転職面接で「年収300万円ダウン」提示に悩む40代男性 不正を断り退職させられた末に

転職面接で「年収300万円ダウン」提示に悩む40代男性 不正を断り退職させられた末に

不正を強要する会社の指示を断り、退職を余儀なくされた40代男性。仕方なく転職活動を始めましたが、なかなか希望にあった勤め先が見つかりません。ようやく出た内定も「前職より300万円ダウン」の年収提示で、決断に迷っているようです。退職理由が理由だけに、理不尽に思えてきても仕方がありません。


ネット上のQ&Aサイトに、こんな質問が載っていました。質問者さんは40代後半の男性。年収700万円を得ていた職場で、上層部から不正行為を強要されました。

これに従うことを拒否した結果、質問者さんは退職することに。その後、1年間の転職活動で100社に応募しましたが、面接に進めたのはわずか3社。その3社目でやっと内定が出たものの、提示された年収は400万円だったそうです。

「400万もらえるだけ幸せ」という回答者も

退職に至った経緯は分かりませんが、強要された不正は、発覚すれば懲戒処分を受けるような行為だったとか。いずれにしても会社は、どうにかして質問者さんを退職に追い込みたかったのでしょう。

自分が辞めずに会社を告発する道もあったはずですが、相談した転職エージェントに止められて涙を飲みました。自分に落ち度がなかった分、300万円のダウンは理不尽に大きく感じられます。そこでこんな質問を投げかけています。

「このご時世では、私のような年齢の労働者の転職市場相場は、これほどにも下がるものなのでしょうか?」

質問者さんがどんな仕事で実績を上げ、どんな経験やスキルがあるのかは分からないので、年齢だけでは適切な報酬水準は判断しにくいところです。しかし回答者からは、400万円でも十分ではというコメントがありました。

「確かに低いと感じてしまいますが、40代で転職して400万もらえるだけ幸せかと。今の20代の子は200万ちょい上ぐらいしか貰えなくて悩んでる子沢山いますから」

回答者さんの言い分も分かりますが、国税庁のホームページを見ると、年齢階層別の平均給与は45~49歳の男性で630万円です(2017年分 民間給与実態統計調査)。年収ダウンは仕方なく受け入れるとしても、もう一声欲しいと思ってしまうのが人情ではないでしょうか。

「歩合制の営業職」なら高給の可能性もあるが

年収700万円をもらっていた人であれば、一般的な転職市場ではなく、仕事を通じたコネなどを使って再就職のあてを探すことができたような気もします。そうすれば、ここまで提示年収が下がることはなかったでしょう。

ただ、会社との関係が悪くなって退職したために、コネが使えなかった可能性が高いです。転職エージェントの勧めで本当の退職理由を伏せ、「家庭の事情で」と説明したのも、足下を見られて安く買い叩かれる原因になったおそれもあります。

ある回答者さんは、40代の転職が難しい理由をこう考察します。

「40代後半といえば、中途採用で入っても周りの大半は年下でしょう。貴方は自分より年上の50代60代の部下が欲しいでしょうか…? 答えはノーだと思います。年上には物を言いにくいというのが日本の人間関係ですからね。だから教えなくても全部できる人が求められる年齢です」

そこで回答者さんが勧めるのが、歩合制の営業職の仕事です。要するに、誰の助けも借りずに売上を上げられるような仕事でなければ、高年収は期待できないということ。

しかし、そんなことは質問者さんも重々承知しているはず。20代の若者たちに混じって、体力勝負のハードワークがいまさらできるかといえば、40代後半では難しい人が多いでしょう。それ以外に、ある程度の年収を確保する道は本当にないのでしょうか。

年収アップには5つの選択肢がある

キャリコネ「転職ガイド」には、年収アップを実現できそうな転職先を探す5つの視点が紹介されていました。選択のポイントは次のとおりです。

1. 給与額の設定が高い会社を選ぶ
2. 実力が給与に反映される会社を選ぶ
3. 成長著しいベンチャーを選ぶ
4. 福利厚生や諸手当の充実した会社を選ぶ
5. 賞与が多く出る会社を選ぶ

年収がUPする転職先を探す5つの視点 | 転職ガイド | 転職・就職に役立つ情報サイト キャリコネIcon outbound

https://careerconnection.jp/job/guide/1368.html

ここまでで、年収アップの転職で成功できる人とできない人がいることが分かりました。さらに「会社選び」も年収額を大きく左右します。 | 転職ガイド | キャリコネ

詳しくはリンク先を見ていただきたいのですが、回答者さんが勧めていた「歩合制の営業職」は2や5に当たりそうです。基本給は低くても高い業績を上げられれば、ボーナスやインセンティブで大きな額が支給されるからです。

3の「成長著しいベンチャーを選ぶ」も合っているのかもしれません。質問文を読む限り、経験豊富で正義感が強く、論理的に粘り強く行動ができそうな印象を受けます。

オーナー経営者の信頼を勝ち取ることができれば、重要なポジションが得られ、高給も期待できます。最初は給与が低くても、持ち株制度やストックオプションがあれば、業績次第で大きなキャッシュインが期待できるかもしれません。

「成長ベンチャー」が合っている人も

なお「転職ガイド」は、そのようなベンチャー企業の見つけ方として「志望業界で働く人やブログ・SNSなどで影響力が大きい有名人、またはオピニオンリーダーが注目している企業を探すのが近道」と言います。

場合によっては「不正強要を断って退職した」という過去が、ベンチャー経営者にとって魅力的に映る可能性もあります。

都内のあるベンチャーに勤務する20代男性は、企業口コミサイト「キャリコネ」に、職場の様子をこのように説明しています。

ブロックチェーンに参入するなど、かなり先進的なこともしている。意外と挑戦的だと感じた。
と言っても、「かたさ」を感じる時はある。売り上げ予測が数字で建てられないと、動き出さない印象。いいところでもあるのですが、スタートアップIT企業と比べると堅いのかもしれない。

この記事の執筆者

ネットのお悩み相談をウォッチするコラムニスト。


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