0 編集部が注目した重点ポイント
① 仏Gojobの株式取得により海外展開を加速する
2025年10月1日付で、最先端AI技術を持つフランスのGojob SASの株式85.2%を取得しました。同社は過去4年間の年平均成長率(CAGR)が約40%と高く、2029年3月期までに100%子会社化する予定です。デジタルプラットフォーム事業の強化を通じ、欧米市場でのキャリア機会が飛躍的に拡大する可能性があります。
② 売上・全段階利益で過去最高を更新し順調に推移する
2026年3月期上期は、売上収益が前年同期比4.9%増、営業利益が14.0%増となり、全ての段階利益で過去最高を更新しました。通期予想に対する営業利益の進捗率は55.5%に達しており、極めて堅調な業績です。旺盛な人材需要を背景に、コンサルタントの生産性向上も利益成長を力強く牽引しています。
③ 事業の管理体制変更により組織運営を最適化する
2025年4月にStaffing SBUの一部事業を「その他」セグメントへ移管し、2025年8月にはさらに一部を「調整額」へと変更しました。これはグループ内再編に伴う管理体制の刷新であり、戦略的な意思決定を迅速化する狙いがあります。各事業の責任と権限が明確化され、専門特化したキャリアを歩む環境が整っています。
1 連結業績ハイライト
出典:FY2025 上期決算説明会 P.4
売上収益
7,527億円
+4.9%
営業利益
366億円
+14.0%
調整後EBITDA
443億円
+3.7%
※調整後EBITDA = 営業利益 + 減価償却費(使用権資産の減価償却費のうち家賃等相当額を除く) + 未払有給休暇の増減額 + 株式報酬費用 - その他の収益 + その他の費用(事業の経常的な収益力を測る指標)
2026年3月期上期は、国内の深刻な人材不足を背景に、売上収益は前年同期比4.9%増の7,527億円、営業利益は14.0%増の366億円と、過去最高の業績を記録しました。特にCareer SBUにおいてコンサルタントの生産性向上が寄与し、利益を大きく押し上げています。下期にはM&Aに伴う一時的なPMI(買収後の統合プロセス)費用を見込みますが、上期の利益上振れ分で十分に吸収可能としており、通期の利益目標を据え置いています。
通期予想に対する営業利益の進捗率は55.5%、調整後EBITDAの進捗率は51.3%となっており、業績の進捗は極めて順調です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:FY2025 上期決算説明会 P.10
Staffing SBU
事業内容:パーソルテンプスタッフ等の事業会社を通じ、事務領域を中心とした人材派遣および紹介予定派遣・人材紹介サービスを展開しています。
業績推移:売上収益3,034億円(前年同期比+3.7%)、調整後EBITDA 182億円(同+7.4%)と、増収増益を維持しています。
注目ポイント:就業者数は前年同期比2.2%増、請求単価も2.1%増と安定成長しており、特に利益率の高い人材紹介事業の伸長が利益成長に大きく寄与しています。販管費の適正化も進み、収益構造が強化されています。
BPO SBU
事業内容:受託請負(BPO)事業を主軸に、顧客企業の業務プロセス最適化やコンサルティングを提供しています。
業績推移:売上収益697億円(前年同期比+27.8%)、調整後EBITDA 37億円(同+53.4%)と、飛躍的な成長を遂げています。
注目ポイント:2025年2月に買収したパーソルコミュニケーションサービス(旧:富士通コミュニケーションサービス)の貢献に加え、IT関連BPOや公共領域が好調です。戦略的な増員が進んでおり、大規模案件のマネジメント層が求められています。
Technology SBU
事業内容:パーソルクロステクノロジー等を通じて、IT・機電領域の設計・開発受託やエンジニア派遣を展開しています。
業績推移:売上収益603億円(前年同期比+10.2%)と増収を維持。一方、調整後EBITDAは33億円(同-3.6%)と、一時的に下振れています。
注目ポイント:エンジニア採用強化により稼働人数が6.4%増加し、売上は順調です。利益の減少は一部のグループ内案件遅延への対応費用(上期で収束)が主因であり、エンジニアの退職率は8%台と安定しています。
Career SBU
事業内容:「doda」ブランドを中心に、正社員の中途採用活動を支援する人材紹介や求人メディア事業を行っています。
業績推移:売上収益778億円(前年同期比+6.8%)、調整後EBITDA 199億円(同+18.7%)と、高利益成長を継続しています。
注目ポイント:年収600万円以上のハイクラス層が成長を牽引しています。人員数をあえて抑えつつ生産性を15.9%向上させる戦略が結実しており、マーケティング投資を積極的に行いながらも高い利益率を実現しています。
Asia Pacific SBU
事業内容:APAC地域で人材サービスやファシリティマネジメントを展開。豪州最大のProgrammed社等を傘下に持ちます。
業績推移:売上収益2,366億円(前年同期比-0.3%)、調整後EBITDA 58億円(同-17.9%)。為替影響により表面上は減益となっています。
注目ポイント:為替影響(137億円の減収要因)を除くと4.8%の増収であり、特に豪州のファシリティマネジメント事業は堅調です。一時的なシステム刷新費用が利益を圧迫していますが、実態としての成長力は維持されています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:FY2025 上期決算説明会 P.34
同社は2030年に向け、「テクノロジードリブンの人材サービス企業」への進化を経営方針に定めています。注力戦略として、各SBUでのAI・DX活用による生産性向上が挙げられます。Staffing SBUでは2027年3月期にマージン6%目標、Career SBUではAI投資と第一想起獲得に向けたマーケティング投資を加速させ、2028年3月期にはマージン10%を目指しています。
特筆すべきは海外戦略の大きな転換です。フランスのGojob社の買収により、AIを活用した拡張性の高い人材派遣プラットフォームをグループ内に取り込みました。このモデルを既存事業や最大市場である米国市場へ横展開することで、非連続な成長を狙います。人材紹介事業ではハイクラス層の拡大が続いており、エンジニア(IT・通信)の有効求人倍率が11.03倍という極めて高い水準にあることも、同社の成長を後押しし続けるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
同社は従来の労働集約型ビジネスから、「テクノロジー」による付加価値向上へと大きく舵を切っています。特にフランスのGojob社の株式取得など、AIを活用したグローバル展開という「非連続な成長」のフェーズにあります。自身の持つITスキルや、データを活用した業務改善経験を、この構造的変革の中でどう活かしたいかを語るのが効果的です。また、ハイクラス層の成長が著しいCareer SBUでは、生産性を重視するプロフェッショナルな姿勢も高く評価されるでしょう。
・「Gojob社のAIプラットフォームを、今後国内のStaffing事業へどのように融合・展開させていく計画でしょうか?」
・「Career SBUで生産性が大幅に向上(+15.9%)していますが、現場で最も変革に寄与したITツールや施策は何だったのでしょうか?」
・「グループ内再編によりセグメント間の連携が加速しているとのことですが、部署を越えたナレッジ共有の仕組みはどのようになっていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
仕事ができる人に仕事が集中しやすい
仕事ができる人・仕事を任せやすい人に仕事が集中しやすい傾向もあるので、そういった人は自身でコントロールする必要があります。
(20代後半・マーケティング関連職・女性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- パーソルHD FY2025 上期決算説明会資料
- パーソルHD 2026年3月期 第2四半期決算短信



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