2021年06月21日
イギリス・ロンドンに本拠を置く国際金融グループ「バークレイズ」傘下のバークレイズ証券への転職。中途採用面接では、これまでの仕事内容や成果、今後のキャリアビジョンを具体的に問われるほか、「人となり」も評価されます。事前対策をしっかりして自分を出し切り、転職を成功させましょう。
300年以上の歴史を持つ世界的金融グループ、バークレイズ。2008年の金融危機に際しては、リーマン・ブラザーズの北米投資銀行および資本市場業務を買収し、事業基盤を強固なものとしました。グループ傘下で日本において事業を展開するバークレイズ証券は、世界40ヵ国に広がるネットワークを活かし、資金運用・資金調達・リスク管理といった高度な金融ソリューションを提供しています。
同社の組織構成はフラットで、外国人も多く在籍していることから多様性を尊重する文化です。常に企業家精神を持ってアイデアを提供し、イノベーションを追求する風土が根づいているといいます。
口コミにはやりがいに関する記述が多く見られます。「東京オフィス内では一丸となって国内トップの投資銀行を目指しており、日々、強いやりがいを感じる」「キャリアを積みたいと考える中途入社の者にはやりがいを感じられる職場」など前向きなコメントが目立ち、社員自身の成長にもつながっているようです。同時に、女性リーダーの育成にも力を入れており、性差や年齢に関係なく働ける環境があります。常に高度な成果を求められるものの、その分高い報酬が得られるため、モチベーションも上がりやすいようです。しかし、報酬は実力や経済状況に大きく左右されることから、安定を求める人には向かないといえるでしょう。
多様性を尊重しながら、常に企業家精神を持ってアイデアを提供し、イノベーションを追求する。このような社風にフィットして活躍できる人材かどうかを、採用面接では見極められます。
同社では、顧客戦略や業務に関するスキルを保有するプロフェッショナルを随時募集しています。詳しくは、コーポレートサイトの採用ページで確認してください。
コーポレートサイトに選考フローに関する記載はありませんが、口コミなどの情報によると、書類選考後に複数回の面接がおこなわれるということです。職種やポジションにより異なるものの、面接回数はかなり多めのようなので、乗り切るためのスタミナが必要でしょう。選考期間は1ヵ月から3ヵ月と幅があるようです。英語面接や海外オフィスとの電話面接なども想定されますので、それらを踏まえた対策をおこなってください。
コーポレートサイトには同社社員からのメッセージも掲載されています。入社後のイメージをつかんだ上で面接に臨むためにも、事前に目を通しておくことをおすすめします。
専門知識や業界動向を問う質問が多く見られます。こうした質問は事前の対策で対応が可能ですので、入念に準備しておきたいものです。経済情勢や金融政策に対する自分なりの意見や見解もまとめておくとよいでしょう。プロフェッショナルとしての資質を見極めるために、専門知識については細部にわたって問われることが予想されます。これまでの経験とあわせてしっかり説明できるようにしておきましょう。
また、口コミによると、ストレス耐性について聞かれることが多いようです。できれば具体的なエピソードを交えて語れると説得力が増します。圧迫的な面接も多いようですが、ストレス耐性を試していることが考えられますので、自分らしさを見失わず、冷静に対応することを心がけましょう。
同社が属するバークレイズでは、以下の5つの価値観に基づいて目的を実現することを目指しています。
バークレイズ コーポレートサイトより
これらの価値観に基づき、ビジネスとしての利益を追求する一方で、商品・サービス・パートナーシップの構築と成長によって、実現に至っていない社会的ニーズに対する取り組みにも挑戦しています。その一つが、世界的な潮流にもなっているESG投資です。ESG投資は欧米を中心に浸透し、投資残高も年々拡大していますが、同社では欧州を中心に業界に先駆けて実施しました。また同社は、業務や事業のデジタル化を世界的な規模で進めています。技術への代替をすすめることで生まれる余力を、新たな挑戦の機会に変換したい考えです。
リーマンショック以降、ノンコア分野をそぎ落としながら強みに磨きをかけてきた同社。今後は5つの価値観を大切にしながら、一層強みに磨きをかけ、その力を進化させた組織への成長を目指すとしています。
面接にあたっては、5つの価値観はもちろん、これをベースに同社がどういった方向に進もうとしているのかを理解する必要があります。それを自己分析に落とし込み、入社後にどんな価値提供ができるのかをしっかりアピールしましょう。
面接では志望動機に加え、「なぜ、バークレイズ証券なのか」という質問が出されます。面接官はこの質問を通して、「社風や理念について十分に理解しているか」「スキルや経験は生かせそうか」など、ミスマッチを防ぐための要素を見極めています。
この質問に明確に回答するためには、競合他社についての研究が非常に重要といえます。なぜなら、他社の経営スタイルや社風を理解することで、同社への理解がより深まるからです。以下に挙げた外資系5社を参考に、事前に他社研究をおこなってから面接に臨みましょう。
UBS証券株式会社
ドイツ証券株式会社
BNPパリバ証券株式会社
クレディ・スイス証券株式会社
シティグループ証券株式会社
企業研究を通じて、バークレイズ証券の方向性や求める人材像が明らかになってきたのではないでしょうか。同社の面接では、社風にフィットした人材かどうかのほか、同社が大切にしている価値観を具現化して行動できるか人材かどうかが見極められます。与えられた時間内にしっかりとアピールできるよう、具体的なエピソードを用意した上で、論理的に回答できるように準備を進めましょう。
また、面接の傾向を知るためにも、過去実際にあった質問内容をおさらいしておくことが大切です。以下に面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。面接の最終準備として目を通し、自分ならどう答えるかをシミュレーションしておくとよいでしょう。
バークレイズ証券株式会社の面接で聞かれた質問内容(キャリコネ)
バークレイズ証券の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
「多様性を尊重しながら、常に企業家精神を持ってアイデアを提供し、イノベーションを追求する」という社風にフィットした人材であることを、具体的なエピソードを交えてアピールする。
バークレイズの価値観を理解し、これに沿った自己分析をおこなって有益な自己PRにつなげる。
競合他社についても研究し、「なぜ、バークレイズ証券なのか」を明確にしておく。
上記を参考に自分の考えをまとめておき、面接当日は自身の経験や能力などをしっかりアピールしましょう。
この記事の執筆者