オイシックスってどんな会社?
東証プライム市場上場のオイシックス・ラ・大地株式会社(3182)(以下、オイシックス)は、身体や環境にやさしい食品を中心とした宅配事業を展開する企業です。
とりわけ食品宅配サービス「Oisix」で人気のミールキットは、仕事や家事、育児で忙しい現代の女性に人気で、時短でできる栄養満点の食事を提供しています。
同社は2017年10月にオイシックスと大地を守る会の経営統合によって「オイシックスドット大地」となりました。その後2018年7月に現在の社名に変更し、10月にはらでぃっしゅぼーやと経営統合しました。
大地を守る会は、1975年に発足した日本で初めての有機農産物の宅配システムです。農薬に依存しない農業を訴える医師が増え始めた時代背景で、無農薬野菜を直接販売する事業から始まりました。そして1980年代には、女性の社会進出が増加し、宅配システムの導入が顧客のニーズにフィットし、大成功をおさめ、現在のシステムの礎となっています。
らでぃっしゅぼーやは、「持続可能(サスティナブル)な社会の実現」を理念に掲げた環境NPO「日本リサイクル運動市民の会」を母体に誕生しました。創業以来、安全で美味しい食品や、環境に優しい商品の提供を通して安心できる食品流通の発展と有機農業や環境保全型農業の拡大を目指してきました。母体となった環境NPOが創立されたのは高度経済成長期で、大量生産・大量消費が問題視されていました。メンバーは「ものを大切にすること」「資源を大切にすること」など環境保全を社会に啓発するため、フリーマーケットの形態を開催し根付かせました。
現在のオイシックスの主な事業は、「Oisix」「大地を守る会」「らでぃっしゅぼーや」の3つの事業を中心に展開されています。
「Oisix」では、有機・特別栽培農産物、添加物を極力使わない加工食品や、プレミアム時短をコンセプトとしたミールキットをインターネット販売しています。とりわけ目玉商品である「KitOisix」は、およそ20分で主菜と副菜の2品を作ることができます。共働き世帯が増える中、「料理は大変だけれどもきちんと食事をしたい」という気持ちを背景に2020年には5500万食を突破するなど家庭の味方となっています。
「大地を守る会」は、「オーガニックを食べよう」をコンセプトに、国産のものを中心に安心して食べられるおいしい旬の食材や加工品、雑貨の宅配サービスです。目玉商品は「畑まるごと野菜セット」「産地限定野菜セット」で、ちゃんとした食生活を手軽に取れることをコンセプトとしています。また、「もったいナイシリーズ」では、形はいまいちでも丹念に農家が作り上げた野菜が販売されています。主な顧客層は50~60代の健康意識の高い層です。
「らでぃっしゅぼーや」は、安全で環境に優しいサステナブルに特化した食品や日用品を中心とした宅配事業です。目玉商品は「ぱれっと」と呼ばれる旬の野菜の詰め合わせで、年間約140種類に及ぶ旬の野菜や珍しい野菜が定期的に顧客に届きます。サービスの利用者は、主に料理好きな40~50代です。個性のある野菜を提供することで料理を通して自己表現を楽しむ顧客が多いようです。
その他の事業には、定期宅配で培ったノウハウをもとにしたノベルティサービス「タベルティ」や、広告出稿サービス「Ad Oisix」、ECサービスで培った技術をもとにしたソリューション支援「Oisix ra daichi EC Consulting」、保育事業向け宅配サービスのほか、アメリカでのヴィーガンに特化した宅配サービス「PurpleCarrot」があります。
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