【平均年収1335万円】アサヒグループホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

【平均年収1335万円】アサヒグループホールディングス 転職ガイド:知っておきたい給与と業績(2025年12月期)

アサヒグループホールディングスは、アサヒグループジャパン、アサヒクオリティーアンドイノベーションズなどを傘下に持つ純粋持株会社です。酒類、飲料、食品、薬品を主軸にグローバルに事業を展開し、直近の会計年度では減収減益となりました。


目次

※本記事は、アサヒグループホールディングス株式会社 の有価証券報告書(2025年12月期、2025年1月1日 ~ 2025年12月31日、2026年7月27日 提出)の開示情報に基づき作成しています。会計基準は IFRS です。

1. 企業概要:どんな会社?


アサヒグループホールディングスは純粋持株会社であり、単体従業員数は328名、グループ連結従業員数は28,560名です。

同社グループは、酒類、飲料、食品、薬品の製造・販売を主軸に、日本・東アジア、欧州、アジアパシフィックの各地域でグローバルに事業を展開しています。連結子会社196社を中心に、幅広い製品とサービスを提供しています。

主な国内グループ会社は、アサヒグループジャパン(日本・東アジア)、アサヒクオリティーアンドイノベーションズ(その他)などです。

同社グループは、2025年度中間連結会計期間より報告セグメントを「日本・東アジア」、「欧州」、「アジアパシフィック」に変更しました。また、サイバー攻撃によるシステム障害や外食事業からの撤退が業績に影響を与えました。

2. 給与と働き方:どんな環境で働く会社か?


アサヒグループホールディングスは純粋持株会社として、グループ全体の経営戦略を担い、人的資本の高度化を重要な経営課題と位置付けています。同社グループは、社員と会社が共に成長できる企業風土の醸成や、経営者人材の育成に力を入れています。多様な人材が活躍できる環境づくりを通じて、持続的な企業価値向上を目指す方針です。

■(1) 給与水準と在籍傾向:平均年間給与・勤続年数・年齢


同社は、平均年齢が44.9歳、平均勤続年数が13.6年となっており、比較的落ち着いた年齢構成と長期的なキャリア形成が可能な環境であることがうかがえます。従業員の定着を重視し、安定した働き方を支援する傾向が見られます。

なお、同社は持株会社であり、傘下の関係会社は以下のデータと同水準とは限りません。各社の求人情報や口コミサイト等を別途参照してください。

項目 数値
平均年間給与 13,351,606円
平均勤続年数 13.6年
平均年齢 44.9歳
単体従業員数 328人
連結従業員数 28,560人
単体のグループ内比率 1.1%


退職給付制度

同社グループは、確定給付制度と確定拠出制度の両方を採用しています。確定給付制度は、給与や勤続年数に応じて将来の給付額が決まる制度であり、確定拠出制度は、会社が拠出した資金を従業員が運用する制度です。

従業員給付の適用範囲は、国内および海外のグループ会社を含みます。退職一時金制度があり、就業規則による退職金規程で定められた内容に基づき支給されます。

なお、退職給付債務は818億円、年金資産は1,274億円となっています。

■(2) 人材戦略と報酬制度:育成方針と給与の決め方


アサヒグループは、『中長期経営方針』において、戦略基盤強化に向けた人的資本の高度化を掲げています。これにより、事業ポートフォリオとコア戦略の実効性を高めることを目指しています。人材戦略は経営課題と位置づけられ、経営戦略会議で議論され、取締役会へ報告されています。

役員報酬は、同社グループの持続的な成長と中長期の企業価値向上、サステナビリティと経営の統合を図るための重要な手段とされています。社内取締役(執行役兼務)および執行役の報酬は、基本報酬、年次賞与、株式報酬で構成されています。株式報酬は、3年間の業績評価に応じて同社株式を交付する業績連動型株式ユニット制度を導入しており、サステナビリティと経営の統合を目指し、業績評価の20%を社会的価値指標の比重として設定しています。

