2021年06月21日
ファッションに関わるサービスや投資を多角的に展開するワールドへの転職。中途採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えない「人間性」も評価されます。即戦力として、一緒に仕事をする仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策しておきましょう。
創業から数多くのファッションブランドを設立し、アパレル業界でも有数の売り上げ高を誇るワールド。時代の変化と共に変わりゆく顧客のニーズを巧みにキャッチし、事業を拡大し続ける同社はファッション業界を牽引する企業のひとつです。
女性ファッションを中心とした多ブランド戦略を事業基盤にしていることもあり、女性従業員の割合が多い企業です。そのため結婚・出産・育児などライフステージの変化にも柔軟に対応し、勤務を続けられる体制が整っています。また家庭との両立に理解ある従業員が多く、協力的な風土が根づいているようです。
一方で「本部が現場を分かっていない」と本社と店舗の意識の隔たりを指摘する声も。日々変わりゆくトレンドを敏感にキャッチし、本社・店舗問わず顧客の要求を理解し発信できる影響力を持つ人材が求められています。
ワールドの主領域である国内ブランド事業は、右肩上がりの拡大見込みが厳しいとの声が聞かれます。そのため、これまで培ってきたノウハウと知見を活かし、新規事業であるプラットフォーム事業やデジタル事業を拡大推進中。従来のBtoC事業からBtoB事業へ収入母体の変換にも力を入れています。今後の経営は、新規事業からの連結利益に期待したいところです。
また主軸のブランド事業においても、現状を打破すべく強みを明確にした付加価値の高い商品の企画・発信にリソースを割いています。海外進出にも力を入れ、現地に強い企業とコーポレートコンタクトをはかり、市場に合ったトレンド発信にも躍進しています。
「ファッション業界を牽引するトレンドの発信源として、業界の未来を切り開く」こうしたワールドの社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
ワールドのキャリア採用は地域職と総合職(本部採用)に大きく分かれます。
地域職は主に店頭販売スタッフから始まり店長やマネージャーなど、個々人の能力に合わせてキャリアを選択します。地域職は時短勤務や変形労働制を採用しライフステージの変化に合わせて柔軟に働き方を変えることができることもあり、女性からの応募が高い比率を占めています。
一方、総合職(本部採用)はいわゆるキャリア組と言われる層で、主に東京本社での勤務となります。プラットフォームの活用や同社のノウハウを活かし、事業を動かす役割を担います。総合職のキャリア求人は欠員が出た時だけ募集が出されるため、人気が集中し、比較的難易度の高い選考になる傾向にあります。
それぞれの職種により選考方法は異なりますが、一般的な流れは下記の通り。
エントリーシート提出⇒WEB適性検査⇒面接(1~3回)⇒内定
地域職は就業地域の店長やマネージャーとの面接が設定されることが多く、現場での採用をイメージした面接が行われます。総合職では、応募する事業に応じた部門担当者が面接官となり、専門性を問われることが多いようです。
ワールドのキャリア採用で最も重要なことは、どんな質問内容にも動じることなく笑顔で返答すること。店頭販売では即座に顧客の要望に応えられる臨機応変な対応力が求められます。そのため、面接では一般的な質問に加え、自分についての3分間スピーチや自分を表す色とその理由など、創造性と表現力を見極められるような質問もあります。面接官が納得できるように、筋道を立てて回答することがポイント。その回答から志望動機や自己PRに繋げてまとめることができれば、面接官の印象にも残りやすいでしょう。
ファッション産業を牽引する企業だけに、立ちふるまいや身だしなみ、トレンドキャッチの能力もしっかりチェックされます。ワールドが展開しているブランドの知見を深めることはもちろん、コンセプトに合わせてメイクや身なりを整えておくことも大切です。また最新のトレンドはメンズ・レディース問わず、知識を広げておくと良いでしょう。
出典:ワールドのサイトより
ワールドでは、新規展開中のプラットフォーム事業・デジタル事業に力を入れています。両事業の成功が今後の経営の鍵を握ると言っても過言ではないでしょう。停滞気味のブランド事業に取って代わる主軸となる事業の設立が早急に求められています。
これまでのキャリア採用はデザイナーやバイヤー、店頭販売員など衣服販売に関わる職種の募集がメインであり、同業企業からの転職が主でした。しかし新規事業展開の強化に伴い、システムコンサルティングやソリューション開発など新たな職種の募集が中心になりました。
そのためキャリア採用ではワールドの事業革新の歴史をしっかり読み解き、中期方向性を自分なりに咀嚼し、今後のワールドに必要となるのはどのような人材かを分析することが大切です。もちろん主軸となるブランド事業においても、ファッション業界が直面している課題や問題についての分析は必須。面接の際には、自分なりの意見を準備しておくと良いでしょう。
ワールドの面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜワールドか」というものがあります。面接官がこの質問を通して見極めているのは、「顧客のニーズを敏感にキャッチできる人材なのか」「トレンドの発信源として活躍できるのか」という部分だけでなく、「本当に同社のことを理解しているのか」といったところです。
業界や職種を理解することはもちろん、ワールドという企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となり得る他社の研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
ワールドの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●ファッション業界を牽引するトレンドの発信源として、業界の未来を切り開く社風を意識して、これに合致したさまざまな方法でファッションの楽しさを届けられる人材であることを自分の言葉でアピールする。
●「中期方向性」を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRに繋げる。
●競合他社についても研究し、「なぜワールドで働きたいのか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかり準備し、自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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