2021年06月21日
宿泊施設向け予約管理システムの販売を主力とする、手間いらずへの転職。採用面接では仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策をすすめましょう。
2003年、比較.com株式会社として設立された同社は、2006年に東証マザーズに上場。2017年に現在の手間いらず株式会社に商号変更し、2020年3月18日には東証一部への市場変更を実現しました。
現在の事業セグメントは、設立当初から続いている比較サイト『比較.com』の運営をおこなう「インターネットメディア事業」と宿泊予約サイトコントローラー『TEMAIRAZU』シリーズの開発・提供をおこなう「アプリケーションサービス事業」で構成されています。宿泊予約サイトコントローラーとは、複数の宿泊予約サービスを一元管理できるオンラインシステムのことで、2019年6月期の売上の約98%を占める同社の主力事業です。
手間いらず 2020年6月期第2四半期 決算説明資料より
コーポレートサイトには、「少数精鋭で、いろいろな仕事に挑戦できる社風」との記載があり、主体的なチャレンジを歓迎する社風であるようです。口コミにも、「新卒だろうが、営業がはじめてだろうが大きな仕事と量をこなさせてくれる会社」「現状に満足せず、より良いサービスを作り出すために仮説を立て、実施し、結果の検証を行い、新たな施策をたて挑戦していくという社風」などのコメントが並びます。そのため、「指示待ち族には、向いていない企業」という声も。
このように高速でPDCAを回していくため、業務は非常に多忙な様子で、就労時間の長さに言及する口コミが目立ちます。そういう意味では、心身ともにタフさが求められそうです。「以前よりは残業時間は少なくなった」「最近は早帰り推進などもおこなっている」という声もありますが、ワークライフバランスを重視する方は事前研究を入念におこなうべきでしょう。
総じて、主体的なチャレンジを歓迎する社風の手間いらず。面接では、成長意欲を示すと同時に、チャレンジする社風に合致した行動をとれる人材であることを伝えられるようにしましょう。
応募後、書類選考を経て、2〜3回の面接と筆記試験がおこなわれます。書類選考後の結果については、通過者のみに通知が届くことになっています。
選考期間はおおむね1ヶ月程度のようですが、なかには3ヶ月以上を要したという口コミもありますので、スケジュールには余裕を持たせると安心です。
2020年4月現在、同社の採用ページでは「営業スペシャリスト」「開発エンジニア(PHP)」「カスタマーサポートセンター」の中途採用を募集中ですので、コーポレートサイトで情報を確認してみてください。
志望動機や転職理由は必ずと言っていいほど聞かれますので、事前に自己分析と企業研究をおこない、考えを整理しておく必要があります。特に、自分の経験や強みがどう生かせるのかといった視点が大切になってくるでしょう。
同社では屋内の受動喫煙対策を厳しくおこなっており、「タバコを吸うか?」と質問されることがあるようです。そのほか、口コミによると、就労時間についての意思を確認する質問も目立ちます。業務によってはかなり多忙になることもあるようなので、自身の仕事観や家族の状況などを踏まえたうえで、クリアに回答できるようにしておきましょう。
また、職種に対する専門性を確認する質問もあります。経理財務部門に応募した人は「IR情報をみた感想」について聞かれたとのこと。エンジニアであれば、プログラミングテストがあるようです。実務経験者であれば自分のスキルを見直しておくことが必要ですし、未経験者であれば事前に勉強しておくことが不可欠でしょう。
面接にあたっては、事業戦略を理解しておくことが必要です。ここでは、手間いらずの決算資料から同社の事業戦略を読み解いていきます。
最新の2020年6月期第2四半期決算によると、売上高は前年同期比30.1%増、 営業利益は前年同期比50.0%増となりました。
この成長をけん引しているのが、宿泊予約サイトコントローラー『TEMAIRAZU』シリーズを展開するアプリケーションサービス事業です。引き続き、当該事業の成長に向けてリソースを投入していく考えで、具体的には次の4つの施策を打ち出しています。
(1)TEMAIRAZUの機能強化
(2)リスクヘッジの役割認知
(3)プロモーション強化
(4)営業人員拡充と体制強化
手間いらず 2020年6月期第2四半期 決算説明資料より
手間いらず 2020年6月期第2四半期 決算説明資料より
こうした施策と人事採用戦略は整合しています。つまり、この4つの施策に対して力を発揮できる人材の採用・育成を同時に進めていくことになるでしょう。現在、「営業スペシャリスト」「開発エンジニア(PHP)」「カスタマーサポートセンター」の中途採用を募集しているのも、この施策に合致したものと考えられます。
面接にあたっては、これらの施策をしっかりと理解し、自己分析に落とし込む必要があります。そのうえで、自分がどういった価値を出せるのかをしっかりアピールしたいところです。
面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ手間いらずか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「入社後どのようなことをしたいのか」「これまでの経歴や専門性をどう生かすのか」といったことに加えて、「手間いらずのカルチャーにフィットした人材か」という点です。
この質問に明確に答えるためには、業界理解や職種理解が欠かせません。そのため、競合となりやすい他社の研究もしっかりとおこない、手間いらずとの違いを明らかにしておきましょう。具体的には以下のような企業について調べておくことをおすすめします。
手間いらずが目指している方向性や、どういった人材が求められているのかが企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。
同社は、宿泊予約サイトコントローラーで急成長を遂げており、その成長の背景には「少数精鋭で、いろいろな仕事に挑戦できる社風」があるといいます。この社風を理解し、主体的にチャレンジできる人材であることを熱意を持って伝えられるよう、事前準備を進める必要があります。また、成長を可能にしているのは、高速のPDCAであり、それをやり遂げるためのタフさを持ち合わせていることが必要です。ぜひ、自分の言葉でアピールできるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
手間いらずの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
「少数精鋭で、いろいろな仕事に挑戦できる社風」に合致した行動をとれる人材であることを熱意を持って伝える。
手間いらずの事業戦略を理解し、これに沿った自己分析をおこない、自己PRにつなげる。
競合他社についても研究し、「なぜ手間いらずか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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