2021年06月21日
日本における大手重電3社の一角をなす電機メーカー、東芝への転職。中途採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、一緒に仕事をする仲間として評価されるので、事前にしっかり対策して転職を成功させましょう。
かつては「白物家電のパイオニア」と呼ばれ、数多くの家電製品を開発・販売し、戦後日本の発展に貢献してきた東芝。2015年に発覚した不正会計事件以降は消費者向け製品から撤退、重工業分野へと事業をシフトさせ、業績と信頼の回復に取り組んでいます。2019年12月には、東証一部への復帰申請を目指すことを公表し、今後の動きが注目されます。
そんな東芝の口コミを見ると、「良くも悪くも典型的な日本型大企業」といった社内の雰囲気が浮かび上がります。トップダウン傾向が強く、実力よりも調和を重んじる企業風土がうかがえます。評価制度は年功序列かつ学歴重視と感じる社員が多く、縦割り文化も残るため、同じ社内でも部署間に隔たりを覚える場合もあるなど、古い体質をいまだ残す一面も。危機感なく仕事に取り組む社員が存在することに不満を抱く口コミも見受けられます。こうした日本的な企業風土が合うか合わないかは社員個人の志向によるところが大きいでしょう。
一方、福利厚生の充実を評価する声も多くあがります。不正会計事件以降、給与水準はやや下がったものの、労働状況に応じてきちんと各種手当が支払われることや、有給休暇の取得が推奨されていることなど、社員が安心して働ける環境があります。また、恵まれた労働環境が長年あったことから、社員にはおっとりした人が多く、社内の雰囲気も穏やかなようです。仕事においては、新しい技術や製品に関わることができる点に面白みややりがいを見出す社員が多く、落ち着いてじっくりとキャリアを積みたい人には適した環境と言えそうです。
東芝には、良くも悪くも日本的で穏やかな社風とやりがいを感じられる環境があります。採用面接では、こうした社風にフィットする人材かどうかを見極められます。
書類選考通過後、通常2回の面接があります。1次面接は募集部門による面接、2次(最終)面接は人財採用センターによる面接となっています。口コミによると選考期間は1週間から1か月程度と、比較的スピーディに進むことが多いようです。
現在、東芝では研究開発職・開発設計職・営業職をはじめとした職種で中途採用を行っています(通年)。面接では、応募者の人柄や考え方を問う、人物重視の傾向があります。自分のどのような志向、考え方が東芝で活かせるのか、またそれを面接の場でどのようにアピールするのが効果的か、事前にしっかりと対策をして臨みましょう。面接内容の傾向についての詳細は次項をご覧ください。
「なぜ東芝に入社したいのか?」「あなたの強みは何か?」など、中途採用面接としてはオーソドックスな質問が多く、入社への意気込みとともに人柄を見られることが多いようです。企業研究はしっかりと行い、自己分析も徹底しましょう。特に志望動機については、ありきたりな回答で終わらないよう、自分のスキルや志向性と関連づけて話せるようにしておくと効果的です。自分の経歴を棚卸しし、回答のパターンを作成しておくと役立ちます。「一緒に働きたい人材」だと印象づけられるよう、自分の人柄を表すエピソードの選定はじっくり行いましょう。
また、「これまでの経験のうち入社後に活かせそうなものは?」「リーダーになる自信はあるか?」など、入社後の仕事を想定した質問をされることもあるようです。中途採用者は即戦力としての働きを要求されるため、企業研究をしっかり行った上で自分のどのような面が活かせるか、スキルや経験、志向とのすりあわせが必須です。重なる部分が少ない場合でも、スキルや素質を身に着ける努力を惜しまない姿勢を見せることができるようにしておくと良いでしょう。
「東芝についてネガティブなイメージはあるか?」と問われた人もいました。東芝の採用面接を受けるにあたり、2015年以降の不祥事を知らない応募者は少ないと思われます。ネガティブな事件を前向きな方向へと昇華させて語れるように、自分の中で整理しておくことが必要です。
東芝の面接を受ける上では、経営戦略を理解しておくことが必要不可欠です。
東芝では、2019~2023年度事業計画「東芝Nextプラン」を掲げて経営を行っています。
東芝Nextプラン説明会資料より
創業当初のベンチャースピリットに立ち返り、新事業の創出・育成や、デジタルトランスフォーメーション推進施策に取り組むとともに、全社改革と収益性向上にも力を入れることで、実世界とデジタル世界をつなぐ世界有数のCPSテクノロジー企業として次世代の成長へつなげていくことが長期的目標です。
東芝Nextプラン説明会資料より
リスク管理・成長投資・収益性の向上の3つの面から、企業としての価値を高めることを通じて、株主価値のみならず顧客・取引先・従業員というすべてのステークホルダーの価値向上を目指します。こと事業ポートフォリオの構築面では、市場の見極めと管理を徹底していく姿勢です。
東芝Nextプラン説明会資料より
具体的には上図のように組織構造面・調達面・営業面・製造プロセス面で改革を行うことで、生産力と収益性の向上に取り組みつつ、既存事業の見直しと整理を行い、成長を見込む事業分野には重点的に投資していく方針です。
東芝コーポレートサイトより
さらに、東芝には上図のような理念体系が存在します。経営理念、企業としての存在意義、企業価値観をまとめたこの体系は、東芝が社会において果たすべき役割を標榜しています。中途採用でも「『人と、地球の、明日のために。』の理念をもって、未来を切り拓く一助となる誠実な仕事ができる人材」が求められていると言えるでしょう。したがって、採用面接に臨むにあたっては、経営戦略と理念体系をしっかりと理解し、自己分析に落とし込んでおくことが必要です。
東芝の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜうちの会社なのか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。業界理解や職種理解の枠を超えて、東芝という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
このように、東芝の採用面接を受ける前には、経営戦略に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では「良くも悪くも日本的だが、穏やかでやりがいを感じられる社風」を意識して、「組織になじみつつ、社会の未来と東芝の成長のために誠実に業務に取り組める人材」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
東芝の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
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