2021年06月21日
化粧品通販市場でシェア第一位のオルビスへの転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので事前にしっかり対策をすすめましょう。
化粧品や栄養補助食品事業を展開するオルビス。主要事業である化粧品事業では、2018年に通販新聞社がおこなった化粧品通販市場調査において第1位のシェアを獲得しています。同社は、成分に一切油分を含まない「100％オイルカット」商品や、科学的根拠に裏打ちされたスキンケア商品が特徴で、10〜40代の幅広い消費者に支持されています。また、小売店や卸売店を挟まず、メーカーである同社が通信販売や実店舗を運営し、消費者の意見を反映させる仕組みを構築していることも特徴のひとつです。
オルビス 新卒採用2019より
2018年1月には小林琢磨氏が同社の代表取締役社長に就任し、組織改革やブランドコンセプトのリニューアル（リブランディング）を推進しています。以降、同社は「第二創業期」として、それまでの価格から消費者のライフスタイルに寄り添う価値訴求にシフトし、新商品の開発や既存製品のリニューアルをおこなっています。
例えば、2018年10月にリニューアルした30〜40代向けスキンケアシリーズ「ORBIS U（オルビスユー）」の化粧水はは、発売1年で450万本超の売上を記録しています。こういった取り組みの結果、同社の売上は堅調に推移しており、営業利益率は約17％の水準を保っています。
オルビス 新卒採用2019より
そんな同社は、「テストや実績で昇格できる」「20代後半〜30代のメンバーが多く、年齢にかかわらず大きい仕事を任せてもらえる環境がある」といった口コミから、若手が中心で実力主義な社風が伺えます。同社の採用情報によると平均年齢は36.8歳と、若手・中堅社員が活躍しやすい環境であるようです。各種研修に加え、業務を通じて成長できるような挑戦の機会も提供しており、人材開発への積極的な姿勢があることがわかります。
また採用サイト上の求人票には、社風について「オープンマインド・未来志向の2つを掲げてリブランディングに取り組み、挑戦する社員を応援するフラットな社風である」と書かれています。口コミと併せてコーポレートサイトや採用サイトにも目を通し、社風についてより理解を深めておきましょう。同社の面接では、こういった社風にフィットして第二創業期の中核メンバーとして活躍できるかどうかが見極められるでしょう。
同社の中途採用では、書類選考の後に2回の面接を経て内定へと至ります。面接官は職種により異なり、また適性検査を行う職種もあるようです。書類選考を通過した場合は、担当者に今後の選考の流れを確認しておくことをおすすめします。
エントリーは同社コーポレートサイトの採用情報「中途採用」からおこない、学歴・職務経歴や希望する給与条件などを提出します。自己アピールや志望動機の提出は必須ではありませんが、他候補者と差別化するために、エントリーフォームの「応募先へのメッセージ」を利用して自己アピールをするとよいでしょう。
また、中途採用情報に希望する職種の募集がない場合には、「タレントプールへの登録」にエントリーしておくことをおすすめします。キャリアを活かせる職種の募集が開始した際に、同社から案内を受けられるため、チャンスを逃さず応募できます。
同社の面接は、職務経歴や転職理由といったオーソドックスな内容を中心とし、コミュニケーションの傾向や即戦力になりうるかといったことを見極められます。同社は社員数約200名と少数精鋭の組織です。だからこそ、既存メンバーと前向きなコミュニケーションが取れるかどうかを重視していると考えられます。
一方で、積極的な姿勢で提案をしたり成果を出せるようなスキルや経験があり、応募職種において即戦力となれることも求められます。これまでの経歴や成功・失敗体験を棚卸しし、積極的で前向きな姿勢でコミュニケーションを取れる人材であることをアピールしましょう。
また、第二創業期としてリブランディングを推進する同社では、新しいブランドコンセプトを理解し共感できる人材であることも求められるでしょう。WantedlyやForbesといった採用サイトには、代表取締役社長である小林氏のインタビューが掲載されています。事前に目を通し、ブランドコンセプトを変更した経緯や内容について理解しましょう。その上で、「入社したらどのように活躍したいか、どのようにブランドに寄与できるか」というしつもんと自分のキャリアを結びつけ、志望動機と関連付けてアピールできるようにしておくことをおすすめします。
