2021年06月21日
世界有数の自動車メーカー、ダイムラー・グループの一員である三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)への転職。中途採用面接は仕事への取り組み方やこれまでの成果のほか、キャリアシートではわからない「人間性」も見られます。即戦力として、一緒に仕事をする仲間としても多角的に評価されるので、事前にしっかり対策しておきましょう。
旧三菱造船に端を発し、現在はメルセデス・ベンツなどで知られる自動車メーカー、ドイツのダイムラー・グループの一員としてトラックや技術開発を担う三菱ふそうトラック・バス(以下MFTBC)。MFTBCが名を連ねるダイムラー・トラック・アジア(DTA)は世界各国に拠点を持ち、グローバルなビジネス展開をおこなっています。
同社の強みはトラックやバスなどの商用車の開発にあり、2017年には世界初の小型電気トラックを開発しました。さらに近年はハイブリット開発やデジタル化についても注力し、IT投資に取り組んでいます。
もともとは日系企業でしたが、今はすっかり外資系企業に生まれ変わり、海外の風が入ることでダイバーシティ化が急速に進んだ点は同社の大きな特徴です。部署によって程度の差はあるようですが、公用語として英語が使用されていることが多く、社内にはドイツ人やインド人をはじめとする外国人社員が多数在籍しています。また、有給休暇取得のしやすさや残業禁止、コアタイムなしのフレックスタイム制度などワークライフバランス重視の働き方に転換した点も同社の特徴と言えるでしょう。一方でダイムラー社中心の考え方が主流となっていることが多く「トップダウンな会社」という口コミも多く見られました。
さまざまなバックグラウンドを持つ社員がいることから、幅広い意見に触れることができるほか、多様な教育プログラムによるキャリア開発も積極的におこなっているため、「上昇志向のある者はチャンスを掴める」といった口コミも散見されます。
ワークライフバランスを重視しつつ、グローバルな環境で新しい領域に果敢に挑戦する。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接で見極められます。
三菱ふそうトラック・バス 採用ページより
部門にもよりますが、書類選考の後最短1回、平均3回の面接選考がおこなわれます。基本的にはこれまでの経歴や仕事の成果、志望動機などのオーソドックスな質問が多いものの、外資系企業への理解について問われることもあるようです。
募集職種はダイムラー・グループのジョブ検索ページで確認ができます。組織で「Mitsubishi Fuso Truck and Bus Corporation」を選択するとMFTBCの募集職種一覧が確認できます。近年同社が力を入れているIT部門の職種やサービススタッフ、セールスなど細かく募集職種が分かれているので、コーポレートサイトをしっかり確認して応募しましょう。
同社の選考を受けるうえでポイントとなるのは、「外資系企業に馴染めるか」です。語学スキルに自信がある場合は積極的にアピールすると良いでしょう。面接官が外国人のこともあります。基本的には選考時の語学スキルは不問としているため、語学スキルに不安な方も物おじせずしっかり準備をすれば大丈夫です。語学スキルだけでなく、上司が外国人であることを受け入れられるかといった多文化への理解も問われます。いずれにしても、圧迫面接や回答に困るような質問はほとんどされないようなので、事前にしっかり準備をし、落ち着いてのぞむことが大切です。
MFTBCは、同社の提供するトラックを工場と接続し、生産性や付加価値の向上を目指す「Connected X」戦略を推し進めています。これまで主力だったトラックの開発・販売だけでなく、IT化を進めることで他社との差別化を図る狙いがあり、データセンターの拡充などIT基盤の整備にアグレッシブに取り組んでいます。そのため、Microsoftやデトロイトトーマツコンサルティングなど、他社のリソースを活かすほか、自社でもロボット研究所「BotLab」を開設。自動車業界では類を見ないスピード感でテクノロジーの活用を見据え、次々と新しい施策を打ち出しています。
また同社は国内販売拠点の改善に向け、「ミライ」プロジェクトを開始しました。「ミライ」プロジェクトはMFTBCの中核プロジェクトとされており、消費者のニーズに対応した設備・施設展開をおこなうことで同社の新たな技術をより迅速に普及させる狙いです。
「ビジネスを破壊する側に立つ」という同社CIOの言葉どおり、ソフト面・ハード面の両方の側面から新しい施策が次々と進む同社。このことからも、同社が社員に対して課題に主体的に向き合う姿勢を求めていることがわかります。過去の経験から「困難にどう立ち向かったか」「失敗から得たこと」といったエピソードを準備しておくとよいでしょう。
MFTBCの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜMFTBCか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面もあわせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、MFTBCという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
●いすゞ自動車株式会社
●日野自動車株式会社
●UDトラックス株式会社
このように、MFTBCの採用面接を受ける前には、行動指針に基づいた自己分析や、他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「グローバルな環境で新しい領域に果敢に挑戦する」という社風を意識して、課題に主体的に向き合える人材であることを印象づけられるよう、様々なエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策をしておきましょう。
MFTBCの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●「グローバルな環境で新しい領域に果敢に挑戦する」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
●MFTBCの経営戦略である「Connected X」戦略や「ミライ」プロジェクトを理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
●競合他社について研究し、「なぜMFTBCか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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