人材戦略の具体的な取り組みとして、「ありたい企業風土の醸成」、「継続的な経営者人材の育成」、「必要となるケイパビリティの獲得」の3つを策定しています。これらの取り組みを通じて経営基盤を強化し、競争優位の源泉となる「人的資本の高度化」を実現する方針です。

「ありたい企業風土の醸成」では、「セーフティ&ウェルビーイング(S&W)」、「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)」、「学習する組織」、「コラボレーション」の取り組みを推進しています。また、「継続的な経営者人材の育成」では、グローバルリーダーシップコンピテンシーモデル(GLCM)に基づいた育成プログラムや、キーポジションを担う人材を対象とした「グローバルタレントレビュー」を実施しています。さらに、「必要となるケイパビリティの獲得」として、「デザイン思考を通じた成長」など5つの優先ケイパビリティを特定し、その強化に向けたプログラム開発を進めています。

■(3) 人的資本データ:多様性と働き方に関する指標


有価証券報告書の法定開示項目および任意開示指標を示します。各指標は、女性活躍推進法・育児介護休業法に基づく法定開示と、同社が独自に開示している任意指標から構成されています。

法定開示


提出会社単体の法定開示データです。男性労働者の育児休業取得事由に該当する労働者はおりません。労働者の男女の賃金の差異は、女性活躍推進法に基づき、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を示しています。なお、同一労働の賃金に差はなく、等級別人数構成の差によるものです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 28.9%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 58.6%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) 59.5%
労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) 54.0%

連結子会社の法定開示


主要事業会社3社の数値のみ掲載します。

▼ アサヒグループジャパン

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 25.8%
男性労働者の育児休業取得率 77.8%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 89.7%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) 90.1%
労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) 84.4%


▼ アサヒビール

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 10.4%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 77.7%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) 84.2%
労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) 68.1%


▼ ニッカウヰスキー

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 7.0%
男性労働者の育児休業取得率 100.0%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 60.9%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) 61.7%
労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) 77.2%

グループ全体(連結)


提出会社および国内連結子会社10社の指標を集約したものです。

指標 数値
管理職に占める女性労働者の割合 15.7%
男性労働者の育児休業取得率 81.7%
労働者の男女の賃金の差異(全労働者) 70.9%
労働者の男女の賃金の差異(うち正規雇用労働者) 75.7%
労働者の男女の賃金の差異(うちパート・有期労働者) 68.9%

ありたい企業風土の醸成(エンゲージメント)

指標 数値
「持続可能なエンゲージメント」スコア 81

ありたい企業風土の醸成(DE&I)

指標 数値
経営層の女性比率 25%

ありたい企業風土の醸成(S&W)

指標 数値
セーフティ&ウェルビーイング対話の実施(総労働時間2,000時間当たり) 1.7回
Stop for Safety and Well-beingワークショップの参加率(日本) 83%
Stop for Safety and Well-beingワークショップの参加率(欧州) 83%
Stop for Safety and Well-beingワークショップの参加率(アジアパシフィック(オセアニア)) 87%
Stop for Safety and Well-beingワークショップの参加率(アジアパシフィック(東南アジア)) 83%
重大事故につながるリスクの特定及びリスク評価の実施、改善計画策定(改善投資 計画比) 152%
監査計画の策定及び計画の実行(計画の実行率) 98%
LTIFR 1.64

3. 事業の構造:どんなビジネスをしている会社か?


アサヒグループホールディングスは、酒類、飲料、食品、薬品の製造・販売を主軸とするグローバルな事業を展開しています。地域統括会社を基盤とした経営体制を構築し、各地域の特性に合わせた戦略を実行することで、多岐にわたる製品とサービスを提供しています。

■(1) 事業内容と収益モデル:何で利益を上げているか


同社グループは、酒類、飲料、食品、薬品の製造・販売を主要な収益源としています。各地域統括会社がそれぞれの市場で事業を展開し、プレミアム戦略やマルチビバレッジ戦略を推進することで、持続的な成長と企業価値向上を目指しています。海外での事業展開も活発であり、為替変動が業績に影響を与えることもあります。

