ディー・エヌ・エー(DeNA)と日産自動車は2018年2月23日、無人自動運転車両を活用した交通システム「Easy Ride」の実証実験を3月に開始すると発表しました。横浜市のみなとみらい地区周辺の公道で一般人を乗せて行なうとのこと。すでに同社では2017年から自動運転バス「Robot Shuttle(ロボットシャトル)」の実証実験が開始されており、オートモーティブ事業では2例目となります。
DeNAは2015年にオートモーティブ事業へ進出。カーシェアリングやバス・配送車の自動運転化などに注力してきました。
2017年に日産自動車と無人自動運転車両を活用した交通システム「Easy Ride」の協業を発表。そして今回、実証実験にまでこぎつけました。
自動運転は政府によって、1~5までのレベルが定義付けされており、今回の実証実験では自動運転レベル4(高度自動運転)が試されることになりました。これは日本政府が2020年までに実用化したいといしているレベルですの。DeNAの技術力がここまで磨かれたことがうかがえます。
これまでDeNAはヘルスケア事業、スポーツ事業など新規事業の立ち上げを積極的に行ってきました。まさに「永久ベンチャー」を名乗るにふさわしいふるまいといえます。新規事業を立ち上げるにはどのようなプロセスを踏むのでしょうか。就職・転職希望者が気になるDeNA社内のしくみや、報酬の面などを、口コミ情報も踏まえ紐解いていきます。
新規事業を提案するのは誰なのか?
一般にはメガベンチャーともなれば社内が開かれており、発言もしやすい。そのため社員から新規事業のアイデアが出やすく、実現も容易であるとのイメージがあります。DeNAもそうなのでしょうか。
ココ最近、DeNAが自動運転以外にも新規事業として立ち上げたものにヘルスケア事業があります。
これらの検討し、事業化するための音頭取ったのはファウンダーであり当時社長でもあった南場智子・現会長を中心とした経営陣です。現在までに立ち上げまたは投資を行っている事業のほとんどがトップダウン決まっているといいます。
なぜトップダウンなのでしょうか。
それは事業規模の大きさが起因しているのです。
そもそも、DeNAが矢継ぎ早に新規事業に手を出すのには理由があります。
それはDeNAの収益の大きな部分を未だゲーム事業が稼いでいるという構造を変えることです。
2017年3月期の総売上高は1438億600万円、その内ゲーム事業の売上は1014億2700万円と、実に3分の2以上を占めています。これほどまでに利益構造の大きな偏りがあるDeNAにとって、新たな柱を立てることは急務なのです。
そうなると、必然的に小さな市場規模の分野に乗り出すわけにはいきません。将来的にゲーム事業と双璧をなすような、莫大な利益が生み出せる分野への投資が必要となってきます。
投資額があまりにも大きいな新規事業ともなれば、現場レベルが提案するのは非現実的です。(しくみとしては整備されてはいますが…。)
それゆえ選択、投資判断が早いトップダウンが最も適した形です。
しかしながら、トップが決めるのはあくまで「ヘルスケア」「自動運転」といった、大きな成長市場での勝負するという指針です。「自動運転タクシー」「クロネコヤマトと協業」といったドメイン内の事業は事業部長以下現場の社員が提案し具現化していきます。
DeNA社員はドメイン内での事業について新規提案がおこないやすくなっています。
実際に出した提案が採用され、大きな成功へ導いた事例もたくさんあります。
実際に口コミを見てみると果敢にチャレンジする社員も多く、提案のしかた、提案後の苦労話など興味深いものもたくさんありました。
DeNA社員の口コミ
競争率の高い新規事業コンペを勝ち抜くコツとは
「社内では新しい事業でやりたいと考えている人は多い。むしろ作っていかなければならない。 新規事業をやらせてもらえるには、日々の結果を出しつつも… 」
せっかく新規事業を任せてもらえると思ったのに…トホホの理由とは
「新規事業はスピーディに且つ柔軟な体制で進められるのは間違いなく、自分で生み出していく楽しみが詰まっている。 しかし新規事業と任されたものは、クリエイティブだと想像していた… 」
新規事業に大抜擢!喜びのあまり前のめりすぎて…待っていた悲劇とは
「事業を最初から最後まで一人で責任もって動かせる環境は、私のようなチャレンジ精神旺盛な人間にとって理想の環境。 でも周りの人はみんな口に出していたかっただけだった。こんなに… 」
ちなみに南場氏によると、DeNAの新規事業は以下の3つの質問についてすべてがイエスだったらやろうと決めているそうです。
・成功したときに十分にでかい事業になるか
・DeNAが、勝てるか
・やりたくてたまらないと目が輝いているか
新規事業には立ち上げ時のやりがい意外にも社員にも大きなメリットやチャンスが待っています。それはいったいなんでしょうか。
事業の成功者には相応の見返りがある
運良く新規事業に携わることが出来た場合、その事業が成功すれば会社から相応のねぎらいがあります。
DeNAが主軸としているゲーム事業の中でも大ヒット作である「怪盗ロワイヤル」。ピーク時には月商30億円を叩き出しました。1年に換算すれば300億超となり、その額はゲーム事業全体の3分の1を占めることになります。
このビッグタイトルを企画から開発までこなしたのが大塚剛史氏(現・N3TWORKエグゼクティブプロデューサ)です。大塚氏はエンジニア経験がないながら自ら志願し、ゲーム事業部に異動。そこで市場研修をしながらゲームを開発しますた。リリース後1年程度でプラットフォーム 統括部長に抜擢。それとあわせて数千万円のボーナスを受け取ったといわれています。
DeNAは給与自体高いことでも知られています。具体的にどれくらいなのか給与明細を見てみましょう
DeNA社員の給与明細
20代でもかなりの報酬が得られる
20代制御系SE職(非管理職)の 給与明細
20代Web・オープン系プログラマー職(非管理職)の 給与明細
役職が付けば大台突破!?
30代プロジェクトマネージャー職(管理職)の 給与明細
30代経営企画職(管理職) の 給与明細
報酬によって社員に還元することはDeNAの社是ともいえる「人材を大切にする」こと、ひいては優秀な人材を引き止めることのあらわれでしょう。