0 編集部が注目した重点ポイント
① 次世代決済基盤の商用稼働を開始する
KDDIグループ(auフィナンシャルサービス)と共同開発した次世代決済プラットフォーム「NESTA」が2025年12月より稼働を開始しました。年間数兆円規模の通信料金決済を支える安定したデータ処理を実現しており、今後はグループ外への外販も推進されます。エンジニアやPMにとって、国内最高水準の決済インフラ開発に携わる大きなキャリア機会となります。
② デジタル支援の新会社を始動させる
2025年度より、マーケティングAIやEC支援を統合した新会社「DGビジネステクノロジー(DGBT)」が本格始動しました。決済を軸としたバリューチェーン全体を支援する体制へ移行しており、AI検索最適化(GEO)などの先端技術を用いた新規事業が次々と立ち上がっています。既存の決済事業に留まらない、デジタルマーケティング×テクノロジー領域での活躍の場が広がっています。
③ りそなHDとの資本業務提携を深める
2025年9月にりそなホールディングスが同社株式を追加取得し、保有割合が約31%まで上昇、持分法適用関連会社となりました。これにより金融グループの強固な顧客基盤を活用したBaaSやデジタル金融事業への本格参入が予定されています。スタートアップの機動力と大手金融の信頼性を掛け合わせた、非連続な成長フェーズにあると言えます。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明資料 P.11
収益
32,284百万円
+17.1%
税引前利益
4,559百万円
黒字転換
基礎事業利益※
3,608百万円
+17.2%
※基礎事業利益 = 投資関連収益および一過性の損益要因を除いた経常的な事業収益から算出された利益指標。
2026年3月期第3四半期の累計実績は、主力の決済プラットフォーム事業の拡大に加え、前年同期に計上した投資有価証券の評価損の反動により、税引前利益が45.6億円と大幅な黒字に転換しました。また、グループが重視する経営指標である「基礎事業利益」も前年比17.2%増と、本業の収益力が着実に向上しています。
通期予想については具体的な数値開示はないものの、収益基盤であるプラットフォームソリューション部門の増益を見込んでおり、進捗は概ね順調と判断されます。特に、第4四半期からはKDDIグループの通信料金決済がフル寄与するため、さらなる取扱高の積み上げが期待されるポジティブな状況です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明資料 P.14
プラットフォームソリューション(PS)
【事業内容】
国内最大級のマルチ決済プラットフォーム「DGFT」を軸に、金融領域特化のデジタルマーケティングを展開。
【業績推移】
収益は183億円(前年比12.0%増)、利益は67億円(4.7%増)。決済取扱高は13.5%増の6.4兆円へ拡大。
【注目ポイント】
一過性収益の反動を除くと利益成長率は実質+12%と力強い推移です。KDDIグループとの「NESTA」稼働や、イオングループとのマーケティング提携など、大手アライアンスとの共同事業が加速しており、大規模なシステム設計やパートナーシップ構築のスキルが非常に高く評価される環境です。
ロングタームインキュベーション(LTI)
【事業内容】
カカクコムとの連携や、不動産・飲食業界向けSaaSなどの次世代戦略事業を開発・育成。
【業績推移】
収益は102億円(0.3%増)、利益は20億円(25.5%増)。新規事業の収益化により大幅増益。
【注目ポイント】
「アプリペイ」や「Musubell」といった新規事業群が成長フェーズに移行し、事業損失が大幅に縮小しています。特にアプリ外課金プラットフォームは法改正を追い風に急拡大しており、法規制をチャンスに変えるプロダクトマネジメントや、バーティカルSaaSのグロース経験者が渇望されています。
グローバル投資インキュベーション(GII)
【事業内容】
国内外の有望なスタートアップへの投資・育成、およびDGグループ内事業との連携支援。
【業績推移】
収益23億円、利益5.5億円。前年同期の赤字から円安や評価額増加により黒字回復。
【注目ポイント】
中期経営計画に基づき、投資資産の圧縮(オフバランス化)を推進中です。単なる投資に留まらず、投資先技術を自社プロダクトへ実装する「事業共創」を強化しています。米国等の先端スタートアップとのパイロットプロジェクトも進行しており、グローバルな技術トレンドを実務に落とし込める人材に最適です。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年3月期 第3四半期 決算説明資料 P.22
デジタルガレージは、2030年のキャッシュレス決済比率目標に向け、決済インフラを基盤としたデータビジネスへの変革を急いでいます。今後の成長の柱となるのは、「次世代AI(GEO等)」と「デジタル金融(BaaS)」の2軸です。
注目すべきは、りそなHDやJCBと共同で進めているステーブルコイン(法定通貨に連動する暗号資産)の社会実装です。実店舗での実証実験も予定されており、ブロックチェーン技術を既存の金融システムに統合できるエンジニアや法務人材にとって、国内で最も挑戦的なプロジェクトが動いています。
また、DGBTを通じたAI検索最適化サービスの展開など、これまでのSEOに代わるAI時代の集客支援をいち早く市場投入しており、技術リソースやR&Dへの投資を積極化しています。中長期的な成長に向けて、人財投資を吸収しながらも増益を達成する「強固な経営体力」がある点は、求職者にとって安心材料と言えるでしょう。
4 求職者へのアドバイス
志望動機のヒント
同社は今、「単なる決済代行」から「データとAIを駆使したデジタル金融プラットフォーム」への第二の創業期にあります。特にりそなHDやKDDIといった巨大インフラ企業とのアライアンスを成功させ、日本のキャッシュレス化を牽引する社会的重要インフラを創るという視点は、高い志を持つ求職者にとって強力な志望動機になります。また、GEO(AI検索最適化)のような「市場そのものを定義する」ような先端領域に触れたいという意欲も歓迎されるでしょう。
面接での逆質問例
- 「りそな銀行とのSME向けBaaS事業において、決済データからどのような新しい金融体験(融資判断の迅速化など)を創出しようと考えていますか?」
- 「エージェンティックコマース(AIが自ら選んで決済する時代)を見据えた際、開発チームに求められるスキルセットは従来のEC/決済開発とどう変わるとお考えですか?」
- 「スマホソフトウェア競争促進法の施行により、アプリペイへの需要が急増しているとのことですが、グローバル展開における最大の技術的・法的障壁は何だと認識されていますか?」
5 転職者が知っておきたい現場のリアル
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料:
- 株式会社デジタルガレージ 2026年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕
- 株式会社デジタルガレージ 2026年3月期 第3四半期決算説明資料



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