2021年06月21日
大型建築物から中規模オフィスビル、お寺など幅広い技術を持つ清水建設への転職。中途採用面接では、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、「人となり」も評価されます。即戦力として、一緒に仕事をする仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策して転職を成功させましょう。
210年余にわたる長い歴史を誇る清水建設。大型建築物はもちろんのこと、他ゼネコンに比べ中規模オフィスビルの開発も積極的に行っています。また、宮大工の頃から培った技術を受け継ぎ、現代の技術を融合した社寺建築や伝統建築等も得意としています。古来からの職人の技を受け継ぐ東京木工工場や建築業界初の製図場や研究開発組織を設置。そして2017年にものづくり研修センターをオープンさせるなど伝統のものづくりの文化を後世に伝えるための取り組みを積極的に行っています。
そんな清水建設は、資格取得や社員教育がしっかりしているという声が見受けられます。「一級建築士はほぼ全員が数年で取得している」「海外研修や国内外の建築視察なども希望を出せば会社が積極的にバックアップしてくれる」などやる気があれば誰でもチャレンジする機会があり、人材育成にも力を入れている会社と言えるでしょう。その他「和気あいあいとしていて穏やかな雰囲気」「風通しが良い」「真面目気質」などの口コミがあります。
業界特有の「現場はキツイ」「朝早くから夜遅くまでの残業」「体力的にキツイ、若い頃は良いが、年を重ねると不安がある」といった声ももちろんあります。しかし、「大企業だけあって扱う物件の規模が大きく、仕事のやりがいが大きい」「自分の作業が着実に形となって積み重なっていく感覚は、他では味わえない面白さだと思う」「大きな物件ほど大きな責任が伴うため、日々プレッシャーを感じながら働かなければならない点は厳しいが、竣工を迎えた日にはそれが吹き飛ぶほどの達成感を感じることができる」といった声も多くあります。キツイ仕事だからこそ得られるやりがいがを重視し、探求心とチャレンジ精神をもって業務に取り組める人材が求められるでしょう。
清水建設は、「子供たちに誇れるしごと」を根底に、一つひとつの仕事に情熱を注ぎ、子供たち、さらにその先の子供たちの時代に価値ある建造物や事業を築いていくことを目指しています。そして伝統の技術を受け継ぎ、チャレンジ精神、新しいことへの挑戦の気持ちを大切にし、新たな技術開発に挑戦し続けます。採用面接ではこういった社風にマッチする人材であるかが見極められるでしょう。
清水建設の中途採用では、大きく2つの職種があります。国内・海外を問わず、グローバルに様々な領域の仕事をし、職務、勤務地域を特定しない「総合職」と、職務および勤務地域を特定し、地域に根差し、専門分野で活躍する「地域職」があります。
●総合職の選考プロセス
書類選考→面談→適正検査→面接選考(本社)→内定
●地域職の選考プロセス
書類選考→面談→適正検査→一次面接選考(支店)→最終面接選考(本社)→内定
という流れになります。選考期間は概ね2週間から1ヵ月程度です。面接当日に、自己PRなどのエントリーシートを記入するよう指示があるようです。
なかには「面接はグループ面談で、面接官が4人いた」や「面接は5対1だった」「圧迫面接だった」という口コミもあります。どのような形式、面接官であっても落ち着いて自分の言葉で伝えられるように準備しておきましょう。
コーポレートサイトに、総合職、地域職でそれぞれさらに細かい職種の記載や、地域職では勤務地のエリアなども記載されていますので、よく確認し、なぜその職種を希望するのかしっかり伝えられるようにしましょう。
清水建設の面接は、オーソドックスな質問がほとんどですが、なかには意表をついた質問もあります。「現在自己研鑽していることとその理由」といった質問もあります。常に自分を磨き高めていくことはどのような仕事においても大切なことですが、清水建設では、「伝統の技術を受け継ぎ、チャレンジ精神、新しいことへの挑戦の気持ちを大切にし、新たな技術開発に挑戦し続ける」という社風にもあるように、その道を深く究め、学び続ける姿勢と、そこから新たな挑戦へと高めていくことが大切です。そういった姿勢をもっている人材であるかアピールできると良いでしょう。
また「好きな建築家は?その理由」といった質問もあります。建設業界ならではの質問も投げかけられることも想定し、この建築家のどういったところに魅力を感じるか、この建物のデザインや技術にどう感動したかなど織り交ぜながら、自分ならこうするといった主張や、スーパーゼネコン5社の技術の違い、今までの知識や意見なども併せて伝えることでアピールに繋がるでしょう。
その他「あなたの出身大学の校舎はどこの建設会社によって建てられたか知っているか」といったものもあります。事前に自身の身の回りの建物がどこの建設会社によって建てられたのか調べておくと良いでしょう。
清水建設の面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。
