デロイト トーマツ コンサルティングの概要
デロイト トーマツ コンサルティング(DTC)合同会社は、約3,600名のコンサルタントを擁する大手コンサルティング会社です。本社は東京・丸の内(丸の内二重橋ビルディング)。大阪・京都・福岡にも事務所を設けています。
国際的なビジネスプロフェッショナルのネットワークであるDeloitte(デロイト)の一員で、デロイトの各国現地事務所と連携して世界中で最適なサービスを提供しています。日本国内ではデロイト トーマツ グループに属しています。
■「デロイト トーマツ グループ」とは
デロイト トーマツ コンサルティングが所属する「デロイト トーマツ グループ」は、日本最大級のビジネスプロフェッショナルグループです。
総人員数は約14,500名(2020年5月末)、総業務収入は2,378億円(2020年度)。国内30都市以上に拠点を置き、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしています。
グループ統括のデロイト トーマツ合同会社が、2015年に英デロイト トーマツ リミテッドのメンバーファームとなり、グループ名をトーマツグループから「デロイト トーマツ グループ」へと変更しています。
グループ内企業の出資状況には、いくつかのパターンがありますが、デロイト トーマツ コンサルテイングには「パートナーが出資」しているようです。
《グループガバナンス・経営執行》
- デロイト トーマツ合同会社
《グループ法人》
1.監査・保証業務
- 有限責任監査法人トーマツ
2.リスクアドバイザリー
- 有限責任監査法人トーマツ/デロイト トーマツ サイバー合同会社/デロイト トーマツ サステナビリティ株式会社/デロイト トーマツ リスクサービス株式会社/デロイト トーマツ ウェブサービス株式会社
3.コンサルティング
- デロイト トーマツ コンサルティング合同会社/デロイト トーマツ アクト株式会社
4.ファイナンシャルアドバイザリー
- デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社/デロイト トーマツ人材機構株式会社/デロイト トーマツ テレワークセンター株式会社/デロイト トーマツPRS株式会社/デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社/デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社/株式会社シー・アイ・エー/株式会社TMAC
5.税務・法務等
- デロイト トーマツ税理士法人/DT弁護士法人/デロイト トーマツ行政書士法人/デロイト トーマツ タレントプラットフォーム株式会社/デロイト トーマツ社会保険労務士法人
(コーポレート、財団)
- デロイト トーマツ コーポレートソリューション合同会社/デロイト トーマツ サービシーズ株式会社/トーマツ チャレンジド株式会社/一般財団法人デロイト トーマツ ウェルビーイング財団
■グローバルの「デロイト」
「デロイト」とは、米ニューヨークに本部を置くデロイト トウシュ トーマツ リミテッドと、そのグローバルネットワーク組織を構成するメンバーファームおよび関係法人を指す名称です。
日本との関係は50年以上前にさかのぼり、等松農夫蔵(とうまつ・のぶぞう)が1968年に青木大吉らとともに設立した等松・青木監査法人が、1975年にトウシュ・ロス・インターナショナル(TRI)に加盟したのが始まり。1990年にTRIがデロイト・ハスキンズ・アンド・セルズ会計事務所と合併し、現在の体制となりました。
1998年に国際名称をデロイト トウシュ トーマツ(DTT)に変更。アーンスト&ヤング(EY)、KPMG、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)とともに「BIG4」(世界4大会計事務所およびそのグループ)と呼ばれます。
■日本法人の代表
代表執行役社長の佐瀬真人氏は、2000年に慶大環境情報学部を卒業後、新卒としてデロイト トーマツ コンサルティングに入社。自動車業界を中心にコンサルティングキャリアを積み、近年はデロイト アジアパシフィックやデロイト トーマツ グループのセクターリーダーを歴任。2019年6月より代表の任に着いています。