日本・東アジア

このセグメントでは、酒類、飲料、食品、薬品の製造・販売を行っています。主力ブランドの強化や高付加価値商品の展開を通じて成長基盤を拡大しています。収益は、ビール類、低アルコール飲料、焼酎、洋酒、ワイン、各種飲料、ベビーフード、菓子、フリーズドライ食品、サプリメントなどの販売から得ています。運営は、アサヒグループジャパン、アサヒビール、ニッカウヰスキー、エノテカ、アサヒ飲料、カルピス、アサヒグループ食品などが担っています。前期と比較して売上収益、営業利益ともに減少しました。

欧州

欧州セグメントでは、酒類の製造・販売が中心です。プレミアムビールやビールテイスト飲料の強化、グローバルブランドの拡大展開により、認知度向上を図っています。収益は、チェコ、ポーランド、イタリア、ルーマニア、西欧などで製造・販売されるビールなどの酒類から得ています。運営は、Asahi Europe & International Ltdが地域統括会社として、Kompania Piwowarska S.A.、Ursus Breweries SA、Dreher Sörgyárak Zrt.、Birra Peroni S.r.l.、Koninklijke Grolsch N.V.などが製造・販売を担っています。売上収益は微増、営業利益は増加となりました。

アジアパシフィック

アジアパシフィックセグメントでは、酒類と飲料の製造・販売を行っています。ビールの主力ブランド強化に加え、高付加価値なRTD(Ready To Drink)の展開によるプレミアム化を推進しています。収益は、オーストラリアやニュージーランドでの酒類、マレーシアを中心とした東南アジアでの飲料や乳製品の製造・販売から得ています。運営は、Asahi Beverages Pty Ltdが地域統括会社として、CUB Pty Ltd、Asahi Beverages (NZ) Limited、Asahi Lifestyle Beverages、Etika Beverages Sdn. Bhd.、Etika Dairies Sdn. Bhd.などが担っています。売上収益は微増でしたが、営業利益は減少しました。

その他の事業セグメント

このセグメントには、報告セグメントに含まれない事業が含まれます。グループの持続的な発展につながる中長期的な研究、アニマルニュートリションや農業・緑化分野における製品・サービスの提供、スタートアップ投資ファンドの運営、グローバル調達に関する戦略立案と管理などを行っています。売上収益、営業利益ともに増加となりました。

セグメント 売上収益(2024年12月期) 売上収益(2025年12月期) セグメント利益(2024年12月期) セグメント利益(2025年12月期) 利益率
日本・東アジア 1兆3,781億円 1兆3,272億円 1,336億円 626億円 4.7%
アジアパシフィック 7,828億円 7,832億円 813億円 632億円 8.1%
欧州 7,628億円 7,682億円 708億円 794億円 10.3%
その他の事業セグメント 265億円 267億円 38.4億円 42.8億円 16.0%

■(2) 業績トレンド:直近の売上・利益の推移


同社グループの業績は、過去5年間で売上収益と利益が変動しています。直近の会計年度では、売上収益は前期から減少に転じ、税引前利益および当期利益も大幅な減少となりました。これは、サイバー攻撃によるシステム障害が日本における商品供給に制約を与えたことや、原材料関連費用の増加、物流費や人件費の増加などが影響しています。

項目 2021年12月期 2022年12月期 2023年12月期 2024年12月期 2025年12月期
売上収益 2兆2,361億円 2兆5,111億円 2兆7,691億円 2兆9,394億円 2兆8,947億円
税引前利益 1,998億円 2,060億円 2,419億円 2,670億円 1,793億円
税引前利益率 8.9% 8.2% 8.7% 9.1% 6.2%
当期利益 1,535億円 1,516億円 1,641億円 1,921億円 1,216億円
1株当たり当期純利益(円) 100.97 99.70 107.94 126.66 81.29

■(3) 収益性と生産性:1人あたりの稼ぐ力を見る


同社グループの従業員1人あたり売上収益(連結)は前期から減少しており、従業員1人あたり営業利益(連結)も減少しています。これは、連結売上収益および営業利益が前期から減少したことに起因しています。特に営業利益の大幅な減少が、従業員1人あたりの利益水準に影響を与えている状況です。

指標 2024年12月期 2025年12月期
従業員1人あたり売上収益(連結) 104.3百万円 101.4百万円
従業員1人あたり営業利益(連結) 9.5百万円 6.5百万円

4. 経営の安定性:どれくらい安心して働けそうか?


