0 編集部が注目した重点ポイント
① M&A加速で事業構造を刷新する
2025年12月に株式会社ライトオンを連結子会社化し、2026年3月には完全子会社化を完了しました。さらに、2025年10月には株式会社ナルミヤ・インターナショナルも完全子会社化しています。これにより、既存のアパレル枠を超えた事業ポートフォリオの再構築が進んでおり、PMI(買収後の統合プロセス)やブランド再生に携わるキャリア機会が大きく広がっています。
② 2大セグメント制へ組織を再編する
2027年2月期より、従来の3事業体制から「B2C事業」と「B2B事業」の2大報告セグメントへ移行します。これは、アパレルブランド事業のみに依存しない収益構造への転換を明確化するものです。組織の軽量化と権限移譲が進むため、各領域の専門性を活かした機動的な業務遂行が可能となり、次世代リーダーとしての活躍の場が用意されています。
③ 還元方針強化で企業価値を高める
次期中期経営計画「VISION-W」の始動に伴い、配当性向を40%以上(従来30%目安)へ段階的に引き上げる方針を決定しました。利益成長と株主還元の両立を重視する姿勢は、資本市場からの期待も高く、安定した経営基盤のもとで中長期的なキャリア形成に専念できる環境が整っています。ROE目標12.5%以上を掲げ、効率的な経営を追求しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年2月期 通期 決算説明会 P.4
※コア営業利益:売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除した本業の利益指標。
2026年2月期の業績は、売上収益が前期比25.9%増と大きく伸長し、親会社の所有者に帰属する当期利益も8.8%増を確保しました。しかし、第4四半期の年末年始商戦におけるアパレルブランドの苦戦が響き、コア営業利益および営業利益は前年を下回る結果となりました。
通期計画に対する進捗状況については、修正後の予想に対しては概ね計画通りで着地したものの、期初予想からは乖離する形となりました。そのため、次期に向けた在庫の適正化や収益構造改革を優先する判断を下しています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年2月期 通期 決算説明会 P.10
ブランド事業
【事業内容】百貨店・駅ビル・SC等で展開するアパレルおよびライフスタイルブランドの企画・販売。
【業績推移】売上収益:200,091百万円(前期比 +0.6%)、セグメント利益:8,854百万円(前期比 Δ19.9%)。
【注目ポイント】主力のアパレルブランドがMD(商品計画)設計の課題から苦戦した一方、ライフスタイルブランドは増益基調を継続しました。今後はアパレルの収益構造を根本から立て直すため、現場へのリソースシフトと在庫適正化を断行しており、ブランド再生のスペシャリストが求められています。
プラットフォーム事業
【事業内容】OEM/ODM、販売代行、店舗開発など、ファッションビジネスのインフラ提供。
【業績推移】売上収益:130,422百万円(前期比 +75.2%)、セグメント利益:4,171百万円(前期比 +128.0%)。
【注目ポイント】2025年2月末に連結加入したエムシーファッション株式会社の寄与により、大幅な増収増益を達成しました。外販受注の拡大や生産プラットフォームの拡充が進んでおり、他社のアパレルビジネスを支援するB2Bソリューション領域でのプレゼンスが飛躍的に高まっています。
デジタル事業
【事業内容】自社EC運営受託や二次流通サービス(RAGTAG等)などのデジタルトランスフォーメーション事業。
【業績推移】売上収益:31,339百万円(前期比 Δ3.7%)、セグメント利益:2,277百万円(前期比 Δ13.1%)。
【注目ポイント】ラクサス・テクノロジーズの連結範囲変更の影響を受けたものの、サーキュラー(循環型)領域の強化を継続しています。B2B向けのEC運営受託やAI活用のDX化など、テクノロジーを基盤とした新たな収益源の創出に向けた先行投資を本格化させており、技術系人材の需要が高まっています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年2月期 通期 決算説明会 P.15
2027年2月期より始動する次期中期経営計画「VISION-W」では、売上収益3,000億円、事業利益185億円(IFRS第18号読み替えベース)を目標としています。特に、ライトオン社の再生やナルミヤ・インターナショナルとのシナジー創出が鍵となります。
経営陣は、既存アパレル事業の「商売の基本への回帰」と、B2B事業の「成長への執念」を2本の柱に据えています。質疑応答資料によれば、計画外のM&A投資枠として210億円を用意しており、今後も非連続的な成長に向けた動きが活発化することが予想されます。多様なファッションサービスを支える「圧倒的多様性集団」への進化を掲げており、自ら価値を創出できる自律的な人材を求めています。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は現在、「ワールド・ファッション・エコシステム」をフル稼働させ、世界で唯一無二の価値創造企業を目指す変革期にあります。「アパレルの再生」と「B2Bへのシフト」という、一見相反するようでいて補完的な2つの戦略を同時に推進している点が最大の特徴です。自身のこれまでの経験が、ブランドの価値を最大化する「B2C」の磨き込みに貢献できるのか、あるいは業界全体の課題を解決する「B2B」のプラットフォーム構築に寄与できるのかを、明確に語れるように準備しましょう。
面接での逆質問例
「ライトオン社の完全子会社化により、グループのプラットフォーム機能をどのように活用して再生を加速させていく計画でしょうか?」や、「次期中計で掲げられている『アパレル収益構造改革』において、現場のリソース再配置が自身の希望する職務内容にどう影響すると想定されていますか?」といった質問は、決算資料を読み込んだ上での熱意を伝えるのに有効です。
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
長期的に働き続けることが可能
産休や育休の制度が整っており、女性にとって働きやすい環境が整っています。長期休暇後の復帰もスムーズで、サポート体制がしっかりしているため、安心して職場に戻ることができます。制度自体はしっかりしており、取得しやすい環境が整っているため、長期的に働き続けることが可能です。
(20代後半・人事・男性) [キャリコネの口コミを読む]サービス残業が発生しやすい
残業に関しては、会社の方針として極力避けるようにしているため、残業申請がしづらい雰囲気があります。結果として、サービス残業が発生しやすい状況にあるのが現状です。上司との関係性や職場の空気を読みながら、うまく立ち回る必要があると感じています。
(40代後半・人事・男性) [キャリコネの口コミを読む]- 株式会社ワールド 2026年2月期 決算短信〔IFRS〕(連結)
- 株式会社ワールド 2026年2月期(第68期)通期 決算説明会資料



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