これまでは、ある一つのイシューに対してソリューションを提供することが多かったのですが、最近は最上流の戦略立案からオペレーション変革、テクノロジーソリューションの導入にいたるEnd to Endの変革を伴走してほしいという依頼が非常に増えてきています。全てのサービスを網羅し、さらにそれをグローバルでカバーできるファームは限られますので、この点は我々の大きな強みだと言えるでしょう。
デロイト トーマツ コンサルティングの業界における位置
デロイト トーマツ コンサルティングは、戦略から実行までを幅広くカバーする「総合コンサルティング会社」に位置づけられます。
このカテゴリーには、PwCやEY、KPMGといったBIG4のコンサルティングファームや、アクセンチュア、IBM、日本のシンクタンク系コンサルティング会社(野村総研、三菱総研、NTTデータ研究所)などが含まれます。
BIG4系のコンサルティング会社は、母体の監査法人とのつながりで経営陣に深く食い込んでいたことから、経営コンサルティングに進出した経緯があります。
しかし現在では、監査と非監査業務(コンサルティング等)を同じグループが行うことで利益相反が生じるおそれがあることから、現在では完全分離が求められています。このため、BIG4のコンサルティングファームでは、クライアントが限定されたり、米国との連携が難しくなったりする場合があります。
デロイト トーマツ コンサルティングの組織とサービス
デロイトトーマツコンサルティングの組織は「マトリクス型」です。
「サービス別(オファリング)」と「産業別(インダストリー)」の部門があり、プロジェクト案件ごとにその2つを掛け合わせて価値を生み出す「コラボレーション・アプローチ」を採っています。
■オファリングサービス
- Strategy, Analytics, M&A
- モニター デロイト (ストラテジー)/モニター M&A/アナリティクス & コグニティブ(人工知能等)
- Customer & Marketing
- カスタマーデザイン/広告・マーケティング・EC・ブランド/デジタルカスタマー
- Core Business Operations
- オペレーショントランスフォーメーション/インダストリーソリューション/システムエンジニアリング/クラウドエンジニアリング
- Human Capital
- 人事機能変革(HR Transformation)/組織変革(Organization Transformation)/人材変革(Workforce Transformation)
- Enterprise Technology & Performance
- テクノロジーストラテジー・トランスフォーメーション/SAP/Oracle/ファイナンス & パフォーマンス(財務・経理領域におけるテクノロジーソリューション)/サプライチェーン・ネットワークオペレーション
- Deloitte Digital:デジタルコンサルティングサービス(DX)
なお、デロイトは2013年に、戦略コンサルティングファームのモニター・グループを買収し、日本では2018年から「モニター デロイト」のブランドで戦略コンサルティングサービスを提供しています。
モニター・グループは、1983年にハーバード・ビジネス・スクールの教授陣によって創設。世界主要26都市にオフィスを展開し、フォーチュン・グローバル500企業や、各国政府機関、非営利機関などのクライアントを抱えています。
■インダストリー
- Consumer
- Consumer Business & Transportation:消費材、小売・流通、航空・ホスピタリティ・サービス、運輸・物流
- Automotive:自動車
- Energy, Resources & Industrials
- Power & Utilities:エネルギー
- Process:資源・素材
- Industrial Products & Construction:産業機械・建設
- Financial Services
- Insurance:保険
- Bank & Capital Market:銀行・証券・ペイメント(クレジットカード/電子マネー/モバイル決済等)・リース
- Life Sciences & Health Care:ライフサイエンス・ヘルスケア
- Public Sector:政府・公共セクター
