0 編集部が注目した重点ポイント
①中期目標の経常利益10億円を1年前倒しで達成する
「中長期経営計画」の6年目において、重点戦略である「個店最適化」が奏功しました。全店平均日販は過去最高の619千円を更新し、最終年度の目標であった経常利益10億円以上、当期純利益3億円以上を1年前倒しで達成しています。強固な収益基盤が確立されたことで、次なる成長フェーズへの投資余力が生まれています。
②ブランド転換に伴うリース料低減で大幅な増益を実現する
ローソン・スリーエフへのブランド転換時に発生した改装工事関連のリース費用負担が大幅に低減しました。これにより販管費が抑制され、営業利益は前期比41.8%増の1,414百万円と劇的な改善を見せています。構造的なコスト減少により、収益構造は安定期に入り、持続的な店舗支援やハード面への積極投資が可能な体制が整いました。
③独自商品とAI発注の強化で加盟店利益を最大化させる
AI発注システム「AI.CO(アイコ)」の活用強化により、主力デイリー商品の売上が大幅に伸長しました。また、看板商品である「やきとり」の新商品投入や、新カテゴリ「ドリア」の展開など、独自商品の強化が客層拡大に大きく寄与しています。売上向上と本部支援の強化により、コスト増を吸収しながら加盟店利益の前年超えを達成しています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年2月期 期末決算説明資料 P.3
営業総収入
15,084百万円
+8.4%
営業利益
1,414百万円
+41.8%
経常利益
1,428百万円
+42.3%
当期純利益
382百万円
+31.9%
当連結会計年度は、人件費やエネルギーコストの上昇といった厳しい外部環境にありながらも、売上高の増収とコスト構造の改善により大幅な増益を達成しました。特に営業利益は1,414百万円に達し、利益率が大きく向上しています。これは、ブランド転換に伴うリース料負担の低減という「構造的な利益改善」と、AI発注システム「AI.CO」の徹底活用による「オペレーションの高度化」が組み合わさった結果です。
中長期経営計画の最終年度数値目標(経常利益10億円以上)に対し、実績は1,428百万円となっており、進捗は極めて順調です。計画を1年前倒しで達成したことは、同社の経営基盤が次のステージに進んだことを示唆しており、転職者にとっても事業の安定性と成長性の両面で魅力的な状況と言えます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年2月期 期末決算説明資料 P.10
ローソン・スリーエフ(株式会社エル・ティーエフ)
【事業内容】ローソンの持つ強力なインフラと、スリーエフ独自の商品力を融合させたハイブリッド型コンビニエンスストア。地域密着型の店舗運営を展開。
【業績推移】既存店客数伸長率は100.6%と4年連続で前年を超え、全店平均日販は619千円と過去最高を更新。主力商品の売上増が牽引。
【注目ポイント】「個店最適化」を掲げ、地域特性に合わせた売場作りを徹底しています。特に店内で焼き上げる「やきとり」や、チルドならではの鮮度を活かした「ドリア・グラタン」といった独自商品の開発力が強みです。AI発注システム「AI.CO」の活用により、廃棄ロス削減と売上最大化を両立しており、データに基づいた緻密なマーケティングスキルを持つ人材の活躍の場が広がっています。
gooz(グーツ)
【事業内容】「できたて・手作り」にこだわったファストフード強化型コンビニ。淹れたてコーヒーや店内調理のベーカリーが特徴。
【業績推移】行楽需要や周辺イベントの回復により、来店客数が押し上げられました。価格戦略のメリハリにより、日販は前年を上回って推移。
【注目ポイント】「独創力の向上」を戦略に掲げ、タンブラーやオリジナル雑貨の展開など、ブランドファン層の拡大に成功しています。また、旗艦店ではコーヒー粉の堆肥化と食材への再利用といった循環型モデルも推進中。独自の店舗ブランドを構築するブランディングや、店内調理の効率化を担うオペレーション改善など、専門性を活かせる領域が豊富です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年2月期 期末決算説明資料 P.12
2027年2月期は、営業総収入151億円(前期比0.1%増)を見込んでいます。利益面では人件費やエネルギーコストの上昇を勘案し、営業利益13億30百万円(前期比6.0%減)と保守的な予想となっていますが、経常利益目標10億円以上という中長期目標は確実に達成する見通しです。
注目すべきは、ブランド転換から10年という節目を迎え、「再契約の推進」を重点戦略に掲げている点です。加盟店との「一塊経営」を深化させ、持続可能な店舗運営を実現するためのハード・ソフト両面での投資を継続します。また、次の10年における持続的成長に向けた新たな中期経営計画の策定が進められており、企業の将来設計に直接携われるチャンスが高まっています。
4 求職者へのアドバイス
スリーエフは現在、ブランド転換によるコスト削減という「守り」のフェーズから、独自商品やデジタル活用による「攻め」のフェーズへ移行しています。「個店最適化」という戦略は、現場の創意工夫を重視する姿勢の表れです。「大手チェーンの画一的な運営ではなく、地域特性に合わせた付加価値提供に携わりたい」という意向や、「AI技術を活用した次世代の流通オペレーションを構築したい」といった動機は、同社の現在の方向性と非常にマッチしています。
- 「収穫期を迎え、次の10年に向けた新中期計画では、どのような新規事業やフォーマットの開発を視野に入れていますか?」
- 「AI.COの活用により現場のオペレーションはどう変化し、SV(店舗運営コンサルタント)には今後どのような付加価値が求められるようになるとお考えですか?」
- 「独自商品の開発において、ローソン本体との差別化を今後さらにどのように強めていく計画ですか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
自分の考えた売場作りができる
店舗運営の面白み、やりがいとしては、自分の考えた売場作りができるということ。具体的には、季節柄の売れるであろう商品をメインに考えて、自分色の売場を展開することができる。その立地における客層や店舗の特色を生かして売場を作ることで、売り上げにダイレクトに貢献することができる。
(30代後半・店長・男性) [キャリコネの口コミを読む]仕事のバランスは非常に悪かった
残業時間については、店舗運営や小売り販売職として働く為、必ずといっていいほど存在する。特に店舗運営はシフト勤務体制として働かなければいけないので、その時間のシフトにパート、アルバイトが埋まらなければ社員がカバーしなければならない。したがって必然的に残業時間が発生する。また、休日出勤についてはシフトが埋まらない限り社員が出勤することになるので、プライベートと仕事のバランスは非常に悪かった。
(30代後半・店長・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 2026年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年2月期 期末決算説明資料



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