2022年08月30日
文具、事務機器、オフィス家具等の製造・販売を手がけるコクヨへの転職。中途採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として評価されるので、事前にしっかり対策をして転職を成功させましょう。
1905年の創業から110年以上の歴史を刻む、総合文具メーカーのコクヨ。「空間価値ドメイン」「ビジネスサプライドメイン」「グローバルステーショナリードメイン」の3つの事業領域のもと、文具や事務機器、オフォス家具等の製造・販売を手がけています。1975年に発売された「キャンパスノート」は、今なお、あらゆるシーンで使われている同社を代表するロングセラー商品です。
そんなコクヨの口コミから見えてくるのは、堅実で安定を重んじる社風です。「誠心誠意、製造販売することで信を得る創業者の教えは伝統として守られている」「良い意味でも、悪い意味でも、安定志向」などのコメントがそれを表しているでしょう。長い歴史のなかで人を大事にする家族的な企業風土が築かれ、「社内の雰囲気は和やか」「組織的に人を育てる風土がある」といった声が多く聞かれます。
仕事面に関しては、「目に見える形となってオフィスができるのでやりがいは非常に大きい」「文具を買って使っていただけることにやりがいを感じる」などの声が聞かれ、仕事の成果を実際に目にできることがモチベーションアップにつながっているようです。一方で、「オフィス家具部門に配属されると休日出勤と残業のオンパレード」という口コミもあり、部署によっては多忙な状況も垣間見えます。
中途社員に対する期待も大きく、「中途採用が多く、今の経営陣はほとんど中途採用で来た人」といったコメントも。また、女性社員の管理職登用や子育てとの両立など、女性活躍に向けた取り組みもおこなわれています。そのほか、コアタイムのないフレックスタイム制度や、機能の異なる複数のワークスペースが用意されたオフィスなど、働く時間や場所を社員自らが考えて選択できる環境の提供は、「個の創造性」を大事にする企業マインドの表れだと言えるでしょう。
総じて、堅実で安定を重んじながら、変化に対する柔軟性も持ち合わせた社風が特徴のコクヨ。こうした社風のなかで、主体的に価値創造できる人材であることを伝えられるとよいでしょう。
口コミ情報等によると、書類選考の後、3回程度の面接を経て内定となるようです。同社の新卒採用サイトには、建築系職種の「意匠・実施設計」に応募の場合、書類選考後のグループワークと実習選考を経て、最終面接がおこなわれると記載されており、中途採用の選考フローもこれに準ずる可能性があります。
コクヨでは現在、転職エージェントを通じて社内SEの募集がおこなわれています。選考フローは、上記とは多少異なる場合がありますので、注意してください。
オーソドックスな質問が多いようです。自己分析をおこなったうえで、「志望動機」や「入社のビジョン」等をしっかりと言語化しておくことをおすすめします。
なかには、「どのように組織を改革していきたいか」というように、主体的な関わりについて問われた人も。また、同社は近年グローバル展開を加速させているため、部署や職種によっては英語力が必要となります。英語が必要となる場合には、自分の英語力がどの程度なのかを具体的に伝えられるようにしておいてください。
面接官は和やかな雰囲気のなか、丁寧に話を聞いてくれる場合が多いようです。ただ、大阪に本社を置くため、関西弁がきつく感じられたり、話のテンポに圧迫感を感じたという面接経験者もいます。そうした展開に動じないためにも、事前準備をしっかりとおこない、当日は落ち着いて対応できるようにしましょう。
コクヨは2015年、企業としてのありたい姿を再定義しました。それは、時代の変化を受けて、これまでの「モノ価値の提供」から「コト価値の提供」へと、企業として大きく舵を切ったことを意味します。
〜ありたい姿〜
コクヨ コーポレートサイトより
これをベースにおきながら、2030年には売上高4500~5000億円を達成すべく、既存事業の収益性強化に加え、グローバル領域や新規領域を開拓していく方針です。それに向けて策定された戦略が、2019年〜2021年を対象とした「第2次中期経営計画」です。重点方針として、「メリハリを意識したスマートな稼ぐ力の向上」「中⾧期事業成⾧を前提とした効率的な事業運営」の二つをあげています。
コクヨ 第2次中期経営計画資料より
具体的には、モノ視点から将来の顧客ニーズの変化を捉えたコト視点へ転換するため、3つの事業ドメインを設定し、よりメリハリのある投資やリソース配分をおこなうとしています。また、こうした戦略を実効性あるものにするための人事制度として、会社と個人が方向性ややりたいことをすり合わせる「対話型の目標設定」や、それに対応した評価および等級制度が導入されました。つまり、こうした変化の局面を楽しみながら、会社とともに成長できる人材が求められていると言えます。面接にあたっては、このドメイン編成が意味するところを理解し、個の創造性を発揮しながら主体的に行動できる人材であることを伝えたいところです。
コクヨ 第2次中期経営計画資料より
面接では、「なぜコクヨなのか」という問いに対する回答が重要視されます。したがって、この問いに対しては、説得力をもって答える必要があります。
面接官はこの質問によって、「応募者がどんな仕事をしたいのか」「それがここで実現できるのか」「社風にフィットした人材か」を確かめると同時に、応募者がしっかり企業研究をしたうえで応募しているかを確認します。業界や職種の魅力だけでなく、コクヨでしか実現できないことを見つけ出し、「コクヨである理由」を伝えることが大切になります。
そのためには、以下のような競業他社についても徹底した研究をおこなうことが必要でしょう。
コクヨが目指している方向性や、求める人材が分かってきたのではないでしょうか。
創業から110年以上の歴史を持つコクヨは、堅実で安定を重んじる社風だといいます。しかし、時代の変化を受け、これまでの「モノ価値の提供」から「コト価値の提供」へと、企業としての方向性を大きく転換させました。長い歴史のなかで培われた家族的な社風を大事にしながら、変化に対する柔軟性を持って、主体的に行動できる人材であることが望まれます。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
コクヨの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
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