0 編集部が注目した重点ポイント
① アドテック社の完全子会社化で北米成長を加速させる
2025年7月に脳神経関連機器を展開する米国アドテック社を完全子会社化しました。これにより、同社の脳神経系群の海外売上高は前年同期比+69.5%と驚異的な伸びを記録しています。北米でのブランド認知度向上と収益改革を主軸に、グローバルなメドテック企業への変革を強固に進める方針です。
② アボット製品取扱終了と人員最適化で自社品に注力する
2026年12月末でのアボット社製品の販売契約終了を決定し、収益性の高い自社製品への集中投資へ舵を切りました。これに伴い200名規模のネクストキャリア支援プログラム(転職支援)を実施します。短期的には特別損失を計上しますが、2027年3月期以降は年間23億円程度の販管費削減を見込む抜本的な構造改革です。
③ 生成AIとDX基盤の導入により業務生産性を向上させる
全社収益改革の一環として、生成AIの活用により年間140万時間の業務効率化を目標に掲げています。また、PLM(製品ライフサイクル管理)やMES(製造実行システム)の本格稼働、鶴ヶ島新工場の建設など、デジタル技術を駆使したグローバルサプライチェーンの進化を加速させており、収益性の飛躍的な改善を狙っています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第2四半期決算説明会資料 P.2
売上高
1,081億円
+5.2%
営業利益
67.4億円
+31.8%
経常利益
67.3億円
+214.7%
第2四半期累計の業績は、国内外での価格改定や自社製品の売価アップ、コストダウン施策が功を奏し、売上総利益率が52.5%(前年同期比+2.0pt)へ改善しました。特に海外市場では、アドテック社の連結効果や北米・アジアでの需要増により、為替影響を除いても二桁成長を維持しています。
通期予想(売上高2,400億円、営業利益240億円)に対する進捗率は、売上高が約45%、営業利益が約28%となっています。数値上は低く見えますが、同社のビジネスモデル上、年度末の3月に売上が集中する季節性があるため、現時点での業績は概ね順順調に推移していると評価されています。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第2四半期決算説明会資料 P.6
日本市場
事業内容:国内病院・診療所向けの生体計測機器、モニタ、治療機器の販売および保守サービスを展開。
業績推移:売上高668億円(前年同期比+1.0%)。機器投資に慎重な動きがあるも、消耗品・サービスが堅調。
注目ポイント:医療DXの推進により、ITシステムや遠隔監視ソリューションへの期待が高まっています。アボット製品終了に伴い、自社製品(人工呼吸器等)へのリソースシフトが進むため、ソリューション提案型の高度な営業人材が求められています。
北米市場
事業内容:米国市場を中心に脳神経系機器、生体情報モニタ、人工呼吸器を提供。アドテック社が新規連結。
業績推移:売上高223億円(前年同期比+15.7%)。アドテック社効果に加え、人工呼吸器が大幅増収。
注目ポイント:マスク型人工呼吸器で市場シェア30%超を誇るなど、圧倒的な製品競争力を持っています。アドテック社との統合を機に、開発・販売体制のシナジー創出が急務。グローバルPMOや開発マネジメントの経験が活かせるフィールドです。
欧州・アジア・その他地域
事業内容:欧州各国、中国、インド、中近東における医療機器の販売・保守・試薬製造。
業績推移:欧州(+8.1%)、アジア州他(+15.3%)。モロッコでの大口受注などが寄与。
注目ポイント:インドの試薬新工場稼働やサウジアラビアでの販売子会社設立など、現地法人の基盤強化を加速させています。新興国における保護主義的な規制対応や、現地生産体制の構築に携わる生産管理やサプライチェーンのプロフェッショナルが不可欠です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第2四半期決算説明会資料 P.28
通期の業績見通しについて、親会社株主に帰属する当期純利益は人員最適化プログラムの実施費用(特別損失24億円)を見込み、125億円(期初予想から25億円減)に修正されましたが、売上高2,400億円、営業利益240億円の目標は据え置かれました。
成長戦略の核となるのは「北米事業の深耕」と「国内ITソリューションの拡大」です。特に2026年稼働予定の鶴ヶ島新工場は、センサ類など消耗品の生産自動化拠点として、原価率改善の切り札となります。また、質疑応答や注記によれば、アボット製品終了による244億円規模の売上減を、人工呼吸器や自社製デジタルヘルスソリューション(DHS)で補填する計画であり、高付加価値ビジネスへのシフトに伴う中途採用の活発化が予想されます。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
「単なる医療機器の提供から、データとAIを駆使した医療DXソリューション企業への変革」に魅力を感じていることを強調しましょう。特にアドテック社の買収によるグローバル展開の加速や、自社製品比率の向上(75%目標)といった戦略的な意思決定に対し、自身の専門性がどう貢献できるかを具体的に語るのが効果的です。
面接での逆質問例
・「生成AIの導入による年間140万時間の効率化が目標ですが、具体的に現場のどのような業務がクリエイティブな仕事にシフトしていく想定でしょうか?」
・「アボット社製品の販売終了に伴い、国内の販売体制や注力製品であるDHS(デジタルヘルスソリューション)の市場浸透をどう加速させますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
マネジメントスキルが不足
典型的な年功序列のメンバーシップ型の体制のため、年齢で出世した管理職のマネジメントスキルが不足している。
(40代後半・プロジェクトマネージャー・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 日本光電工業株式会社 2026年3月期 第2四半期決算説明会資料(2025年11月10日発表)
- 日本光電工業株式会社 2026年3月期 第2四半期決算短信(2025年11月10日発表)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。