2021年06月21日
NECグループのシステムソリューション部門として、最も重要な役割を担っているといわれるNECソリューションイノベータ。中途採用面接では、即戦力としての技術力を問われるのはもちろんのこと、社風になじめそうか、転職動機は盤石かなど様々な角度から審査されますので、万全に準備を整えて挑みましょう。
NECソリューションイノベータは、2014年にNECシステムテクノロジーなどの6社を合併し、NECソフトから社名変更して生まれました。NECグループの中でシステムインテグレーション事業の中核を担う存在となっています。
実際に働く人からは「官公庁の仕事に関わる機会も多く、社会に貢献していることを実感できる」「先進的な技術に触れることができスキルアップにもつながる」といった声が挙がり、社会の変革の一端を担うことに対して大きなやりがいを得られる点が伝わってきます。
また、「上司に異動を申し出ることでやりたいことをやらせてもらえた」「社内で働き方改革につながる企画を次々と考えている」など、ボトムアップの観点から意見を積極期に拾い上げ、風通しの良い企業風土づくりを目指していることがうかがえます。合併により「拠点間の壁を感じる」という声もありますが、こちらは時間の経過とともに変化していく可能性が高いでしょう。しかし、「親会社からの受注の仕事が90%以上」という環境には多くの不満の声も挙がっています。NECの完全子会社であることは入社前から心がけておく必要があるでしょう。
親会社の意向に沿いつつも、権限のある範囲については最大限改善できるよう努めていく。 こうした社風にフィットする人材かどうか、採用面接では見極められます。
HPの情報によると2020年4月現在、経験者採用はSE等の技術職のみとされています。しかし、コロナショックによる在宅ワークの需要増加によって、テレワークソリューション関連商品、クラウド関連商品等の市場にも変化が現れそうです。会社の方針が定まり次第、中途採用情報がアップデートされる可能性もありますので、HPや転職エージェントの情報をこまめにチェックしておきましょう。
HPより応募する場合は、応募希望のメールを送り、採用担当者から応募方法の詳細の連絡を待ってから書類選考に進みます。合併前も合併後も、書類審査後に面接数回がおこなわれる流れは基本的に変わっていない模様です。面接はグループワークだったという口コミもあります。
面接官の印象については「まじめ」「穏やかではあるが軽い雰囲気ではない」などの口コミがあり、熱意や個性が売りのベンチャー系IT企業とは違う、落ち着いた雰囲気が伝わってきます。「結論、理由、根拠の順で端的に話すとよい」というアドバイスにもある通り、冷静かつ論理的な話し方を心がけるとよさそうです。
全体的な印象は「まず技術ありき」ということでしょう。「経歴について細かく質問され、即戦力を求めていることがよくわかった」という口コミも。まずはしっかりと職務経歴をアピールし、今持っている技術、これから高めていける技術についてまず伝えてください。そのうえで、他の質問を通してコミュニケーション能力やチームワーク、リーダーシップをアピールしていきましょう。
面接では「徹夜作業になったときどのようにモチベーションを保つのか」「希望の職種にならなかったとしてもモチベーションを保てるか」など、質問のなかで「モチベーション」という言葉が多用されていることが印象的です。
このような精神面の質問に備え、面接前には「NEC Way」と名付けられたNECグループの経営理念を一読しておきましょう。「心は情熱的、自らやり遂げるように」などの行動基準が示されており、社員にどのような考え方を期待しているのか把握することができます。自身の経験を、「NEC Way」にあるキーワードを盛り込みながら話せるとよいでしょう。長所・短所、会社にどのように貢献できるか、仕事をするうえで大切にしていることなど、一般的な質問に対しても「NEC Way」を意識することで、会社の求める人物像に合致するという印象を与えられます。
NECのグループ会社は国内に20社以上存在しており、事業領域が似通っていることもあります。そのため、「なぜグループ会社の中で当社なのか」と志望動機を突っ込まれることが多々あるようです。「NECネクサソリューションズ」「NECキャピタルソリューション」等のグループ会社についても調べ、それぞれの会社の特徴を把握しておきましょう。
NECソリューションイノベータの面接を受ける前には、同社の中期経営方針を理解することが不可欠です。これを把握しておくことで、今どのような人材が必要とされているのかがわかります。自分がどのようにこの中期経営方針に貢献できるのか考え、自己アピールに落とし込んでおきましょう。
出典:NECソリューションイノベータのサイトより
同社のテーマは「共創」。取り組むべき社会課題に対し、課題解決に向けての「仲間づくり」を重視し、最終的にサービスの販売につなげていくという業務フローづくりに注力しています。
例として、高台にあるスーパーと同社との共創について見てみましょう。スーパー側は地域の高齢化による集客力の低下という問題を抱えていました。そこで同社は、不動産会社を仲間として迎え、消費者にとってより利便性の高いマンション内に店舗を移転。同社のICT技術を用いて無人スーパーをオープンしました。
このようなイノベーションにあたって重要となるのが、先進技術各分野のプロフェッショナルです。そのため、データ分析、クラウド、VR等各分野での人材確保が急務となっています。技術職の転職にあたっては、まずこのような先進技術における強みを持っていることが必要ですが、それだけでなく、他業界との「共創」に対する経験や貢献意欲をアピールできるとよいでしょう。
同社の面接では、「なぜ当社に応募したのか」という質問に的確に答える必要があります。面接官が知りたいのは、応募者のやりたい仕事が自社で実現できそうかどうか、応募者の経歴が即戦力として役立ちそうかということです。しかしそれ以上に、この質問には「しっかりと企業について理解しているか」を審査しようという意図が込められています。
同じ業界、同じ職種の中でもなぜ同社に応募したのかしっかりと伝える。そのためには、競合となりやすい企業についても調べ、応募した企業ならではの魅力ややりがいを把握しておく必要があります。
最近は、商社やインフラ系の会社もこぞってSlerに進出してきているため、パソコンメーカー大手だけでなく、Slerに注力している様々な企業と同社の特徴を比較しておきましょう。競合他社も「サステナビリティの実現」「少子高齢化などの社会課題の解決」といった取り組みをおこなっています。そのため、単純に同社の社会課題への取り組みに興味があるというだけでは志望動機としては不十分だと捉えられる可能性があるでしょう。
具体的には、以下のような企業について調べ、経営理念や経営戦略などもしっかりと比較してみましょう。
このように、同社の面接を受ける前には、中期経営方針に基づいた自己分析をおこない、アピールすべき強みを絞り込むこと、また他社研究に基づいて志望動機を深堀りしておくことが欠かせません。面接当日は「親会社の意向に沿いつつも、権限のある範囲については最大限改善できるよう努めていく」という社風を意識し、技術面に加え「共創」に対する経験や知見を交えたエピソードを複数用意しておくとよいでしょう。
また、同社は大規模な合併をした会社ということから、合併前の社風が色濃く残っている可能性もあります。例えば、大阪市中央区の事業所はもともとNECシステムテクノロジーの本社でした。面接地によっては合併前の会社名を確認し、過去の情報を拾っておくことも有効な対策となりそうです。
面接を受けた方が実際にどのような質問をされ、どのように答えたのか、事例をご紹介します。それぞれの質問に対し、自分なりの答えをイメージしながら一読してみてください。
同社の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の4つです。
これらの準備を整えたうえで、当日は自分の言葉でスキルと意欲をしっかり相手に伝えましょう。
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