2021年06月21日
旧財閥系生命保険会社であり、4大生保の一角をなす明治安田生命への転職。中途採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、「人間性」も評価されます。即戦力として、一緒に仕事をする仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策して転職を成功させましょう。
日本初の生命保険会社としてスタートし、現在も生命保険業界で大きな存在感を放つ明治安田生命。そこには「明治安田フィロソフィー」と呼ばれる体系化された理念があり、下図のような構造を持っています。
この図に表れているのは、企業としての利益の追求のみならず、使命や倫理観をも重視する明治安田生命の基本的な姿勢です。
全体的には明治安田生命の社風を「保守的」と評する口コミが多く見られました。始業前の体操や社訓唱和など、古風とも言える社内習慣に違和感を覚える社員も少なからずいるようです。こと営業職では職務遂行にかかる個人負担の大きさや成果主義のシビアさを挙げる声が散見され、根性がものを言う体育会系の雰囲気が残る職場もあるようです。時代の潮流を受け、ダイバーシティ推進にも力を入れているものの、部署や職種によっては女性のライフステージ変化に対応しきれていない状況も読み取れます。
一方、社内制度や福利厚生の充実を評価する声は多く、社員を大事にする社風も見受けられます。諸手当制度の充実や有給休暇の取りやすさなど、社員が仕事に邁進できる制度が整っているのは、歴史ある業界大手企業ならではのメリットでしょう。のちの経営戦略の項でも触れますが、明治安田生命の企業風土を語る上で「安定」は重要なキーワードとなります。
企業理念や口コミをまとめると「倫理観を高く持つ真面目で保守的な社風」ですが、安定して働ける職場環境があると言えるでしょう。企業の保守性と安定性は表裏一体のこともあり、それを受容できるかどうかは転職において重要なポイントです。採用面接では、こうした社風にフィットする人材かどうかを見極められます。
書類通過後、間に筆記試験をはさんで通常3回の面接があります。内定には1週間～１か月程度と、比較的スピーディな進み方と言えそうです。
「コミュニケーション能力を見られているように感じた」という声があるように、イエスやノーで答えられない質問をされたという口コミが多く見受けられました。「なぜ」「どのように」という切り口の質問が多く、応募者の回答に沿って面接官と対話を重ねていくことで、応募者の人柄や仕事への姿勢・考え方などを見ているようです。
2019年10月現在、明治安田生命では「医師・アクチュアリー等」「MYリレーションシップアソシエイト」「MYライフプランアドバイザー」の3職種において中途採用を募集しています。明治安田フィロソフィーを確認し、自分の応募する職種にはどのような倫理観や姿勢が求められるのか、考えてみるとよいでしょう。
「働く目標は何か」「学生時代に頑張ったことは何か。またなぜ頑張れたのか」というように、応募者の仕事や目標への根本的な考え方やモチベーションを問われることが多いようです。社風として倫理観が重視されているように、社員が実際に仕事をする上でも「なぜ」「何のために」と自律的に考える姿勢が必要とされると考えられます。短い面接時間の間に自分の考えを面接官に伝えられるよう、「仕事のモチベーション」「物事に取り組む際の姿勢」など、いくつかの項目を想定して回答をまとめておけば役立つでしょう。
応募者のストレス耐性やストレス解消方法について質問されることもあるようです。業界柄、職種によってはストレスのかかる業務を任せられることもあるためでしょう。過去の経験などから自身のストレス耐性はどれくらいか、またストレス解消法は何か、整理して答えられるようにしておきましょう。
明治安田生命の面接を受ける上では、経営戦略を理解しておくことが不可欠です。
現在、明治安田生命が掲げているのは、「MYイノベーション2020」という経営戦略です。これは中期経営計画（3か年）に、明治安田フィロソフィーに含まれる「企業ビジョン」を実現するためのプロジェクトを合わせて構成されています。
『明治安田生命の現況 2019』
上図のとおり、「MYイノベーション2020」では、12の改革に取り組むことで経営理念に根差した成長を実現し、財務基盤を維持向上させ、2020年代以降のさらなる成長に繋がる盤石な基盤作りが目指されています。経営戦略においては成長の「着実性」や「安定性」も重視されており、これは明治安田生命の保守性を如実に表す傾向とも言えるでしょう。三菱グループ・芙蓉グループをルーツに持ち、安定した法人営業基盤に支えられた明治安田生命においては、高い健全性を誇る財務基盤を守りつつ収益率を向上させることも重要な経営戦略のひとつなのです。
堅固な基盤あってこその成長・飛躍。これが明治安田生命の経営戦略の要です。
また、財務基盤戦略の中では人材（人財）戦略として「求める人財像」が明確に打ち出されています（人材を重要な経営資源として捉える明治安田生命では、「人財」と表記します）。
『明治安田生命の現況 2019』
この「人財像」には明治安田フィロソフィーが如実に反映されています。「求める人財」を言い換えるならば、「明治安田フィロソフィーを理解し、それに基づいて行動できる人」でしょう。仕事とはいえ利益追求のためだけではなく、「顧客」「ともに働く社員」の両方のことを大切にし、真摯に考える力を備え、高い倫理観をもって仕事にチャレンジする人材が求められていると言えます。
したがって、中途採用面接を受けるにあたっては、経営戦略「MYイノベーション2020」を理解しておくことはもちろん、明治安田フィロソフィーについても十分理解を深めておく必要があります。
明治安田生命の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ明治安田生命か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人物は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、明治安田生命という企業についてしっかりと理解する。そのためには競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下の企業について調べておくことがおすすめです。
●日本生命保険相互会社
●住友生命保険相互会社
●第一生命保険株式会社
明治安田生命の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●歴史ある大企業ゆえの保守的な社風、社会への使命や倫理観重んじる社風を理解し、それに合致した行動がとれる人材であることをアピールする。
●明治安田生命の企業理念と経営戦略を理解して、これに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる。
●競合他社についての理解を深め、「なぜ明治安田生命なのか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールできるよう心がけましょう。
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