【平均年収1047.8万円】WOWOWの給与・ボーナスが高いのはなぜなのか

日本で最初にできた民間衛星放送事業者WOWOWの収益は、会員からの視聴料が大半を締めます。つまり、新規会員の獲得につながり、既存会員に継続利用してもらえるようなおもしろいコンテンツをつくることがそのまま収益につながる、極めてシンプルなビジネスモデルを形成しているのです。

最近では、大坂なおみ選手が優勝した全米オープンテニス女子決勝戦を配信したことで、加入申し込みが前年の同大会の時期と比べて2.5倍にもなりました。決勝戦の9月9日の配信日に間に合わせるために7日から8日にかけての申し込みがとくに多く、通常の受付時間を延長して対応したと同社広報部が発表しています。このような対応をしたのは、2014年に錦織圭選手が決勝に進出して以来の2度目とのことです。

WOWOWの累計加入件数は2018年8月時点で287万5738件、決勝戦の配信があった9月の新規加入者数は10万6495件にも上ったことが、同社ウエブサイトにて発表されています。

またWOWOWは年収が高いことでも有名で、3000社を超える上場企業の中でも常に上位に位置しています。
では一体どれくらい高いのか、高い理由はなにか、年収の高さ以外のメリットやデメリットはあるのかなどに迫っていきましょう。

WOWOWでは、平均年収が高い他の企業にありがちな、「残業代」による流動的な底上げは起こりづらいといえます。その理由は、実際の残業が発生するしないに関わらず、みなし残業代として月50時間相当分を全員に支給しているからです。

最新の採用情報では、中途採用の社内SEの予定年収は500万円から800万円で、一律手当を含めた月額報酬は33万円～です。別途固定残業手当として月50時間相当分の10万2300円～と、50時間を超過した場合はさらに追加で支給されます。

つまり、50時間分までは残業の有無にかかわらず残業代が支給されるシステムなので、実際の労働に対して発生する通常の残業代とは異なり、平均年収の安定した底上げにつながっていることがわかります。

年収の高さばかりに目を奪われがちですが、就職・転職を検討するにあたり気をつけなければならないことはないのでしょうか。

気になる点は、アメリカのネットフリックスやアマゾンプライムなど、海外の有料動画配信サービスが続々と日本へ上陸し、独自のドラマ制作に力を入れていることです。これらもWOWOWと同様に、地上波のような制限やしがらみがなく、自由に制作ができる強みを持っています。

WOWOWは、一部の作品をそれらの配信サービスに提供しており、協力関係にはあるもののやはりライバルでもあります。

ちなみに月額視聴料で比較すると、WOWOWは月額2300円、 ネットフリックスは画質や同時視聴可能数などにより月額800円から1800円、 アマゾンプライムは月額400円あるいは年額3900円です（2018年9月27日現在）。もっとも価格が高いのはWOWOWということになり、価格面での競争も懸念されます。

ここまでWOWOWの年収面を見てきました。ただ就職先、転職先として年収の高さだけで決めることはできません。その他にメリットは無いのでしょうか？

たしかに近年、海外動画配信サービスでも上質なコンテンツを見ることができるのは確かですが、WOWOWも負けずに魅力あるコンテンツを提供し続けています。大型アーティストの音楽番組やオリジナルコンテンツのドラマ、そして何よりWOWOWの看板であるテニスのライブ配信があります。

グランドスラムを全大会放映しているのは、日本ではWOWOWのみです。大会期間中は毎日10時間近くも放送する「テニス祭り」状態で、社長に田中氏も「テニスはWOWOWのキラーコンテンツだ」と言い切ります。WOWOWのテニス中継は、地上波のスポーツ中継でありがちな逐一解説するスタイルとは真反対で、実況解説では「しゃべらない」ことが特徴です。テニスの観戦マナーである「静かに見守る」姿勢は、熱心なテニスファンに支持されています。

スポーツや音楽、映画などある分野に特化してつくられたコンテンツは、視聴者だけでなく働き手にとっても魅力のようです。東洋経済が調べた「新卒3年後定着率100％以上の会社」108社あるうち、4年連続で100％を達成しているのはWOWOWを含めて4社だけです。この結果から、平均年収1000万円超という高待遇だけではなく、好きなことに毎日関わることができる環境はとても恵まれているといえるでしょう。

転職系アフィリエイトサイト・転職エージェントサイトらによる剽窃・模倣を禁止します。 もし剽窃・模倣を発見された方は「お問い合わせ」よりお知らせください。