2021年06月21日
世界トップクラスのシェアを誇る、創業から40年以上の老舗独立系IT企業である図研への転職。採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われる他、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので事前にしっかり対策しましょう。
1976年設立の図研は、東証一部上場の総合ITソリューション企業です。エレクトロニクス設計ソリューションとオートモーティブ&マシナリー設計ソリューションを手がけており、身近な電気製品から自動車、人工衛星にいたるまで幅広いものづくりに貢献してきました。
プリント基板設計用CAD/CAMシステムは国内シェアNO.1、世界でもNO.2のシェアを誇っています。また、PLMシステムやワイヤーハーネス(WH)設計用システムにおいてもトップクラスです。
社員5名で始まった同社ですが、2019年3月末現在、従業員数は単体で400名を超え、海外にも13ヶ所の拠点を構えるほどに成長しています。実際に働く社員からは、「早くから仕事を任せてもらえる」「タフな人が多い」といった声が寄せられており、「風通しがよく個人の裁量が大きい社風」と言えるでしょう。採用選考では、このような環境にフィットし、実力を発揮できる人材であると伝えることが大切です。
選考は、書類選考と適性検査及び2回の面接で構成されています。
まず、一次選考では能力・適性検査としてSPI試験と面接が行われるようです。面接官は人事と応募先部署の課長または部長クラスが担当しています。二次選考(最終選考)は、公式ホームページによると役員が担当するとの記載がありますが、口コミによると人事課長や事業部長も同席しているようです。
2020年4月現在、募集中の職種は営業(セールス)・システムエンジニア(SE)・ソフトウェア開発の3種。それぞれ業務内容によって複数の求人に分かれています。例えば、営業はMBSE/MBDソリューション営業とEDAソリューション営業の2種類が募集中であり、応募資格や担当する製品は異なります。このように、システムエンジニアもソフトウェア開発も5種類ずつ求人が出されています。自身の希望する業務内容か、応募資格を満たしているかを確認して、マッチする求人へ応募することが大切です。
面接内容はほとんどが一般的な内容です。「転職を希望する背景」「志望動機」「入社して実現したいこと」「職務経歴や実績」などについて考えをまとめ、根拠を深く分析しておくと安心です。
中でも、「なぜ当社なのか」「どのように知ったのか」「知っている製品はあるか」など、企業研究の深さや志望に対する熱意を問うような質問もあるため、しっかりと対策しておきましょう。
また、「JavaScriptのバージョンを上げる際の注意点を説明してください」といったような、専門知識を問う質問もあるようです。営業職・技術職いずれの場合も、最低限の知識は頭に入れて面接にのぞむとよいでしょう。面接の雰囲気は穏やかなので、落ち着いて自分の考えを伝えてみてください。
図研の選考を受ける前には必ず新中期経営計画を理解し、同社の目指す姿を把握しておきましょう。
2019年4月から2022年3月までの新中期経営計画が発表されています。計画によると、2022年の目標売上高は320億円で年間平均伸び率は6.1%。営業利益は37億円で、2019年3月実績にプラス6.5億円を目指しています。
それでは、目標を達成するために掲げている3つの重点戦略について見ていきましょう。
出典:図研コーポレートサイトより
1つ目は、日本における新ワイヤハーネス(WH)など、最新ソリューションの導入です。そして2つ目は、データマネジメント製品の拡販。40年以上の歴史を持つEDA製品やWH製品、他社製品までも取り扱います。3つ目は、システム設計領域(MBSE)において「図研ビジネスモデル」を確立し、2022年には20億円規模の事業に成長させること。そのため、M&Aの強化やE/E+システム設計など既存ソリューションとの融合、そして専門人材の育成と獲得を目指しています。
つまり、モデルベースシステムズエンジニアリング(MBSE)やモデルベース開発(MBD)の分野に関するスキルやノウハウを持つ人は、積極的にアピールする必要があるのです。関連する領域のプロジェクトに携わった経験について、整理しておきましょう。また、国内ではNo.1のシェアを誇っているため、海外でどれだけシェアを伸ばせるかがカギとなります。35年以上前から海外に進出している同社ですが、口コミによると、現在グローバルに活躍できる人材はそれほど多くないようです。技術力と英語などの語学力はもちろん、海外での知名度アップやグローバル展開に貢献できるスキルを持つ人材は高く評価されるでしょう。
面接では「なぜ図研なのか」との質問が必ずといっていいほどあります。面接官がこの質問を通して知りたいことは、「入社後なにをしたいのか」「経験やスキルをどのように活かしたい、活かせると考えているのか」など、本人の志向です。同時に、「募集しているポジションにフィットするかどうか」、「業界や職種、会社についてどの程度理解しているのか」を見極めていると言えます。
応募者は、競合となる他社も含めた業界研究をすることで、図研の優れている点や改善できることが見えてきます。その上で、同社を志望する理由を明確にしておくことが大切です。面接の前には、上記のような質問の意図をしっかりと把握し、考えを整理しておきましょう。具体的には、以下のような企業について調べることをおすすめします。
同社が目指している方向性や、求めている人物像が企業研究を通じて分かってきたのではないでしょうか。図研の場合、「風通しがよく、個人の裁量が大きい社風」といえます。このような環境において、実力を発揮できる人材であると、具体的なエピソードを交えて伝えることが大切です。また、新中期経営計画を理解したうえで、どのように貢献できるのかをまとめておきましょう。
以下では面接経験者が、実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
図研の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
「風通しがよく、個人の裁量が大きい社風」であると理解し、そのような環境において力を発揮できる人材であるとアピールする。
新中期経営計画を理解してこれに沿った自己分析を行い、自己アピールへとつなげる。
競合他社についての理解を深め、「なぜ図研なのか」に対する答えを明確にしておく。
本記事を参考に会社理解と自己理解を深め、しっかりと考えを整理したうえで面接に臨みましょう。
この記事の執筆者