- Technology, Media & Telecommunications:電機・ハイテク、メディア、通信
- 西日本(地域)
デロイト トーマツ コンサルティングの働き方
■経営コンセプト「メンバーファースト経営」
デロイト トーマツ コンサルティングは、2019年から経営のコンセプトに「メンバーファースト経営」「Talent Happiness」を掲げています。
会社におけるあらゆる出来事により形成される経験価値「Employee Experience」を重視し、メンバーがデロイト トーマツ コンサルティングで働くことを通じ、プロフェッショナルとしての幸せを感じられることを目指しています。
「メンバーファースト経営」を推進して約2年、さまざまな指標が改善しています。
「デロイト トーマツ コンサルティングで働くことに満足している」と答えた人が15%ポイント改善。「成長・やりがいを感じる」と答えた人は81%、「労働環境に満足している」と答えた人は78%に達しています。この結果、退職率は50%減少しているとのことです。
コンサルティングファームにとっては人材がすべてであり、競争力の源泉です。メンバーの視点から、どうすれば多様な人材が集い、一人ひとりがそれぞれの強みを発揮しながら中長期的に活躍してもらえるかを考えることは、何よりも優先すべきことです。
そのために、DTCでは、一人ひとりのメンバーの「Happiness」を重視しています。一人ひとりがDTCで働くことでプロフェッショナルとしての幸せを感じられることが、強い個を生み出す源泉であり、良いチームを創り出す源泉であり、そして革新的なサービスの源泉だからです。
■「メンバーファースト経営」の取り組み事例
以下は、各部門で立案・推進されている「メンバーファースト経営」の取り組み事例です(一部抜粋/全社的な施策含む)。
《働き方》
- 働き方の約束事を取りまとめた「働き方憲章」の策定
- 次世代のコンサルティングモデルを検証する「ニューワーキングスタイル」の検討と導入
- 上司・部下間でのコミュニケーションの質・量を高める「1on1面談(チェックイン)」の推進
- 毎月メンバーの状況を確認し改善を図るインプットとする「メンバー満足度調査」の実施
- リモートワークを契機とした「オフィスから100km以上離れた場所への転居」の容認
《キャリア形成》
- キャリア上の悩みに執行役員が直接相談に乗る「キャリア応援チーム」の開設
- 社内でのキャリアチェンジを後押しする「組織間異動公募制度」の整備
- メンバーの“やりたいこと”を組織として後押しする「ビジネスコンテスト」の開催
- コンサルタントのキャリア形成に直結する「アサイン(プロジェクトへの配属)ルール」の明確化
- 中長期的なキャリア作りのヒントを得るための「キャリア座談会」の開催
- 個人のライフステージ・要望に応じた「柔軟な職種転換による継続的なキャリア形成」の支援
《社員同士のつながり》
- 年次の近い先輩社員に何でも気軽に相談できる「バディ制度」の導入
- オンラインゲームや絵を描くイベントなど、リモート環境下での新しい「チームビルディング」の導入
《所属意識の醸成》
- リモート環境下でもリーダー層との密なコミュニケーションを実現する「社内コムチャネル」の活性化
- メンバーからの質問に経営層が答える「ラウンドテーブル」や「Q&A形式の全社会議」の開催
- 全執行役員による自身の「夢を語る動画」の公開
《レコグニション》
- 指導やアドバイスの優れた人を称える「ベストコーチ」の表彰
- ”ありがとう”を伝え合う「Thanks Award/Thanks Point」の実施
- DTCの共通の価値観を体現している人を称える「Shared Value Award」の実施
デロイト トーマツ コンサルティングの教育制度
■成長イメージと役職ランク
デロイト トーマツ コンサルティングでは、コンサルタントの成長モデルとして「アワーグラス(Hour Glass:砂時計)モデル」を採用しています。
まずは広範囲の経験を積むことから始め、その後に専門領域を絞り込んで経験やスキルを積み重ねながら、個人の知見、人間性を基に、専門性をあらゆる状況で活用できることを目指します。
ランクに応じたカウンセラーが付き、自分のキャリアプランについて定期的にアドバイスを受けながら昇格していきます。
■OJTとOFF-JT
