2021年06月21日
日本のホテル御三家と称され、高級ホテルの草分け的存在である帝国ホテル。中途採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として評価されるので、事前にしっかり対策をして転職を成功させましょう。
1890年、日本の迎賓館として東京・日比谷に開業した帝国ホテル。ランドリーサービスやウェディングサービス、バイキング形式のレストランなど、今では当たり前となったサービスを日本で初めて取り入れたホテルとしても知られています。また、帝国ホテル東京には、賃貸オフィスとショップテナントがあり、その家賃収入が売上の大きな柱となっています。
日本の高級ホテルの草分け的存在である帝国ホテルでは、重要な国際会議が開催されることも多く、VIPや海外からの宿泊客も多く訪れます。口コミにも、「富裕層やVIP、国賓の応対も出来るため仕事に誇りを見いだせる」「海外の方が多くて毎日とても刺激的」「多様な顧客から学べることが多い」などのコメントが見られました。一方で、クレーム対応や不規則な勤務時間などに対する不満の声が聞かれるのも事実です。そうしたマイナス要因があったとしても、「接客を本気で仕事にしたい人にはオススメ」という口コミのように、一流の接客スキルを磨くには最高の舞台であると言えるでしょう。
一方、組織風土に目を向けてみると、「年功序列」「学歴重視」「安定志向」といったキーワードが並び、保守的な風土であることがうかがえます。こうした社風がフィットするかどうかは、個人の考え方や行動によるところが大きいですが、採用側が見極めたい重要なポイントとなるでしょう。
面接にあたっては、保守的な社風を理解すると同時に、伝統と格式ある帝国ホテルにふさわしいサービスとは何なのか、そのために自分ができることは何なのかを整理しておく必要があります。
コーポレートサイトに選考フローに関する記載はありませんが、口コミ情報等によりますと、応募後は書類選考を経て、筆記試験と複数回の面接をおこなうのが一般的です。なかには、簡単な英語面接を受けたという情報もありますので、準備をしておいたほうがよいでしょう。
中途採用の場合、東京社員と大阪社員という地域限定の無期雇用社員での雇用形態となります。勤務地は、東京社員の場合は帝国ホテル東京、大阪社員の場合は帝国ホテル大阪です。それぞれ、応募窓口が異なりますので注意してください。詳細は、同社のリクルートサイトで確認しておきましょう。
奇をてらった質問は少なく、「志望動機」や「キャリアビジョン」といったオーソドックスな質問が中心となります。特に、「なぜサービス業なのか」「なぜホテル業界なのか」「どんなホテルマンになりたいのか」という点は掘り下げて考えておく必要があるでしょう。
また、海外からの宿泊客が多いため、英語をはじめとした語学スキルも問われます。英語のほかにも、特筆すべき語学スキルがあれば、積極的にアピールしたいところです。
さらに重視されるのが、身だしなみやコミュニケーション力といった接客に直接かかわる要素です。清潔感のある服装や髪型はもちろん、立ち居振る舞いや表情、言葉の選び方にも気を配る必要があります。ある面接経験者は、「人事の方は笑顔や、他の人が話をしている時の気遣いなどを見ていると思う」と振り返っていますので、参考にしてみてください。
和やかな面接官が多いようですが、場合によっては、圧迫的な雰囲気となることもあります。ホテルという業界柄、ストレス耐性や臨機応変な対応力は必要不可欠ですので、笑顔を忘れずに落ち着いた対応を心がけたいものです。
帝国ホテルでは、理念を堅持しながら成長を続けていくために、「中期経営計画2020」を策定しています。「人口減少による国内マーケット縮小と労働力人口減少」「ホテルの競争激化」「価値観・消費マインドの変化」という事業環境を踏まえ、下図の4つを重点課題に設定しました。
出典:帝国ホテル 公式サイトより
「安全性の追求」では、顧客の安全・安心を守るために、食品衛生、災害時対応、建物・設備の安全性維持などへの取り組みを徹底していきます。また、企業としての健全性を追求する観点から、コンプライアンス・内部統制・ガバナンスなどの取り組みを強化する方針です。
「帝国ホテルブランドの向上」では、これまで培ってきた質の高いサービスを継承すると同時に、帝国ホテルグループ全体における基本教育の拡充、スキルとノウハウの体系化に取り組み、ブランド価値のさらなる向上を目指します。また、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みをさらに発展させる方針です。
「顧客満足の追求」では、マーケティングの強化と新規顧客の開拓とともに、顧客の期待を上回るサービスの提供やライフイベントを捉えた商品開発などによって、顧客満足度を向上させたいとしています。
最後に、「イノベーションへの挑戦」として、新規事業の展開などを通じた経営基盤の強化と、業務のスリム化・IT活用・組織再編等による生産性の向上を目指します。
ホテル業界は新型コロナウイルスの影響による事業環境の変化が大きいため、今後は戦略の修正も考えられます。現時点での戦略を把握したうえで、今後の動向を注視しつつ、中期的な方向性を見据えて、自己分析をおこなってみてください。
選考を通じて聞かれる質問のひとつに「なぜ帝国ホテルなのか」というものがあります。面接官はこの質問により、「入社への熱意」「社風にフィットした人材か」「これからの帝国ホテルの方向性に合致した人材か」といった点を判断します。
この質問に答えるためには、同社の事業内容や中期経営計画などを理解するとともに、同業他社についても情報収集をおこなう必要があります。事業についてはもちろん、組織文化や風土、目指す姿にそれぞれ違いがあることがわかるでしょう。
例えば、以下のようなホテルについて情報収集をおこない、理解を深めておいてください。そして、「なぜ帝国ホテルで働きたいのか」について、自信をもって語れるよう準備をすすめましょう。
帝国ホテルが目指している方向性や、どういった人材が必要とされているのかが見えてきたのではないでしょうか。
日本の高級ホテルの草分け的存在である帝国ホテル。常に最高のサービスを提供することを目指してきた同社の従業員には、一流ホテルマンとしての気概と誇りがあります。面接では、顧客満足度の追求と帝国ホテルのブランド価値の向上に向けて、どんな貢献をしていきたいのかを伝えられるようにしましょう。そのためには、具体的なエピソードを準備しておくことをおすすめします。
ここからは、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。自分ならどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策してください。
帝国ホテルの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
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