同社の面接に臨む前に、2018年に小林氏が代表取締役社長に就任したことを契機としてリニューアルされたブランドコンセプトと、今後の戦略について理解しておきましょう。
同社のブランドコンセプト「ここちを美しく」には、「他者との比較ではなく多様な美を受け入れ、自分らしく年齢を重ねるための心地よさを作る」という思いが込められています。また、同社が創業以来重視している「科学的根拠に裏打ちされたスキンケア」「オイルを使わずに自身の潤う力を引出す商品」といったブランドの特徴を打ち出すものでもあります。
新ブランドコンセプトのもとで開発されたスキンケア商品「ORBIS U（オルビスユー）」・日本初の肌のための特定保健用食品「ディフェンセラ」はいずれもヒット商品となり、今後はこの2つの商品を中心としてさらにブランドを強化していく戦略を掲げています。一方で、下着やサプリメント、健康食品は売上が落ちるなど、選択と集中による収益構造の変化があるようです。
ディフェンセラ ブランドページより
また、今後の戦略として「パーソナライズ」と「グローバル」も重視しています。
「パーソナライズ」では、AIを活用し、パーソナルカラーや体型の診断ができる「パーソナルAIメイクアドバイザー」機能をリリース。「グローバル」では台湾、中国をはじめとしたアジアを中心に、海外での売上高アップに取り組んでいます。
小林氏のインタビューによると、既存の価値観に囚われず新しいことに挑戦し続けることが同社の成長戦略の基本的な考えです。中途採用ではこの考えに共感し、またブランドコンセプトと戦略について理解していることが求められます。ブランドコンセプトと戦略について理解を深めた上で自己分析をおこない、自己アピールにつなげましょう。
「なぜ同社に入社したいのか」といった志望動機についての質問は、同社の面接対策において重要です。面接官はこの質問を通じて、同社が目指す方向性への理解度や熱意について判断します。この質問に明確に回答するためには、同社の事業内容やミッション・ビジョンだけでなく、公式通販サイトやニュースリリース、小林氏のインタビューに目を通して理解度を深めておきましょう。また、実際の店舗に足を運んで接客を体験することもおすすめします。
また、競合他社についても研究・比較した上で志望動機を構築することによって、より説得力をもたせることができます。具体的には以下の4社について、特に主力製品を中心に通販サイトを比較するなどして研究しておきましょう。
●新日本製薬株式会社（主力製品 パーフェクトワン）
●株式会社ファンケル（主力製品 マイルドクレンジングオイル）
●株式会社 再春館製薬所（主力製品 ドモホルンリンクル）
●株式会社DHC（主力製品 ディープクレンジングオイル）
以上の企業研究や他社研究を通じて、同社がどのような人材を求めているのか分かってきたのではないでしょうか。化粧品通販市場でシェア第1位を獲得する同社は、2018年に小林琢磨氏が代表取締役社長に就任してから、リブランディングや新商品の開発といった新しいことに積極的に取り組んでいます。同社は2018年以降を「第二創業期」とし、中途採用では同社をさらに成長させるための人材を求めているといえます。
面接においては「同社の第二創業期に必要な人材」だと印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。以下に、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策をしておきましょう。
同社の面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい内容をご紹介してきました。特に以下の3点について、重点的に面接対策をしておきましょう。
●実力主義な社風と現在同社が第二創業期であることを理解し、社風にフィットし中核メンバーとして活躍できる人材だとアピールする。
●同社のブランドコンセプト・戦略を理解し、これに沿った自己分析をして自己アピールに繋げる。
●競合他社についても研究し、「なぜおオルビスなのか」に対する回答を明確にする。
以上の3つを意識し、面接当日は同社の成長のために活躍できる人材だということ伝えられるように準備しましょう。
この記事の執筆者