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編集部が注目した重点ポイント
① 米国住宅メーカー買収で海外展開を加速させる
2026年3月期第3四半期より、子会社のアーネストワンを通じて米国法人Arnest One America Inc.を新規連結しました。この構造的変化により、棚卸資産が前連結会計年度末比で1,716億円増加するなど、資産規模が拡大しています。転職者にとっては、北米市場という新たなフィールドでのキャリア機会が創出されており、グローバルな事業管理や海外営業の経験を積むチャンスが広がっています。
② 戸建分譲事業の利益率が16.2%へ改善する
主力の戸建分譲事業において、売上総利益率が前年同期比で2.1ポイント上昇の16.2%を記録しました。販売棟数は減少したものの、平均価格が3,297万円と175万円増加したことが寄与しています。需給バランスを考慮した機動的な土地仕入と販売戦略の精緻化が成果として現れており、効率的な事業運営を推進する企画・マーケティング職の重要性が高まっています。
③ 万博出展など先行投資で広告宣伝費が145%増える
2026年3月期第1四半期に、大阪・関西万博への出展費用約50億円を広告宣伝費として一括計上しました。これにより販管費全体が前年同期比112.6%と増加しましたが、これはブランド認知度向上に向けた戦略的な投資と位置づけられています。持続的な成長に向けて、目先の利益だけでなく大規模なプロモーションを通じた顧客基盤の拡大に注力しており、広報・販促領域の専門人材には刺激的な環境です。
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連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明資料 P.1
当第3四半期累計期間は、売上収益が1兆566億円と微増ながら、営業利益は前年比9.1%増の654億円を達成しました。特筆すべきは営業利益率の改善で、前年同期の5.7%から6.2%へと上昇しています。これは広告宣伝費や人件費の増加といったコスト要因を、主力事業の採算性向上で十分にカバーした結果と言えます。
通期計画(売上収益1兆5,300億円、営業利益930億円)に対する進捗率は、売上収益が69.1%、営業利益が70.4%となっており、期末に向けた販売加速を背景に概ね順調な推移と評価できます。
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事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明資料 P.8
戸建分譲事業(一建設、飯田産業、東栄住宅など)
事業内容:分譲住宅の企画・販売を担う中核事業。主要6社(一建設、飯田産業、東栄住宅、タクトホーム、アーネストワン、アイディホーム)が各地で展開。
業績推移:売上収益は8,685億円(前年同期比97.9%)と微減ながら、売上総利益は1,404億円(同112.4%)と大幅増益。
注目ポイント:ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準化に加え、さらなる環境性能の向上と高付加価値化を推進しています。首都圏を中心に土地仕入価格が上昇傾向にある中、販売価格を適切に調整し、1棟当たりの粗利額を確保する緻密なエリア戦略が求められています。
マンション分譲事業
事業内容:都市部を中心に分譲マンションを展開。平均価格の向上により高単価・高品質な住まいを提供。
業績推移:売上収益は535億円(前年同期比103.6%)。販売戸数は1,027戸で前年並みを維持しています。
注目ポイント:平均価格が4,980万円と前年同期から614万円も増加しており、今期計画に対する契約率は96%に達しています。2Q比で売上総利益率が0.9ポイント改善するなど、収益性の向上が顕著です。
請負工事・リフォーム事業
事業内容:注文住宅の建築請負や、引渡し後のリフォーム、オプション工事(網戸やカーテンレール等の設置)を提供。
業績推移:売上収益は603億円(前年同期比105.6%)。リフォーム単体では前年同期比132.5%と急成長。
注目ポイント:10年目点検を通じた提案営業に本格着手しており、ストックビジネスとしての強化を急いでいます。既存顧客との長期的な関係性を築くカスタマーサクセス的な役割が重要視されています。
その他事業(収益不動産・米国事業など)
事業内容:投資用不動産、木材製造事業(ファーストウッド等)、および新規連結された米国住宅事業など。
業績推移:売上収益は742億円(前年同期比138.8%)と爆発的に拡大しました。
注目ポイント:収益不動産事業の拡大に加え、米国(ジョージア州アトランタ等)での事業開始により構造的な変革が起きています(注:米国は当期から新規連結のため単純比較不可)。グローバルな視点での事業ポートフォリオ拡大を牽引する人材が不可欠です。
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今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明資料 P.4
当社グループは、2030年3月期をターゲットとした経営目標(オーガニック成長率4.0%以上、ROE10.0%以上)の達成に向けた戦略を加速させています。足元では、未契約在庫数を26,487棟と適正水準内でコントロールできており、4Qに向けた販売力強化に自信を見せています。
特筆すべきは、海外住宅市場への本格参入です。米国での子会社設立および新規連結により、国内の戸建分譲依存度(目標70%)を下げ、収益源の多角化を図っています。また、ストックビジネス強化に向けたリフォーム営業の本格展開など、これまでの「造って売る」モデルから「住まいを支え続ける」モデルへの転換が進んでいます。これらの変革期において、異業界での営業経験や、海外ビジネスの知見を持つ人材への期待が非常に高まっています。
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求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
国内トップシェアを誇る「戸建分譲」の圧倒的な安定基盤に加え、今まさに動いている「米国市場への本格進出」や「リフォーム事業の急成長」という第二の創業期とも言える変化に注目しましょう。「既存の成功モデルに安住せず、グローバル市場やストックビジネスへと領域を広げる挑戦的な姿勢に貢献したい」という志向性は、経営陣の戦略(事業ポートフォリオの拡大)と強く合致します。
面接での逆質問例
・「米国での事業連結が始まりましたが、今後数年で海外拠点の展開や現地での人材採用をどのように加速させていく方針でしょうか?」
・「リフォーム事業が前年比132%増と急成長していますが、10年目点検を通じた提案営業を強化するにあたり、現場ではどのようなスキルセットを持つ人材が求められていますか?」
・「ZEH水準化など環境性能の向上が進んでいますが、高付加価値化とコスト管理を両立させるために、施工管理や設計部門にどのような変化が起きていますか?」
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転職者が知っておきたい現場のリアル
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 飯田グループホールディングス株式会社 2026年3月期 第3四半期 決算説明資料
- 飯田グループホールディングス株式会社 2026年3月期 第3四半期 決算短信〔IFRS〕



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