清水建設の面接を受ける上では、「SHIMZ VISION 2030」という経営方針の「スマートイノベーションカンパニー」を理解しておくことが不可欠です。「スマートイノベーションカンパニー」は下記で構成されています。
●安全・安心でレジリエントな社会の実現
地震や巨大台風、豪雨などの自然災害リスクが高まる中、生活と事業を災害から守ることが求められています。強靭な建物・インフラの構築を通じて、安全・安心でレジリエントな社会の実現に貢献していきます。●健康・快適に暮らせるインクルーシブな社会の実現
高齢化や人口減少、都市化などの急速な社会変化が進む中、誰もが安心して快適に暮らせる社会が求められています。人に優しい施設やまちづくりを通じて、健康・快適に暮らせるインクルーシブな社会の実現に貢献していきます。●地球環境に配慮したサステナブルな社会の実現
地球温暖化や森林破壊、海洋汚染など深刻化する中、次世代に豊かな地球を残すことが求められています。環境負荷低減を目指す企業活動を通じて、地球環境に配慮したサステナブルな社会の実現に貢献していきます。
これは清水建設の企業カルチャーの土台となる価値観。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの方針に合致する人材であることをアピールしましょう
建造物は、その一つひとつが与えられる条件も求められる個性も機能も千差万別です。どのようなことも使命感を感じ、求められていることを認識する力、常に自己改革に挑戦し、あらゆる課題にも果敢に挑戦できる人材であることをアピールすることが大切です。前職の経験などから、色々な角度からの要望に対応し、相手の期待に応えられた経験などをエピソードとして紹介すると良いでしょう。
また建設現場は常に、綿密な計画に基づく精緻な作業の積み重ねです。お客様が満足する建物を提供するには、品質的な不具合を起こさないこと、無事故で引き渡すこと、工期に遅れないことなどを守り、強い責任感を持つことが大切です。そして利用する人々や地域、まちに住む人々に思いを馳せ、安心感を与えられる建物を築きあげるという意志と、過酷な業務の中やりがいを見出せる強い気持ちを持つ人材が求められるでしょう。これまでの経験の中で、一つひとつコツコツと真面目に正確に業務をこなしてきた経験や、辛い状況の中でも、自分のやるべきことを明確にし、前向きに取り組んできたことなどをエピソードとして紹介することでアピールとなるでしょう。
新しい時代を先取りするため、常に自己を高めるための改革を行い、必ずやり遂げるという強い意志をもち、相手の期待を超える結果を残せる人材であることをアピールしましょう。
清水建設の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ清水建設か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、清水建設という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
●株式会社大林組
●株式会社竹中工務店
●大成建設株式会社
●鹿島建設株式会社
この4社と清水建設を含めたスーパーゼネコン5社のそれぞれの特質をしっかり理解しておきましょう。
このように清水建設の採用面接を受ける前には、「SHIMZ VISION 2030」の「スマートイノベーションカンパニー」に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「伝統の技術を受け継ぎ、チャレンジ精神、新しいことへの挑戦の気持ちを大切にし、新たな技術開発に挑戦し続ける」という社風を意識して、「新しい時代を先取りするため、常に自己を高めるための改革を行い、必ずやり遂げるという強い意志をもち、相手の期待を超える結果を残せる人材である」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
清水建設の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●「伝統の技術を受け継ぎ、チャレンジ精神、新しいことへの挑戦の気持ちを大切にし、新たな技術開発に挑戦し続ける」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
●SHIMZ VISION 2030の「スマートイノベーションカンパニー」を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
●競合他社についても研究し、「なぜ清水建設か」に対する応えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするように心がけましょう。
この記事の執筆者
シミズグループは、建設事業の枠を超えた不断の自己変革と挑戦、多様なパートナーとの共創を通じて、時代を先取りする価値を創造(スマートイノベーション)し、人々が豊かさと幸福を実感できる、持続可能な未来社会の実現に貢献します。