2021年06月21日
業務用通信カラオケ業界1位を誇る、第一興商への転職。「もっと音楽を世に、もっとサービスを世に」を社是に、同社は拡大してきました。中途採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を問われるほか、即戦力として、一緒に仕事をする仲間として多角的に評価されます。事前にしっかり対策しておきましょう。
業務用カラオケ「DAM」の販売やカラオケ店舗の「ビッグエコー」の運営で有名な、第一興商。DAMは、業務用カラオケのシェア65%と、圧倒的な1位を誇っています。
音楽業界自体は90年代が最盛期。しかし、CDの売り上げが全盛期の1/3にまで落ち込んでいるのに対し、全国のカラオケ店舗数は2001年に最盛期の8割まで落ち込んだのを境にほぼ横ばいとなっています。市場の伸びは期待できないものの、競争力の強化と多角経営への転換により、第一興商は2018年に過去最高収益を上げました。行動規範にも「楽しいコミュニケーションの場を提供すること」とあり、カラオケを「どのように楽しみたいか」という市場ニーズにこたえる店づくりができる人材が求められています。
口コミでは「常に最新の音楽が流れていて楽しい」など、音楽に関わる仕事ができる環境への充実感が挙げられる一方、忙しさにめげる人も。休日に休めないこと、慢性的に人材不足であることは覚悟した方がいいでしょう。
入社の障壁は低めで、とにかくやってみて続いた人が生き残る実力主義でもあります。こうした社風にフィットする人材かどうかを、採用面接では見極められます。
第一興商の採用は、店長・調理長・立地開発などの「店舗職」と総務・経理などの「事務職」に分けて行われています。さらに店舗職は、カラオケビッグエコーでの仕事と飲食店舗への勤務の二種類があります。グループ会社の採用も、第一興商本社で一括で行っているので注意。応募職種や勤務地ごとに求人票が分かれているので、応募の際配属先を確認してから応募しましょう。
選考は筆記試験と面接が行われます。面接の回数は1回から3回、採用までは早い人で一週間、長くて1カ月程度です。
面接内容は志望動機、趣味、長所短所など一般的な内容が多く、「答えた内容そのものよりは、明るく笑顔で振舞えるかどうかが重要」「やる気重視」といった口コミが相次いでいます。面接で緊張しても、元気よくふるまいましょう。
実はアルバイト上がりの社員が多いのも特徴。希望の勤務地で採用情報が見つからない場合は、「社員登用あり」のアルバイトの情報も見てみましょう。
カラオケの店舗職で必ず聞かれるのは、ナイトワークに適応できそうかどうか。カラオケ業務は基本夜勤になり、日勤の家族などとは生活リズムがずれてしまいます。また、お酒を飲んでいるお客さんが苦手では務まりません。営業では、バーやスナックの方々にカラオケを置いてもらうよう頼みに行くことになります。こういった業務に抵抗がないかをまずは問われるでしょう。
営業職は成果主義。「きついけど大丈夫?」と聞かれます。今までの営業成績に自信がない場合でも、過去にとらわれることなく、やってみたい気持ちをアピールしたほうがよさそうです。
体育会系の人が多く、学生時代スポーツをやっていたかどうかを聞かれることも。運動部でなかった場合も、その代わりに打ち込んでいたことを話せるようにまとめておくと役に立ちそうです。
常に人手不足のため、選考期間が非常に短かった人も多数。一次面接の合否が当日に出て、その日のうちに上層部との面談が行われることもあります。心の準備をしていきましょう。
第一興商の面接を受ける上では、経営戦略を理解しておくことが不可欠です。主だった戦略には以下のようなものがあります。
・カラオケ店舗事業に経営資源を積極的に投入
・新事業の育成にも注力し、持続的な成長を目指す
第一興商の経営戦略は今後活躍する人材を採用する人事戦略にも影響します。しっかりと理解した上で自己分析に落とし込み、面接でこの経営戦略に合致する人材であることをアピールしましょう。
カラオケ人口は、減少傾向にあります。その中でビッグエコーは2018年3月期に過去最高収益を上げました。勝因となったのは業界一のカラオケ店舗数と、子会社が運営する「カラオケマック」の成功でした。今後のカラオケ人口についてビッグエコーは、微減するもののほぼ横ばいと予測しており、カラオケのシェアを拡大と新規事業への参入による成長を図っています。そのために必要なのは、「DAM」の商品競争力の強化と新規出店。特に飲食事業は売り上げの増加が見込まれています。店舗業務の人材が不足するのは必至で、今後もやる気重視の積極採用は続くでしょう。
複数収益源を持つことによる安定収益を得られる構造への転換が、会社の課題となっています。新規事業の中ではパーキング事業が成長株。このまま成長を続けることができれば、不動産関係の知識を求められる職種が増えていく可能性も高いと言えます。
出典:第一興商のサイトより
第一興商の面接でよく聞かれる質問のひとつに「なぜ第一興商か」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいのは、「この人は何をやりたいのか」「それが当社で可能なのか」「この人の経歴が当社でどう活かされるか」といった視点ももちろんですが、「本当に当社のことを理解しているか」という側面も合わせて見ています。
業界理解や職種理解の枠を超えて、第一興商という企業についてしっかり理解する。そのためには、競合となりやすい企業の他社研究も忘れないようにしましょう。カラオケのライバル企業は少なく、DAMとJOYSOUNDの独占市場となっています。カラオケ店舗数は2019年現在コシダカのまねきねこが1位、ビッグエコーは2位です。会社が多角経営による増収を目指していることから、飲食チェーン大手についても調べておくとよいでしょう。具体的には、以下のような企業について調べておくことがおすすめです。
●株式会社エクシング
●株式会社コシダカ
●ワイエスフード株式会社
このように、第一興商の採用面接を受ける前には、経営戦略に基づいた自己分析や他社研究を踏まえた志望動機の整理が大切です。そして面接の場では、「やる気重視の採用」という社風を意識して、職種に応じて「市場ニーズに応える店舗づくりができる」「成果主義に耐えられる」人材であると印象付けられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくと良いでしょう。
今までの実績のアピールに終始するよりは、「カラオケが好き」「DAMが好き」で、「やってみたい」という気持ちを前に出しましょう。そしてその場でのコミュニケーションを大切にすることが、お客様と円満な関係を築くことができることのアピールにつながります。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
第一興商の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の5つです。
●「経験よりもやる気重視」という社風を理解して、これに合致した人材であることをアピールする。
●第一興商の経営戦略を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
●スポーツの経験や打ち込んできたことについて話せるようまとめておく。
●笑顔で元気に、その場のコミュニケーションを大切にし、お客様と円滑なコミュニケーションができることのアピールにつなげる。
●競合他社についても研究し、「なぜ第一興商か」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
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