明日のテンバガーを探せ!マイクロ波化学【9227】化学産業の課題に最適なマイクロ波ソリューションを構築・提供する

明日のテンバガーを探せ!マイクロ波化学【9227】化学産業の課題に最適なマイクロ波ソリューションを構築・提供する

マイクロ波化学株式会社は、電子レンジなどで利用されているマイクロ波を活用した独自のプラットフォームをもとに、化学産業をメインに最適なソリューションの構築・提供している企業。株式会社グローバルウェイが運営する「キャリコネ企業研究Resaco」による株式投資家向け企業研究です。記事の内容を確認するには会員登録が必要です。


マイクロ波化学ってどんな会社?

東証グロース市場上場のマイクロ波化学株式会社(9227)(以下、マイクロ波化学)は、2007年6月に設立されたマイクロ波プロセスの事業化に特化した企業です。同社の属する化学業界は19世紀後半の勃興期から100年以上経つにもかかわらず大きなイノベーションがありませんでした。

そのような中でマイクロ波を活用した独自のテクノロジーを通して化学業界を変革しようというビジョンを掲げたのが同社です。創業当時はマイクロ波の産業利用が困難という見解が化学業界の常識でしたが、同社はそうした常識を打破して化学産業に変革を起こしました。また、2014年には世界初となる大規模なマイクロ波化学工場を立ち上げています。


現在、日本の製造業全体のエネルギー消費の約40%は、化学産業で消費されているといわれています。中でも、反応、分解、蒸留、乾燥などの工程でエネルギーが大量消費されているといわれており、これらの工程から排出される二酸化炭素の削減や省エネルギー化が、大きな課題になっています。

そのような背景の中、マイクロ波による加熱の利用が注目されているのです。

マイクロ波とは、電場と磁場の変化を伝搬する波で電磁波の一種です。電磁にはX線、紫外線、可視光線、赤外線、電波など周波数の違いにより分類されていますが、中でもマイクロ波は電波の中で周波数が300MHzから300GHzの電磁波です。

マイクロ波を用いた加熱方法は、従来の加熱方法とは異なり、ターゲットとなる物質に直接的に、さらに内部から熱を伝えることができるエネルギー伝達手段です。その真逆で従来の加熱方法では間接的に外部から、全体的に熱を伝える手段となっています。このことからも分かるようにマイクロ波での加熱方法では急速な加熱が可能となり、温度ムラがなくなる上に省エネ効果もあります。

そのような同社のマイクロ波プロセスによってもたらされるイノベーションは、主に下記の3点です。

1.製造プロセスの革新:「省エネ」「高効率」「コンパクト」な製造プロセスが実現。

2.新素材の開発:これまで製造できなかった新しい素材や高品質材料の開発が可能となる。

3.カーボンニュートラルへの貢献:再生可能エネルギーによる「電化」と「マイクロ波プロセス」の掛け合わせによりCO2排出量の削減が可能となる。

これらのマイクロ波の特徴を活かした同社のビジネスモデルは「マイクロ波技術のライセンスや共同事業」です。化学分野をメインに、環境、医薬、食品、電子材料など、多くの国内外のメーカーや機関と提携し、新分野を開拓しています。そして、同社の強みであるマイクロ波プロセスの事業化の主なフローは下記となります。

同社の代表的な実績は、三菱ケミカル株式会社(以下、三菱ケミカル)とのアクリル樹脂のケミカルリサイクルに関するプロジェクトが挙げられます。現在、コンビニの看板、水族館の水槽、百貨店のディスプレイなど至る箇所に用いられているアクリル樹脂のケミカルリサイクルに関する研究開発が世界中で進んでいます。

ケミカルリサイクルとは、廃プラスチックを化学的に分解し原料に戻してから新品同様のプラスチックに再生成するリサイクル方法です。これまでも多くのメーカーがアクリル樹脂のケミカルリサイクルの実現に励みましたが、品質とコストの両立が厳しいといった課題が残されていました。そのような中で三菱ケミカルと同社が共同でマイクロ波プロセスを活用し、高純度のモノマー(アクリルの元となる基質)の抽出を成功させました。アクリル樹脂のケミカルリサイクルにおいて、品質だけでなく、高効率と低コストを実現させたのです。

この他にも同社は三井化学株式会社やJAXAなどともマイクロ波プロセスを用いたプロジェクトを遂行しています。

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