同社グループは、本業で資金を生み出しつつ、将来に向けた成長投資を積極的に行っている段階にあります。財務の安定性と成長への意欲がうかがえる状況です。

■(1) 財務基盤:自己資本と手元資金の厚み


同社グループの自己資本は当期に3兆31億円となり、前期から増加しています。自己資本比率は49.8%で、前期の49.4%からわずかに上昇しました。これはプライム市場の製造業平均である46.8%を上回る水準です。

ROE(自己資本利益率)は当期4.3%となり、前期の7.5%から低下しました。プライム市場平均の9.4%と比較すると低い水準となっています。

現金及び現金同等物は当期に1,564億円となり、前期の840億円から増加しました。これらの財務基盤は、事業運営における安定性を示す要素となります。

指標 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
自己資本 2兆6,688億円 3兆31億円
自己資本比率 49.4% 49.8%
ROE(自己資本利益率) 7.5% 4.3%
現金及び現金同等物 840億円 1,564億円

■(2) キャッシュフロー:事業・投資・財務の資金の流れ


同社グループのキャッシュフローを見ると、本業の稼ぎを示す営業活動によるキャッシュフローは、当期に1,048億円の収入となりました。これは税引前利益の計上や減価償却費等の非キャッシュ項目による増加があった一方で、法人所得税等の支払による減少があったためです。前期と比較すると収入は減少しています。

投資活動によるキャッシュフローは、当期に2,005億円の支出となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものです。前期と比較して支出が増加しており、積極的な投資が行われている状況を示しています。

フリーキャッシュフローは、当期に△957億円の支出となり、前期の2,851億円の収入からマイナスに転じました。これは営業活動によるキャッシュフローの減少と投資活動によるキャッシュフローの増加が影響しています。財務活動によるキャッシュフローは、当期に1,259億円の収入となり、前期の支出から増加しました。これは短期借入金の増加などがあった一方で、社債の償還による支出があったためです。これらの資金の流れは、同社グループが事業で得た資金を成長投資に充て、必要に応じて資金調達を行っている状況を示しており、将来の成長に向けた取り組みが雇用や給与の安定性につながる可能性があります。

項目 2024年12月期(前期) 2025年12月期(当期)
営業CF 4,037億円 1,048億円
投資CF △1,187億円 △2,005億円
財務CF △2,728億円 1,259億円
フリーCF(営業CF+投資CF) 2,851億円 △957億円

■(3) 事業リスクと雇用への影響:転職時に押さえたいポイント

① 継続企業の前提に関するリスク

継続企業の前提に関する特記事項はありません。

② 事業構造・収益性に関するリスク

同社グループは、日本の売上収益が約44.7%を占め、そのうちビール類が4割を超える状況です。人口減少や少子高齢化による消費量減少、原材料・エネルギー価格の高騰、インフレ、国内競争の激化により、収益性が損なわれる可能性があります。

また、海外事業は欧州、アジアパシフィックで売上収益の約53.6%を占めています。これらの地域での景気悪化、競争激化、消費者の嗜好変化などにより、売上収益の低下や利益率の悪化が生じるリスクがあります。

③ 人材・組織に関するリスク

同社グループは、グローバルな事業成長に伴う人材需要の増加や必要なスキルの変化・高度化により、多様で有能な経営幹部や一般社員の確保、育成、定着が難しくなるリスクを認識しています。これは中長期経営方針の戦略実行に影響を及ぼす可能性があります。

④ 雇用安定性・リストラ

解雇給付・リストラクチャリング引当金・構造改革費用の計上など、該当する記載はありません。

5. ビジョンと企業風土:どんな組織を目指している会社か?


