2021年06月21日
自動車用ワイヤーハーネスのリーディングカンパニーである住友電装。採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われるほか、「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策をすすめ転職を成功させましょう。
ワイヤーハーネスをコア事業として、世界30カ国以上に事業を展開する住友電装。2007年に住友電気工業(以下、住友電工)の完全子会社となり、住友グループのハーネス事業は、主に住友電工が事業戦略・営業を、住友電装が開発・設計・製造を担う体制となっています。四日市本社と東京本社の二本社制を採用し、2017年には設立100周年を迎えました。
住友電装 コーポレートサイトより
同社の口コミから、その社風を探っていきましょう。
まず目に入るのが、海外進出に関する内容です。「非常に海外比率が高いため、早い時期から海外出張の機会が多い」「新入社員時から海外出張に向けたトレーニングを受けるため、自身の成長にやりがいを感じると思う」といったコメントが多く見られ、海外で活躍したい人にはチャンスの多い企業であることがわかるでしょう。
また、「穏やかな人が多く、人間関係上のストレスは少ない」「雰囲気は全体的には明るい方かと思うが、真面目な面もある」「運動会があり、全社的に良くしようという感じはある」といった口コミからは、和やかな人間関係をベースとした社風がうかがえます。
住友グループという安定した基盤があり、福利厚生やワークライフバランスについても満足の声が多く寄せられています。女性の活躍についても以前より積極的になってきており、管理職や海外赴任者にも女性が一定数存在します。しかし、「技術系の女性が管理職を目指すのは、この会社ではキツイと思う」「お茶当番等は女性従業員が当番制でやる」という口コミも見られ、いまだ発展途上の側面があるかもしれません。
こうした社風にフィットするかどうかは、応募者・採用者双方にとって重要なポイントとなります。和やかな人間関係をベースとした社風の中で最大限の力を発揮できることを伝えるために、さまざまなエピソードを用意しておくとよいでしょう。
一般的な選考プロセスは以下のとおりです。
書類選考→一次選考(配属予定部門との面接)→最終選考(適性検査・人事部門との面接)→内定
応募は、履歴書(写真貼付)と職務経歴書を郵送またはEメールで送付します。書類選考から内定までの期間は1ヶ月程度です。
2020年5月現在、技術系総合職を中心に複数の職種で中途採用がおこなわれていますので、コーポレートサイトに設けられた採用情報サイトより確認してください。なお、採用情報サイトには、先輩社員のインタビューなども掲載されています。入社を考えている人は必ず目を通し、入社後のイメージを掴んでおくことをおすすめします。
志望動機やこれまでの経歴、今後のキャリア展望といった一般的な事項は職種にかかわらず聞かれます。同社の面接では、内容はもちろん、話し方や表情などから人柄を見られる傾向にあり、「人物重視」だという声が多く寄せられています。構えすぎず自分らしく臨むためにも、事前に考えを整理しておくとよいでしょう。前職での経験については、具体的なエピソードを交えて話すことで、より印象に残りやすくなるはずです。
職種特有の質問もあります。研究開発職に応募した面接経験者は、「低圧か高圧どちらが興味ありますか」という質問をされたとのこと。こうした質問によって、技術的なことをどこまで理解しているかを判断すると同時に、論理的な回答ができるかどうかを見ているものと思われます。
また、三重県に本社を置く同社では、勤務地に対する意思確認もあるようです。特に、三重県に縁のない応募者の場合には、「三重県勤務でも大丈夫かどうかについての理由を明確に伝えられるようにしておいたほうがよい」というアドバイスの声がありました。
面接の前に、「住友の事業精神」と「住友電装グループ基本理念」をおさえておきましょう。
住友グループには、「住友の事業は住友自身を利するとともに、国家を利し、かつ社会を利するものでなければならない」という「住友事業精神」が存在します。これは住友グループの根幹をなすものであり、事業を展開する上で常に立ち返る原点です。
住友電装 コーポレートサイトより
さらに、住友電装グループが基本理念としているのが「Connect with the Best」。同社が手掛けるワイヤーハーネスは、自動車に搭載される電子機器をつなぎ、電力や信号を伝える役割を担います。いわば、人間にたとえるなら、神経や血管となる重要な部品です。基本理念にある「Connect(つながり)」には、ワイヤーハーネスなどの製品や技術が担う役割だけではなく、事業を通じて人びとや地域・世界とのつながりを強固にしていきたいという意味が込められています。
入社を希望する場合には、同社の基本理念が意味するところを自分なりに噛み砕いて考え、自らのビジョンに照らし合わせてみることが大切です。その上で、「住友電装が関わるさまざまなつながりを大切にし、その信頼を高め、どこにも負けない強固な関係に築き上げていく」という想いへの共感を伝えられるとよいでしょう。
中途面接にあたっては、「なぜ住友電装か」という質問に対する回答を明確にしておくことが重要です。
国内にはワイヤーハーネスを製造・販売する企業が同社のほかにも存在し、それぞれに事業の特徴があります。そのなかで、同社ならではの特徴や強み・弱みを分析するためには、他社との比較が不可欠です。他社研究をおこなうことで、事業の特徴だけでなく、社風や組織制度などにも違いがあることがわかるでしょう。
他社研究の方法としては、自分なりの軸で業界マップを作ってみることもおすすめです。その上で、それぞれの事業規模や特徴をつかめば、同社のポジショニングや独自性がより鮮明に見えてくることでしょう。ここでは、同社の親会社である住友電工を含めた4社を挙げますので、研究の参考にしてみてください。
住友電装が目指している方向性や、どういった人材を求めているのかが具体化してきたのではないでしょうか。
人間にたとえると、神経や血管の役割を果たすワイヤーハーネス。住友電装は、ワイヤーハーネスの製造販売を通じて、人びとや地域、世界とのつながりを広げ、強固なものにすることを目指しています。その実現に向けて、自分がどんな役割を通じて、同社の事業に貢献できるのかを整理してみてください。周囲を巻き込んですすめたプロジェクトの経験など、具体的なエピソードを交えて伝えられると、面接官にとっても印象に残る面接になるでしょう。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
住友電装の採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
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