デロイト トーマツ コンサルティングの教育は、OJTとOFF-JTの両輪で行われます。アサインされたプロジェクトでは役割や成長目標を提示されたうえで、上位者による指導育成が行われ、終了時には評価フィードバックが行われます。
体系的な教育プログラムと豊富なトレーニングメソッドが整備されており、コンサルタントに必要な基礎的能力を身につけることができます。
デロイト トーマツ コンサルティングの求人情報
デロイト トーマツ コンサルティングの「中途採用職種一覧」には、幅広い部門の求人があります。各求人には「職務内容」「基本要件(共通要件)」「求める人物像」「望まれる経験(推奨/任意)」が記載されています。
自動車業界向けのインダストリー部門のコンサルタントの求人には、英語力についてTOEIC目安「850点以上」が示されています。
モニターデロイト(ストラテジー)の求人には、基本要件として「高いレベルの語学力(英語についてはバイリンガルが望ましいが、最低限の英語力は必須)」が示されています。
戦略コンサルティングファームでのコンサルタントとしての実務経験が推奨されているものの、国際機関、NGO、広告代理店、投資銀行、証券会社、事業会社経営企画部門、中央官庁などの実務経験者にフィットするアサイン機会も豊富にあるようです。
Deloitte Digitalのコンサルタントに求められる英語力は、TOEIC目安で700点以上。応募に当たっては、オファリングサービスまたはインダストリーの部門の中から、最大で第3希望まで記載する必要があります。
想定給与はどこで分かる?
デロイト トーマツ コンサルティングの各ポジションの想定給与レンジは、求人には記載されていません。求められる語学力を含む詳細については、グローバルウェイ・エージェントまでお問い合わせください(登録フォームの備考欄に「デロイトの件」と明記願います)。
デロイト トーマツ コンサルティングの採用面接で聞かれる質問
面接に際して、志望動機をまとめるためには「Can」「Will」「Must」についてよく考え、整理しておいた方がいいでしょう。念のため簡単に説明すると、
- Can:自分ができること(スキル、能力、経験、実績)
- Will:自分がしたいこと(意思、意欲、ビジョン)
- Must:自分がしなければならないこと(会社から要求・期待されると認識していること)
の3点を整理し、それらが重なったところで「自分の志望動機」を整理するということです。
なお、デロイト トーマツ コンサルティングの採用サイトには、「職務内容」「基本要件(共通要件)」「求める人物像」「望まれる経験(推奨/任意)」などが明記されています。書かれている要件を自分がいかにクリアしているかを説明する準備が必要です。
マネージャークラス以上の面接準備
マネージャー以上については「Can」「Will」「Must」は当然として、職務に応じた個別の質問が多くなっており、あらかじめ準備が必要です。詳しくは、グローバルウェイ・エージェントまでお問い合わせください。(※登録フォームの備考欄に「デロイトの件」と明記願います。)
デロイト トーマツ コンサルティングへの転職を成功させるために
以上、デロイト トーマツ コンサルティングという会社について、概要をご説明させていただきました。
求人は、求められるスキルのハードルが高いのが特徴的です。しかし、仮に書類が通過したしたとしても、次の面接でつまづく方が多くいらっしゃいます。
面接の質問は、様々な内容が投げかけられます。定番的なものから地頭のよさを測るもの、職種特有の質問もあり多種多様です。
あらかじめ面接対策をしないと、選考を通過する確率はかなり落ちます。現時点で数億円を稼ぐ優秀な営業の方が、面接対策を怠ったために失敗することもあります。限りあるチャンスを活かすためにも、ぜひ十分な準備を行ってから臨んでいただきたいと思います。
デロイト トーマツ コンサルティングの採用面接に臨む前に
転職成功の確率をアップさせたい方は、ぜひグローバルウェイ・エージェントにご相談ください。私たちはCxOや役員から直接情報を共有してもらうことで、必要な候補者像を把握しており、上記以外の「候補者公開不可情報」や「過去の面接成功・失敗事例」を把握しています。
なお、スピーディな対応を行うために、登録フォームの備考欄には、必ず「デロイトの件」と明記願います。費用は一切かかりません。