0編集部が注目した重点ポイント
①ユアテックを持分法適用会社へ変更し事業体制を再編
2025年度より、総合設備エンジニアリング事業の中核を担うユアテックが連結子会社から持分法適用会社へ変更となり、グループの管理体制を刷新しました。これに伴い、「その他」セグメントの売上高は前年度と比べ単純比較不可となりますが、より各事業の自律性を高める事業展開が進められています。
②女川2号機の再稼働効果の一方、時価評価影響で減益へ
女川原子力発電所第2号機の再稼働によって収支改善の効果が発現したものの、中東情勢悪化に伴う電力先渡取引等の時価評価損が発生し、経常利益は大幅な減益となりました。ただし、時価評価影響は次期に振戻しされるため、2期通算での収支影響はないとされています。
③関東エリア初受注などPPAサービスを累計180件超へ拡大
カーボンニュートラルソリューションであるコーポレートPPAの受注が好調に推移し、関東エリアでの初受注を含め累積受注件数は180件を突破しました。脱炭素ニーズに応える付加価値サービスの提供により、エリア内外での収益基盤の拡大に成功しています。
1連結業績ハイライト
出典:東北電力グループ 2025年度 決算説明資料 P.3
売上高: 2兆3,724億円 (前期比 -10.3%)
営業利益: 1,603億円 (前期比 -42.8%)
経常利益: 1,264億円 (前期比 -50.8%)
2026年3月期の通期決算において、売上高は販売電力量の減少などにより前期比で減収となりました。経常利益は、女川2号機の再稼働に伴う燃料費削減などの収支改善効果があったものの、中東情勢悪化に伴う電力先渡取引等の時価評価影響や需給調整費用の増加により、前年を大きく下回りました。
通期業績予想に対しては、時価評価損などの特殊要因が影響し、当初見込んでいた目標に届かず進捗が遅れている(下回って着地)結果となりました。一方で、自己資本比率は前年度の18.3%から19.4%へと着実に改善しており、財務健全性の回復という点では成果が出ています。
2事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:東北電力グループ 2025年度 決算説明資料 P.8
発電・販売事業
事業内容:火力・原子力および再生可能エネルギーによる電力供給や、電力小売、カーボンニュートラルソリューションを提供しています。
業績推移:売上高は1兆9,817億円、経常利益は時価評価損などの影響で1,266億円(前期比 -48.4%)の減益となりました。
注目ポイント:データセンターの誘致や、PPAサービスの拡大により、新規需要の獲得に成功しています。AI技術の進展等による電力需要の増加を見込み、法人向け提案営業や再エネ発電の運用を支える専門人材が強く求められています。
注目職種:法人向けソリューション営業、再エネアグリゲーションエンジニア
送配電事業
事業内容:東北・新潟エリアにおける中立・公平な電力ネットワークサービスの提供および設備の維持・更新を行っています。
業績推移:売上高は9,213億円(前期比 -2.6%)、経常損失は10億円となり、需給調整費用の増加が影響しました。
注目ポイント:北海道本州間連系設備や東北東京間連系線など、広域系統整備に向けた大規模プロジェクトが進行中です。次世代ネットワークの構築には、送変電設備の高度な設計・施工管理スキルを持つエンジニアの参画が不可欠となっています。
注目職種:送変電設備エンジニア、系統計画・運用担当者
その他事業(総合設備エンジニアリング・不動産・DX/IT)
事業内容:グループ会社を通じ、情報通信、設備工事、DX支援などの周辺サービスを展開しています。
業績推移:売上高は1,816億円。ユアテックを持分法適用会社へ変更した影響(前年同期は連結)等により、経常利益は159億円となりました。
注目ポイント:トインクス等のグループ会社を中心に、社内外のDX支援やスマートライフ電化への対応を加速させています。データ・デジタル技術を活用した新サービス開発が急務であり、ITアーキテクトやデータサイエンティストの活躍余地が広がっています。
注目職種:DX推進プロデューサー、ITエンジニア
3今後の見通しと採用の注目点
出典:東北電力グループ 2025年度 決算説明資料 P.23
来期(2027年3月期)の業績予想は、燃料価格の動向が不透明なため現時点では未定と公表されています。しかしながら、中長期的な企業価値向上に向けて、2030年までに3,000億円規模の戦略投資を実行する計画であり、火力の脱炭素化や再エネ開発への投資が加速しています。
特に注目されるのは、分散型AIデータセンターの構築や、コンテナ型データセンター誘致による新たな電力需要の創出です。これらの施策を通じて、従来の電力供給インフラの枠を超えた新規ビジネスへの挑戦が続いており、エネルギー×デジタル領域での新規事業企画や、法人アライアンスを牽引できる人材の採用ニーズは、今後さらに高まっていくと見込まれます。
4求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は現在、「スマートライフ電化」の推進やデータセンター誘致を通じた新領域の開拓に注力しています。志望動機では、既存インフラの維持だけでなく、カーボンニュートラル社会の実現やデジタル技術を活用した事業創出に対して、自身の専門スキル(営業、IT、エンジニアリングなど)をどのように活かせるかを具体的に示すと説得力が増すでしょう。
面接での逆質問例
・「コーポレートPPAなどの新サービス拡販において、現場の営業担当者が最も苦労している課題は何でしょうか?」
・「DX推進方針の中でAIの導入が掲げられていますが、私の〇〇のITスキルはどのプロジェクトで活かせる可能性が高いでしょうか?」
・「次世代ネットワーク構築に向けた連系線の増強プロジェクトで、中途入社者がリーダーシップを発揮している事例があれば教えてください。」
5転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
プロパーの方が圧倒的に多い
プロパーの方が圧倒的に多いです。出世している人もプロパーの方が多いので、中途採用で入る場合にはそこに留意する必要があります。
(20代後半・建設コンサルタント・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 東北電力グループ 2025年度 決算説明資料
- 東北電力株式会社 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)



上場企業の四半期決算から、面接で差がつく「志望動機」や「逆質問」のヒントを導き出す専門チーム。3ヶ月ごとの業績推移と戦略の遂行状況をキャリコネ独自の現場データと照合し、求人票だけでは見えない企業の「現在地」を可視化します。投資家向け情報を、転職希望者が選考を有利に進めるための武器に変える、実戦的な企業研究を配信中。