役員平均報酬と従業員平均年収の差が165倍――
2017年11月、こんな衝撃的な事実が明るみになりました。報じたのは東洋経済オンライン。記事にはこう書かれていました。
役員平均報酬の12億2680万円は、従業員平均年収の743万円の約165倍になる。
ものすごく大きな収入格差です。
ちなみに役員の間でも相当な開きがあるようで、CGO(チーフグローバルオフィサー)の慎ジュンホ氏の役員報酬額は57億4021万円に対し、CEO(チーフエグゼクティブオフィサー)の出澤剛氏は1億4526万円でした。慎氏の報酬だけで従業員760人程度の年収に相当します。
LINEは国内でのシェアが非常に高いメッセージアプリを開発し、最近ではMVNOやフィンテック事業でも存在感を現してきている企業。それだけに就活生や転職希望者にとって就職先の候補にもよく上がっています。彼らにとっては報酬面はなおさら気になるところでしょう。
はたしてLINEは、就職先としてふさわしい企業なのか。年収の面からアプローチして検証していきたいと思います。
1.LINE社員の給与は低いのか?
まずLINEの平均年収ですが、同業他社と比べてどのくらいの差があるのでしょうか。
ITベンチャー系のDeNA、グリーと比べてみます。
・DeNA 777万円
・グリー 779万円
(LINE 743万円)
と、LINEが若干低く見えますが、それほどまで見劣りするほどでもありません。平成28年の男性の平均年収は521万円ですので、それと比べれば十分高給であるといえます。
これほどまでに高い給与水準であることは分かりました。続いては社内に目を向けてみましょう。
同じ会社であっても職種や部署などによって平均年収が異なります。
LINEには大きく分けて
・技術職(エンジニア職)
・企画職(サービス企画・ビジネス企画)
・デザイン職(クリエイティブ職)
・事務職
という4つの職種があります。
この中で平均年収が一番高いのが技術職(エンジニア職)です。
他の職種と比べて一体どれくらいの差があるのでしょうか?
実際の給与明細を同年代同士で比べてみましょう。
LINE社員の給与明細(キャリコネ)
同年代でも技術職とデザイン職とではこれほど賃金格差がある
20代技術職の 給与明細
20代デザイン職の 給与明細
年代が上がれば格差も広がる!?
30代技術職の 給与明細
30代デザイン職の 給与明細
2.LINEの昇給はどうなっているのか
ベンチャー系企業は業績次第で給料がどんどん上がっていくイメージがあります。
LINEの場合はどうでしょうか。
LINEの給与は年棒制で、年2回の給与改定があります。今までの成果とあわせて360度レビューで上司が査定します。その結果を踏まえて昇給が決まるしくみです。
好調なLINEのこと、さぞかし上がるのだろうなと想像しますが、実情はそうではないようです。
評価され昇給したとしてもなんと数千円単位。大多数の社員がそのような境遇にあるようで、
中途入社で入った社員からは「基本昇給しない」との声が数多く上がっています。
またインセンティブプランを選択している社員にとって査定は特に重要で、高評価を得ないとボーナスの支給を受けられません。かなりメリハリの付いた制度ですが、約7割の社員にはボーナスがない状態のようです。それゆえ査定制度自体に不満も多く「評価で何も変わらないなら何のための査定なのか」「評価が定量化されていない」といった意見も出ています。
基本的に給与は上がらないようですが、ここで高い報酬を得られるようにするにはどうすればいいのでしょうか? 口コミを見ると高い報酬を得るにはいくつか方法があるようである。
LINE社員の口コミ(キャリコネ)
このチャンスを逃すともう昇給しない!?
「新卒では決まった賃金体系があり、昇給も定期的に行われるのですが、昇給がほとんどどないため、 高い報酬を得ようとするならば面接試験の時に交渉するしかありません。 」
3年間勤めて昇給以外で収入を上げる方法を実践した方法がこれ
「エンジニアなので仕事量が多く大変でしたが、その分やりがいを感じていました。その頑張りが給与に反映されればいいのですがなかなか難しいところもありましたが、結果的に 自由になるお金を増やすやり方を編み出しました。 」
3.LINEの出世システムはどうなっているのか
昇給するためには業績を上げることの他に、昇進することが挙げられます。
LINEで出世するにはどうすればいいのでしょうか?
ご承知の通り、LINEはIT系ベンチャー企業であることから、組織や制度が流動的な部分があり、俗にいう「出世コース」といったものはありません。
ですので、「30歳には係長になっていないと出世コースから外れる」「広報部を経験しないと出世できない」といったものはなく、全ては成果によると考えて間違いありません。
しかしながら、先程の昇給と同じく、なかなか出世しないようです。役職が上がったとしても「マネージャー」クラスが多く、それ以上はよほどの実績を残さない限り昇進は難しいでしょう。「事業部長」など上位ポストは外部から引き抜きに近い形で入社してくる人が圧倒的に多いのです。
ではこのような環境で昇進していく方法というのはまったくないのでしょうか?実は裏技があるらしいのです。
LINK社員の口コミ(キャリコネ)
ただの平社員がいきなり部長に大抜擢された理由
「LINEの親会社は韓国のネイバーであり、あまり知られていないがいわゆる外資系企業。 マネージャー以上に昇進するには本社の韓国人役員との面談が必要。 」
4.結局LINEで働く価値はあるのか
昇給もなく出世もできないとあっては、LINEで働く必要があるのかという疑問が湧きます。
LINEの平均勤続年数は3.4年(単体、2016年12月31日現在)であることから見ても、“長居”をする人は少ないようです。
それは給料が上がらないから辞めていく人が多いということなのでしょうか。
いいえ、そうばかりではありません。
その理由は「通過地点」と割り切っている人も多数いるからなのです。
LINEには1億人以上の利用者を抱えるインメッセージアプリ「LINE」の開発運営管理、「LINE Pay」のようなFintec事業、「LINE NEWS」というメディア事業など多岐にわたり、知名度も高い事業やサービスがあります。
これらに関わることは、ノウハウの習得やスキルアップにつながります。
こうして事業に関わっていくことで、経験と実績を積み上げ、自分の価値を高めてからキャリアアップを図ることを目的にしているのです。そして他社に移る時に報酬額をあげるのです。
肝心の実績作りをどうすればいいか。既存事業では保守管理が手一杯でなかなか新しいことが出来ないという事情もあるようです。
ならばもっと実績を残しやすい方法はないのでしょうか?社員の口コミから実績を残す方法が見えてきました。
LINK社員の口コミ(キャリコネ)
LINEで結果を実績として残す一番の近道は?
「社内で新規事業の立ち上げでエンジニアを募集したことがあります。私はこれに応募して プロジェクトの立ち上げメンバーに参加しました。 」