2021年06月21日
「新国立競技場設備事業」に取り組む大成建設への転職。中途採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、一緒に仕事をする仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策しておきましょう。
1873年の創業以来、インフラ、官公庁施設、文化・教育施設、産業施設など国家プロジェクトをはじめとする数多くの「地図に残る仕事。」を手掛けてきた大成建設。新国立競技場の建設に関しては優先交渉権限者に選定されました。また市街地再開発事業を得意分野とし、全国の法定再開発案件の約20%に関与し、大手ゼネコンで実績No、1を誇ります。
そんな大成建設は、日本の建設会社には珍しい非同族企業です。そのため、「多数の人が参加する会議で方針を決めることが多く透明性が高い」「風通しが良い」「自由な社風」といった声が多いです。しかし一方で独立採算制であるため、現場では作業所長の権限が強く所長次第で労働環境が変わるという声もあります。また業界全体に言えることですが、残業が多く、休日が少ないという声も多いです。「残業はやって当たり前という風潮がまだある」「家族との時間が取れない」「早朝から深夜まで体力的にキツイ」といった声も見受けられます。こういった環境も現場によって左右されることがあるようです。
そんな厳しい業務の中であっても、「多くの企業、人々がかかわる建設の仕事の中で、元請として責任ある立場で現場をコントロールし、工事が無事に完工した時の達成感は大きい」「未来の人が歩く道路、世界へ羽ばたく空港を未来の人々が利用するところを想像すると、今だけではなく未来を支える仕事であると感じられる」「関わったすべての建物に思い出と思い入れがある」などやりがいを強く持っている社員も多いです。どのような環境でも自分の使命を見出し、自分の成長や次の挑戦につなげていける人材が求められるでしょう。
大成建設は、大型プロジェクトや全国各地のインフラ整備事業など様々な事業に取り組み、安全・安心で快適な生活環境の整備を通じて、社会の持続的発展に貢献することを目指しています。そして働くやりがいと苦労の中で、「地図に残る仕事。」という使命感と誇りをもち、後世に残していく仕事をしていく。こういった社風にマッチする人材であるかが採用面接では見極められます。
大成建設の選考プロセスは、書類選考、Web適性テスト、2回以上の面接です。総合職、専任職では一次面接の際に、筆記試験(一般教養、小論文)があるようです。面接では、人事部、応募部署の管理担当者、役員などが担当します。部署によっては、面接に5人ほどの面接官が入ることもあるようです。選考期間は、概ね1ヵ月ほどですが、中には3ヵ月以上という場合もあるようです。選考期間が長いという口コミも見られますので、転職希望時期を明確に伝え、選考プロセスの中で気になることがあれば自ら人事担当者とコミュニケーションを取るなど、工夫するようにしましょう。
コーポレートサイトのキャリア採用ページに募集職種が詳細に記載されています。各職種の勤務地エリアや、必要な資格等記載がありますので、確認をし、なぜその職種を希望するのかしっかり伝えられるようにしましょう。
大成建設の面接は、オーソドックスな質問がほとんどのようですが、現場によっては残業も多く、拘束時間が長いことから、「残業が多いですが大丈夫ですか」といった労働環境にマッチするか確認する質問もあるようです。また現場の所長の権限が強いという声もあることから、「上司と意見が合わなかったからどうしますか」といった質問を投げられることもあるようです。
コーポレートサイトのトップメッセージの中に、「挑戦・苦難・達成を繰り返していくことが大きな自信となり、成長に繋がっていく」「建設業には、働くやりがいと苦労の中に、ものづくりの素晴らしさが詰まっています」とあります。
困難な状況の中でも前向きに取り組むことができるか、苦難の中で自分の使命を見出し、それに向けて自身を高め挑戦していける人材であるかをアピールすることが大切です。そしてそこに建設業への誇りや情熱があるかということも伝えられると良いでしょう。前職の経験などから、困難な状況を乗り越えたことや自身の忍耐強さなどのエピソードを紹介しアピールに繋げると良いでしょう。
また「当社の社長をご存知ですか」「創業者の名前は?」などの質問が出ることもあるようです。事前にしっかり確認しておきましょう。
大成建設の面接対策についてもっと具体的な情報を知りたい場合は、引き続きこの記事をお読みください。面接攻略法や、過去の面接で実際に聞かれた質問内容とその回答例をご紹介します。
大成建設の面接を受ける上では、大成スピリットを理解しておくことが不可欠です。大成スピリットは以下の3つで構成されています。
大成スピリット
自由闊達 価値創造 伝統進化
グループ理念を追求するためにグループ全役職員が大切にする考え方です。自由闊達
多様性を尊重し、組織内外の活発なコミュニケーションやネットワーク形成を通じて、役職員全員の能力が活かせる風通しが良く活力ある企業風土を醸成します。価値創造
広く社会を知った上で、お客様の立場に立ち、技術・ノウハウを結集するとともに、更なる技術革新と創意工夫にチャレンジし続け、お客様に感動していただけるような価値の創出を追及します。伝統進化
ものづくりの伝統を継承しつつ、先進的な課題に挑戦することにより付加価値を生み出しながら、健全な企業グループとして永続的に進化・発展します。
わたしたちは、明るく、熱意と誠意、そして企業人としての規律を持ったプロフェショナルの集団として、企業活動に取り組みます。
これは大成建設の企業カルチャーの土台となる価値観。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの行動指針に合致する人材であることをアピールしましょう。
建設業では、他部署・職種の人、そして他企業の人など多くの人と関わります。特に大成建設のような大手ゼネコンは、大型物件を担当するため、より多くの人々と共に一つのものを作り上げていきます。多様なメンバーと一つのゴールを目指せる人が求める人材の一つとしてあげられます。また価値観の異なる仲間を尊重し、相手を理解して、円滑に業務を進められるコミュニケーション力が大切です。そして自分が組織の中でどのような役割であるか、どう貢献できるかを常に考え行動できる人材であるかが見極められます。前職の経験などから、多くの人と信頼関係を結び協働して作り上げたものや、今までの組織の中での自身の立場や役割、成果などをしっかり自己分析し、エピソードに盛り込むことで、行動指針に繋げられるアピールとなるでしょう。
臆せず主体的にコミュニケーションが取れ、自身の役割を分析でき建設的な思考に基づいた行動をとれる冷静さと、ものづくりへの情熱が兼ね備えている人材であるかをアピールすることが大切です。
大成建設の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ大成建設か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、大成建設という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
●株式会社大林組
●株式会社竹中工務店
●清水建設株式会社
●鹿島建設株式会社
この4社と大成建設を含めたスーパーゼネコン5社のそれぞれの特質をしっかり理解しておきましょう。
このように大成建設の採用面接を受ける前には、行動指針に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「働くやりがいと苦労の中で、『地図に残る仕事。』という使命感と誇りをもち、後世に残していく仕事をしていく」という社風を意識して、「臆せず主体的にコミュニケーションが取れ、自身の役割を分析でき建設的な思考に基づいた行動をとれる冷静さと、ものづくりへの情熱が兼ね備えている人材である」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
大成建設の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●「働くやりがいと苦労の中で、『地図に残る仕事。』という使命感と誇りをもち、後世に残していく仕事をしていく」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
●大成スピリットを理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
●競合他社についても研究し、「なぜ大成建設か」に対する応えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
この記事の執筆者