2021年06月21日
医用電子機器の開発および製造、販売を手掛ける日本光電工業への転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策をすすめましょう。
医用電子機器等の開発・製造・販売からコンサルテーションまでを手掛ける日本光電工業(以下、日本光電)。「エレクトロニクスで病魔に挑戦」というコーポレートメッセージを掲げる同社は、生体計測機器・生体情報モニタ・AEDなどに強みを持ち、脳波計は国内シェア80%、生体情報モニタにおいても国内No.1のシェアを誇ります。また、国内だけでなく、世界120ヵ国以上への輸出等を通じ、様々な国や地域の臨床医療を支えています。
そんな日本光電の口コミを見てみると、医療に関わることに多くの人が誇りとやりがいを感じていることがわかります。「人の命と深く関われる仕事はあまりなく、これからもこの仕事を続けたい」「専門性の高い医師や看護師などを相手にするためやりがいは非常に高い」などという内容が数多く見られるのが印象的です。
また、給与水準に対しては多くの人が満足している様子で、「同業他社と比べても高水準」「業界トップクラスの給与」という声が多数聞かれます。一方で、「個人の資格や能力などを全然評価しておらず、ほぼ完全に年功序列となっている」と不公平感を訴える声も。良くも悪くも日本の大企業の風土であると言えそうで、実力主義を求める人には物足りなさが残るのかもしれません。ほかには、「上司との付き合いにも大きく依存しており、飲み会などは大事」「職場の雰囲気は比較的堅い」「福利厚生は充実している」「良くも悪くも日本企業という雰囲気」などの声があがっています。
面接にあたっては、日本的経営を基本とした堅い社風であることを理解したうえで、医療を関わることに対する誇りと倫理観を伝えられるようにしましょう。
コーポレートサイトに選考フローについての記載はありませんが、口コミ情報によると、書類審査→筆記テスト(SPI、CASEC、小論文など)→一次面接(人事担当者、応募先部課長)→最終面接(人事担当者、人事部長、担当役員)という流れが一般的なようです。
現在、同社では数多くの職種で中途採用の募集がおこなわれています。情報は随時更新されますので、応募を希望する人は定期的にコーポレートサイトをチェックしてください。
オーソドックスな質問が多く、特に「なぜ医療機器メーカーで働きたいのか」「なぜ日本光電なのか」を問われるようです。この質問への回答を通じて面接官が知りたいのは、志望動機やキャリア展望といった一般的な要素に加え、医療に携わる者としての倫理観や人間性です。したがって、しっかりと自己分析をおこない、自分の倫理観や価値観と向き合うことが必要になってくるでしょう。面接経験者からは、「医療業界からの転職でない場合は、“なぜ医療なのか”といった点に関しても結構な突っ込みが行われるので、自分の考えを固めておくことが大切」というアドバイスの声もあがっています。
営業職の場合には、医師との会話を想定して堅い雰囲気の中でおこなわれるという声もあります。そうした雰囲気の中でも、きちんとコミュニケーションがとれるかどうかが見られるようです。短い面接時間で伝える必要があるため、要点を論理的に話せるような準備をしておきましょう。また、「営業ならば元気良く、端的に話すことが求められる」というアドバイスもありますので、参考にしてみてください。
日本光電では、長期ビジョン「The CHANGE 2020 」を策定し、
(1)世界初の革新的技術の確立
(2)世界最高品質の確立
(3)グローバルシェアNo.1の獲得
という3つの将来像を掲げています。
コーポレートサイトより
この長期ビジョンへ向けた最終フェーズとなる2017年度〜2019年度の中期経営計画が「TRANSFORM 2020」です。同社のコア技術の強化を通じて「革新的技術」「品質」「臨床的価値」という3つの顧客価値を生み出し、高収益体質への変革を図ることを基本方針としています。
中期経営計画資料より
その中で重要課題としてあげているのが、(1)地域別事業展開の強化 (2)コア事業のさらなる成長 (3)新規事業の創造 (4)技術開発力の強化 (5)世界トップクオリティの追求 (6)企業体質の強化です。そのために、設備や研究開発に投資をおこなうほか、人財育成にも力を入れるとしています。具体的には、新たな人事制度・人財育成プログラムを導入して、自律的に行動する人財の育成と、自由闊達で創造的な組織風土の醸成に取り組む方針です。
中期経営計画資料より
中期経営計画資料より
面接にあたっては、この中期経営計画をしっかりと理解し、自分がどういった側面から計画の達成に貢献できるのかを伝えられるようにしておく必要があります。また、自律的に行動できる人財であることを伝えるために、これまでに関わったプロジェクトの成果や周囲を巻き込んだ経験などを語れるとよいでしょう。
日本光電の面接でよく質問されることの一つに、「なぜ日本光電なのか」があります。面接官は、この質問を通じて、「入社後に何をやりたいのか」「これまでのキャリアをどう活かすつもりなのか」ということはもちろん、「医療に携わる人としての倫理観」などを確認します。したがって、この質問は深堀りをされる可能性がありますので、しっかり答えられるように対策しておくことが重要です。
そのためには、業界や職種の枠を超えて日本光電について理解する必要があります。競合となりやすい企業についても調べておき、他社との違いを明らかにしたうえで、「なぜ日本光電なのか」に答えられるようにしておきましょう。一例として、以下に同業他社をご紹介しますので、研究の参考にしてみてください。
●フクダ電子株式会社
●シスメックス株式会社
●ニプロ株式会社
日本光電が目指している方向性や、求める人材像が分かってきたのではないでしょうか。
日本光電の社員は、「エレクトロニクスで病魔に挑戦」というコーポレートスローガンのもと、誇りを持って、電子技術で臨床医療の現場を支える仕事に向き合っています。入社を希望する場合には、人の命を助けるために日本光電での仕事を通じて自分に何ができるのかという視点で自己分析を進める必要があります。「主義や国境を越えて、病を治すという使命に情熱を捧げられる人財」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
日本光電工業の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●日本的経営を基本とした堅い社風であることを理解したうえで、医療に関わることに対する誇りと倫理観を伝える。
●中期経営計画「TRANSFORM 2020」を理解して、これに沿った自己分析をして自己PRにつなげる。
●競合他社について研究し、「なぜ日本光電なのか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備して、面接当日は自分の言葉でアピールするよう心がけましょう。
この記事の執筆者