アサヒグループホールディングスは、グループ理念「Asahi Group Philosophy」を共通の経営基盤とし、持続的な成長と企業価値向上を目指しています。人や社会、地球に対して果たすべき存在意義を明確にしながら、事業活動を行っています。

■(1) 経営理念とビジョン:会社はどこを目指しているか


アサヒグループホールディングスは、グループ理念「Asahi Group Philosophy(AGP)」を経営の基盤としています。2026年6月に改訂されたこの理念は、同社グループの存在意義「Our Purpose」、目指す姿「Our Vision」、そして共通の価値観と行動指針「Our Values」を明確に示しています。

中長期経営方針では、「おいしさと楽しさで“変化するWell-being”に応え、持続可能な社会の実現に貢献する」ことを長期戦略のコンセプトに掲げています。全てのステークホルダーとの共創による企業価値向上と持続的な成長を目指しています。

■(2) 企業風土:大切にしている価値観とカルチャー


アサヒグループホールディングスは、グループ理念「Asahi Group Philosophy(AGP)」の「Our Values(価値観)」を、意思決定や企業文化、働き方を支える共通の指針としています。同社グループは、事業・地域を横断した一体的な取り組みと、環境変化への対応力強化を目指しています。

DX戦略では「IT/データ活用の民主化」や「アジャイルな働き方」(柔軟性と迅速性を重視し変化に素早く対応する働き方)の浸透を推進しています。人的資本の高度化では、「ありたい企業風土の醸成」を掲げ、「セーフティ&ウェルビーイング」「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」「学習する組織」「コラボレーション」の取り組みを通じて、風土の具現化を図っています。

■(3) 経営課題と今後の重点テーマ


アサヒグループホールディングスは、中長期的な外部環境の変化に対応するため、サステナビリティと経営の統合をコア戦略として強化しています。各地域統括会社では、既存事業の持続的成長に加え、その事業基盤を活かした周辺領域や新規事業・サービスの拡大を目指しています。

具体的には、カーボンニュートラルなどの社会課題解決、サプライチェーン最適化、再生エネルギーの積極活用、循環可能な容器包装の展開、サステナビリティを重視した新価値提案、SCM改革などに取り組んでいます。また、健康・Well-beingカテゴリーの強化やスマートドリンキングの推進も重点テーマです。

6. 経営体制とガバナンス:誰がどう会社を動かしているか?


アサヒグループホールディングスは、経営における監督と執行の役割を明確化し、双方の機能を強化することを目指しています。そのため、2025年3月に指名委員会等設置会社に移行しました。

これにより、透明性の高い機関設計として、独立社外取締役が過半数を占める指名委員会、監査委員会、報酬委員会を設置しています。取締役会が高い実効性をもって経営陣を監督する仕組みを構築しているのが特徴です。

■(1) 株主構成:誰に支えられている会社か


同社グループの株主構成を見ると、信託銀行が上位を占めています。これは、年金基金や投資信託などの信託財産を管理する機関投資家が、同社グループの株式を多く保有していることを示しています。

特定の事業会社や創業家が筆頭株主として強い影響力を持つ資本構成ではありません。幅広い機関投資家によって支えられている状況です。

株主名 持株比率
日本マスタートラスト信託銀行(信託口) 18.44%
日本カストディ銀行(信託口) 7.50%
JPモルガン証券 2.42%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505001 2.36%
STATE STREET BANK AND TRUST COMPANY 505223 2.16%

■(2) 経営陣の経歴:どんな人たちが会社を率いているか


同社の役員は18名(男性10名・女性8名)で構成され、女性役員比率は44.4%です。代表執行役社長 Group CEOは勝木敦志氏が務めています。社外取締役比率は61.5%です。

