0 編集部が注目した重点ポイント
①池田物産グループの統合を完了する
2025年11月期第4四半期(9月)より、化粧品・食品原料に強みを持つ池田物産グループの連結化を完了しました。商圏拡大と研究開発機能の強化が目的であり、HBC・食品事業におけるプラットフォーマーとしての地位を強固にします。新規連結に伴い、原材料調達やクロスセル等のシナジー創出に向けた新たなキャリア機会が拡大しています。
②各段階利益で過去最高益を達成する
当連結会計年度は、売上高627億円、営業利益30億円と各段階利益で過去最高益を更新しました。主力の医薬品CDMO(製造受託)部門や、韓国コスメ「Torriden」が牽引する化粧品製販部門が大幅な増益に寄与しています。構造改革の成果が数値として現れており、攻めの姿勢に転じている同社での事業成長を担う醍醐味を味わえるフェーズです。
③能登復興を軸に社会課題を解決する
ソーシャルインパクト事業では、石川県奥能登地域を拠点に「稼ぐ力」の創出に注力しています。現地決済型ふるさと納税サービス「ふるさとNOW」が単体で黒字化を達成したほか、自社ブランド「NAIA」がグッドデザイン賞を受賞するなど、独自の存在感を示しています。ビジネスを通じた震災復興や地方創生に専門性を持って取り組める環境が整っています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年11月期 決算説明資料 P.4
売上高
62,744百万円
+8.2%
営業利益
3,017百万円
+7.2%
親会社株主帰属純利益
2,187百万円
黒字転換
2025年11月期の実績は、前期に計上した減損損失の影響を脱し、大幅な黒字化を達成しました。特に営業利益は通期予想3,100百万円に対し3,017百万円と、概ね計画通りに着地しています。EBITDA(営業利益+減価償却費)も前期比6.3%増の54億円となり、現金を稼ぎ出す力が着実に向上しています。
通期予想に対する進捗率は、売上高が98%、営業利益が97%と、年度を通して堅調な足取りで推移しました。親会社株主に帰属する当期純利益については、修正予想に対して122%と大幅に超過しており、政策保有株式の売却などによる特別利益の計上も寄与しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年11月期 決算説明資料 P.7
ファインケミカル事業(スペラファーマ等)
事業内容:医薬品のCMC(化学・製造・品質管理)研究開発や製造受託、原料の国内外販売を行う高収益成長領域です。
業績推移:売上高は前期比5.7%増の223億円。営業利益は314.5%増の9億円と驚異的な伸びを記録しました。
注目ポイント:医薬品CDMO(開発製造受託)部門において、2シフト制導入による稼働率上昇と高付加価値品の受注が利益を牽引。中分子医薬品のプロセス開発案件も伸長しており、高度な技術的知見を持つ研究・製造人材へのニーズが高まっています。
HBC・食品事業(イワキ、池田物産等)
事業内容:健康・美容分野の原料販売や、通信販売、輸入化粧品の卸売を展開するプラットフォーム戦略の核です。
業績推移:売上高は前期比20.0%増の181億円。池田物産グループが第4四半期より新規連結(注:前年同期は未連結)されています。
注目ポイント:韓国コスメ「Torriden」の新製品発売により大幅な増収増益。池田物産とのクロスセルにより、国内外の調達網を活かした営業力の強化が急務です。グローバルなサプライチェーン構築やマーケティング能力を活かせるフィールドです。
医薬事業(岩城製薬等)
事業内容:皮膚科領域に特化した後発医薬品の製造販売や、医療機関専売化粧品の展開を行うニッチトップ戦略領域です。
業績推移:売上高は前期比8.4%増の124億円。営業利益は薬価改定の影響もあり14.1%減の11億円となりました。
注目ポイント:収益性の課題はあるものの、美容医療部門の「NAVISION DR」シリーズや新ブランド「illsera」は計画を上回る伸長を見せています。自由診療市場の拡大を背景に、医療用化粧品のブランド育成や販路開拓に携わる絶好の機会です。
化学品事業(メルテックス等)
事業内容:プリント基板や半導体向けの表面処理薬品・装置の製造販売を行うハイエンド領域です。
業績推移:売上高は前期比4.5%減の97億円。設備投資の一巡により表面処理設備部門が低調に推移しました。
注目ポイント:一方で、薬品部門はAI需要による電子部品向けの新規顧客獲得により増益を達成。今後の電力削減に欠かせないパワー半導体分野での成長が期待されており、次世代技術の供給体制整備に貢献できるエンジニアを求めています。
ソーシャルインパクト事業(アステナミネルヴァ等)
事業内容:石川県珠洲市を拠点に、地域資源を活かしたブランド創出やふるさと納税支援を行う地方創生事業です。
業績推移:売上高は前期比50%増の57百万円。先行投資により損失を計上していますが、事業基盤は着実に拡大しています。
注目ポイント:「ふるさとNOW」の導入件数増加により、事業単体での損益分岐点超過というマイルストーンを達成。地域農業の再構築など、ビジネスで社会を変える手応えを直接感じたい志向を持つ方に向いています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年11月期 決算説明資料 P.20
2026年11月期の業績予想は、売上高680億円(前期比8.4%増)、営業利益34億円(同12.7%増)と、全ての段階利益において過去最高益の達成を目指しています。2025年度に仲間に加わった池田物産とのPMI(買収後の統合プロセス)を加速させ、早期のシナジー発現を狙います。
中期経営計画では2028年度に営業利益40億円、ROE9.0%以上を掲げ、資本効率の向上を推進。PBR1倍割れを課題と認識しており、政策保有株式の縮減による資金を成長投資や株主還元に充てる方針です。持株会への「特別奨励金スキーム」導入により従業員の経営参画意識も高まっており、当事者意識を持って企業価値向上に貢献したい転職者には最適なタイミングです。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は「医薬品CDMOの進化」と「HBC・食品のプラットフォーム強化」という2つの成長エンジンを回しています。特に池田物産の連結化に伴う組織融合や、能登地震からの復興を通じた社会価値の創出は、同社独自のナラティブです。「多角的な事業ポートフォリオを横断してシナジーを生み出したい」といった、グループ全体の付加価値向上にフォーカスした志望動機が響きやすいでしょう。
面接での逆質問例
・「池田物産との統合により、化粧品・食品原料部門で具体的にどのような新規顧客へのクロスセルを想定されていますか?」
・「ソーシャルインパクト事業で培った『稼ぐ地域創生』のノウハウを、今後他の事業セグメントへどう還元する計画ですか?」
・「2028年度の営業利益40億円達成に向けて、人的資本投資において最も重視しているスキルセットは何ですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
部署間の壁は無く仲が良い
営業部門、管理部門等多数の部署が存在するが、部署間の壁は無く仲が良い。野球部、フットサル部等があり、近年若手社員が積極的に参加している。また、数年に一度社員旅行があり、普段業務で接する事の無い社員と面識を持ち交流する事が可能である。有給休暇も他社と比較しても取りやすい環境にある様に思う。
(20代後半・代理店営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]一つの質問の答えに対して深掘りが多い
正直に企業理念は覚えているが、社訓を全てこの場でいうことは難しいとお答えしました。どちらかと言うと質問数が多いというよりは一つの質問の答えに対して深掘りが多いと思います。雰囲気はすごい和やかと言う訳ではありませんが、圧迫的という形でもありません。
(20代前半・法人営業・男性) [キャリコネで面接事例を見る]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料:
- 2025年11月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2025年11月期 決算説明資料



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