。企業の人事制度も公開中。

企業が「一発内定」を出す4つの理由

しかし回答者からは、即決だからといってブラック企業とは限らないという声もあがっています。

「面接回数が多いところほど、人をよく見ようという感じを受けますが、それとブラックさが相関するかどうかはわかりかねますね」

応募者が多い大手企業は手順を追って選考するが、中小企業では経営者が直に会って採否を決めれば一度の面接で済む。それが必ずしも「待遇が悪い企業」とはつながらないというコメントもありました。

「キャリコネ転職ガイド」のコラムニスト・三河賢文氏も「『面接1回=ブラック企業』とは限らない」という意見です。1回で済ませる理由は、次のようなものです。

・面接回数を増やすことで優秀な人材を取りこぼしたくない

・繁忙期等で時間あるいは人的リソースを面接だけに割けない

・書類選考で綿密なフィルタリングを行っており1回で十分に判断できる

社内の慣習として面接は1回と決めている など

このような理由で即決している会社を、すべてブラック企業と決めつけて辞退するのは早計です。勘違いして、せっかくの大チャンスを手放すことにもなりかねません。

面接1回で内定が出たときに考えるべきポイント | 転職ガイド | 転職・就職に役立つ情報サイト キャリコネIcon outbound

https://careerconnection.jp/job/guide/7171.html

転職活動といえば、1社について2~4回も面接を重ね、やっと内定を得られる印象をお持ちの方は多いはず。しかし最近、面接1回だけで即内定が出るケースが増えています。 | 転職ガイド | キャリコネ

「とにかく早く」と入社を急かす会社は要注意

しかし三河氏は、1つ注意点をあげています。それは「とにかく早く」と入社を急かすようなケースは要注意だということです。

「人材が極端に不足している、あるいは入れ替わりが激しいなど、過酷な労働環境である懸念があります」

「入社後も同様に、会社側の事情を押し付けるような風土である可能性も考えられるでしょう。休暇取得をはじめ、入社後の働きやすさに影響を与えるかもしれません」

そもそも応募者の都合を聞かない会社の要求は、簡単に呑まない方がよいでしょう。これだけ人手不足の世の中なのに、「うちが採ってやるんだからありがたく思え」なんてスタンスの会社は、やっぱり避けた方がいいでしょう。

もしも面接1回での内定が想定外で、不安や疑問が払拭しきれなかった場合について、三河氏は、面接の他に面談の機会を設けてもらったり、メールや電話で質問してクリアにしてから受諾することを勧めています。

内定をいただけたのは嬉しく思いますが、入社後、思い切り能力を発揮するためにも、もう少し吟味したく存じます。つきましてはご質問なのですが……」

新卒を大量に採用して使い捨てる会社もある

そんな形で切り出せば、会社も失礼に感じることはないでしょう。企業口コミサイト「キャリコネ」には、とある不動産会社に新卒入社したものの、すぐに退職した20代女性の書き込みが残されていました。

新卒を大量に採用して使い捨てる方法は、企業の成長という意味でも非常に悪手と思っている。上場企業とはいえ従業員が数百人しかいなかった企業が、新卒で30人弱採用していたので、内定式で周りを見た時からおかしいとは思っていたが、人事の言う通り、1年たつ頃にはかなり人は減っていた。下手な鉄砲数打てば当たるではなく、もっと面接回数を増やし、業務内容等のすり合わせをした方が新入社員の退職率は減るのではないか。

この記事の執筆者

ネットのお悩み相談をウォッチするコラムニスト。


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