2021年06月21日
キッチンなどの水回り製品とドアやインテリアなどの建材製品メーカー大手、LIXILへの転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるのでしっかりと対策しましょう。
LIXILグループの中核事業会社であるLIXILは、2011年にトステム株式会社・株式会社INAX・新日軽株式会社・サンウエーブ工業株式会社・東洋エクステリア株式会社の5社統合によって誕生した会社です。LIXILグループとしては100年以上の長きにわたりブランドを展開。2020年現在、150を超える国と地域に約270社のグループ会社があり、グローバルに製品やサービスを提供しています。
LIXILグループの事業分野は大きく6つに分かれていますが、同社はウォーターテクノロジー、ハウジングテクノロジー、ビルディングテクノロジー、住宅・サービスの4つを展開。住宅やビルなどの建材やキッチン、トイレなどの設備機器の開発・製造と販売を行っています。
複数の会社が統合して誕生したという背景からもわかるように、さまざまなバックグラウンドをもつ人々が集まっている会社です。実際に働く社員の口コミからも、「統合の名残を感じることがある」「真逆の社風がうまく融合してきた」といった声が聞かれます。また、経営者の交代による方針の変更もあるため、さまざまな企業文化が混在し変化しつづけている社風といえるでしょう。このような環境において、力を発揮できる人材であると採用面接では伝えることが大切です。
選考は、書類通過後、適性検査と2回の面接で構成されています。公式ホームページでは選考の詳細は公開されていませんが、実際に選考を受けた方の口コミによると適性検査は性格診断だけのこともあるようです。また、英語での質問もあるようなので、そのつもりで準備をしておきましょう。
一次面接官は、応募先部署の責任者と人事担当者が行うことが多いといえます。部署や選考の時期、ポジションによって異なるようですが、二次面接官は社長だったという口コミもありました。どなたが面接官であっても、しっかりと自分の言葉で伝えられるよう考えを整理しておきましょう。
中途採用は人材紹介会社を通じて行われており、求人についてもそちらで確認することができます。現在募集中の職種は、研究開発、社内システムエンジニア(SE)、ソフトウェアエンジニアなどの技術職です。研究開発といっても、水回り設備機器の機構技術開発や商品見積システムのサービス企画、電装デバイスの企画構想・開発など多岐にわたります。仕事内容や応募条件など詳細を確認し、ミスマッチのないように注意しましょう。
面接内容は一般的な内容が大半を占めています。特に、「前職を選んだ理由」「転職を希望する背景」「志望動機」「入社して実現したいこと」「職務経歴や実績」などについて自分の意見をまとめ、意見の根拠を深く分析しておくと安心です。
また、「売上目標の達成を強く求められることになると思うが問題ないか」という質問など、忍耐力があるかを見極めているような質問をされることがあります。高い目標に向かって努力し続けることができる方や、プレッシャーのある環境ほど力を発揮できる方は、そのような環境でどのように結果に繋げたのか、具体的なエピソードを整理しておくことが大切です。
面接は雑談をするような穏やかな雰囲気で行われることが多いようなので、安心して臨みましょう。
2019年にNew Management Plan 新経営計画を発表しました。これは、2020年から2024年までのLIXILグループ全体の計画を示しています。
まず、基本理念として掲げられているのは「DIVERSITY」「BEYOND」「TEAM LEADERSHIP」の3つですが、注目したいのは「TEAM LEADERSHIP」です。多様なマネジメントスタイルの尊重やビジネスリーダーへの権限移譲を掲げています。つまり中途入社の方は、面接の際にこれまでに培ってきた経験を活かし、どのようなリーダーシップを発揮し貢献できるのかを伝えることが、とても大切なポイントといえるでしょう。
また、ビジネス戦略の方向として見受けられるのは、海外における施策の強化です。実際に働く社員の口コミにも、グローバル展開に伴い、英語などの語学力が評価されていると感じるというものがありました。面接は英語での質問もあるようなので、語学力に自信のある方はその点もしっかりアピールするとよいでしょう。
出典:LIXIL公式ホームページ 新経営計画より
面接で必ずといっていいほどよく聞かれる質問のひとつに「なぜLIXILなのか」というものがあります。面接官がこの質問を通して知りたいことは、「入社後なにをしたいのか」「経験やスキルをどのように活かしたい、活かせると考えているのか」など、本人の志向です。それと同時に、「募集しているポジションにマッチするかどうか」や、「業界や職種、会社についてどの程度理解しているのか」を見極めているといえます。
面接の前には、上記のような質問の意図を自分なりに想像し、考えを整理しておきましょう。また、会社理解を深めるにあたって、競合となる他社も含めた業界研究が不可欠です。具体的には、以下のような企業について調べておくとよいでしょう。
●パナソニック株式会社
●TOTO株式会社
●YKK AP株式会社
●クリナップ株式会社
ここまで、LIXILの社風や選考内容、経営計画について説明してきました。これらを通じて、同社の目指している方向性や求める人物像について理解が深まってきたのではないでしょうか。
同社の場合は、「さまざまな企業文化が混在し変化しつづけている環境において、リーダーシップを発揮できる人材」が求められているといえます。自分がそうであると伝えるためには、具体的なエピソードを準備しておくことが大切です。また、経営計画や企業理念を理解したうえで、どのように貢献できるのかについてもまとめておくとよいでしょう。
以下では、実際にあった面接内容をご紹介します。これらの質問を参考に、自分であればどのように回答するべきかをしっかりとイメージして準備をすすめましょう。
採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●「さまざまな企業文化が混在し変化しつづけている社風」において、リーダーシップを発揮できる人材であるとアピールする。
●経営方針を理解してこれに沿った自己分析を行い、自己PRへとつなげる。
●競合他社についての理解を深め、「なぜLIXILなのか」に対する答えを明確にしておく。
これらについてしっかりと準備し、面接当日は自分の言葉で入社意欲をしっかりとアピールすることを心がけましょう。
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