氏名 役職 主な経歴
勝木 敦志 取締役 兼 代表執行役社長 Group CEO 1984年ニッカウヰスキー入社、2011年Asahi Holdings (Australia) Pty Ltd, Managing Director、2016年同社執行役員兼Asahi Holdings (Australia) Pty Ltd, Director, Group CEO、2021年同社代表取締役社長兼CEO、2025年3月より現職。
谷村 圭造 取締役 兼 執行役 Group CPO 1989年同社入社、2016年同社理事人事部門ゼネラルマネジャー、2017年同社執行役員人事部門ゼネラルマネジャー、2020年同社取締役兼執行役員CHRO、2025年3月より現職。
﨑田 薫 取締役 兼 執行役 Group CFO 1988年同社入社、2016年同社理事調達部門ゼネラルマネジャー、2018年同社執行役員調達部門ゼネラルマネジャー、2022年同社取締役兼執行役員CFO、2025年3月より現職。
福田 行孝 取締役 1986年東洋エンジニアリング入社、2001年同社入社、2015年同社執行役員財務部門ゼネラルマネジャー、2023年同社常勤監査役、2025年3月より現職。
大島 明子 取締役 1991年同社入社、2022年同社Strategy Senior Officer、2023年同社Executive Officer, Head of Internal Audit、2024年同社常勤監査役、2025年3月より現職。


社外取締役は、大八木成男氏(元帝人代表取締役社長CEO・取締役会議長)、佐々江賢一郎氏(公益財団法人日本国際問題研究所理事長・指名委員長)、大橋徹二氏(元株式会社小松製作所代表取締役社長兼CEO・報酬委員長)、松永真理氏(松永真理事務所代表・サステナビリティアドバイザリー委員会委員)、田中早苗氏(田中早苗法律事務所代表・監査委員長)、佐藤千佳氏(元日本電気ピープル&カルチャー部門Chief Diversity Officer・指名委員・報酬委員)、メラニー・ブロック氏(株式会社Melanie Brock Advisory代表取締役・サステナビリティアドバイザリー委員会委員)、宮川明子氏(宮川明子公認会計士事務所代表・監査委員)です。

同社は2025年3月に監査役会設置会社から指名委員会等設置会社に移行しています。これにより、独立社外取締役が過半数を占める指名委員会、監査委員会、報酬委員会を設置し、取締役会が高い実効性をもって経営陣を監督する仕組みを構築しています。

■(3) 役員報酬の仕組み:経営責任とインセンティブの設計


同社グループは、役員報酬を持続的な成長と中長期の企業価値向上の実現、サステナビリティの追求を図るための重要な手段と位置付けています。報酬は、持続的な成長と中長期の企業価値向上への動機付けを強化し、多様な能力を有する優秀な人材を確保し続けるために有効な水準であることなどを基本方針としています。

社内取締役(執行役兼務)および執行役の報酬は、基本報酬、年次賞与、株式報酬で構成されています。変動報酬の年収に占める比率を高めることを基本方針とし、2025年度からは業績連動型株式ユニット制度を導入しています。

区分 人数 総額 1人あたり平均
社外役員 9名 55百万円 6.1百万円
取締役(社外除く) 5名 4.8億円 95.8百万円
執行役 5名 3.6億円 71.4百万円
社外取締役 8名 1.6億円 20.1百万円


なお、人数は事業年度中に報酬の支給対象となった人数であり、期中に退任した役員を含みます。また、執行役に区分する報酬額は社内取締役に区分する執行役を兼務する取締役の報酬額を含めておりません。

個人別報酬が開示されている役員は、勝木敦志氏(2.53億円)、Drahomira Mandikova氏(1.14億円)です。

※本記事は、有価証券報告書などの公開情報から、転職・就職活動に役立つ情報をまとめたものです。内容の充実に努めていますが、掲載時点の情報であることをご留意ください。気になる点やご指摘があればお気軽にお知らせください。

この記事の執筆者

上場企業の有価証券報告書から、事業内容・業績推移・平均年収などの客観的データを抽出。求人票の裏側にある「企業のリアル」を、転職志望者の視点で分かりやすく解説します。