2021年06月21日
独立系ソフトウェア開発会社大手富士ソフトのグループ会社であるサイバネットシステムへの転職。採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われるほか、書類だけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので事前にしっかり対策をすすめましょう。
CAE(Computer Aided Engineering)のリーディングカンパニーとして知られるサイバネットシステム。1985年の設立以来、長きにわたって最先端技術を駆使しさまざまな分野の「ものづくり」をサポートしてきました。シミュレーション技術であるCAEソフトウェアの販売や導入支援を中心に、IoTやビックデータ、AIを活用したICT分野におけるソリューション提供にも定評があります。
実際に働く社員の口コミによると、社内の雰囲気はオープンで、役員室もなく、席はフリーアドレスを採用。役職ではなく、さん付けで呼び合っており、転職者も少なくないのが特徴です。若手のリーダーやマネージャーも多く、やる気がある人に仕事を任せる傾向にあります。残業時間は部署によって異なりますが、有給も取得しやすく、全体としてワークライフバランスはとりやすいという口コミが多いのもポイント。
技術系の社員が多いこともあり男女比は8:2と男性比率が高くなっていますが、社長の安江氏をはじめ、執行役員・管理職として活躍する女性や、育児休業を取得する男性社員もおり、性別に関係なく力を発揮できる環境であることが分かります。しかし、異動が少ないため変化を求める方にとっては物足りなさを感じてしまうこともあるようです。オープンな環境で専門性を高められる。採用選考では、そのような環境にフィットし、活躍できる人材であると伝えることが大切です。
選考は、書類選考通過後、2~3回の面接と適性検査、必要に応じて英語試験が実施されています。
適性検査は心理検査であるクリペリン検査が採用されているようです。英語試験については、新卒採用時のコメントから読み取ると、TOEICやTOEFLのスコアがない場合に、受験する必要があると言えます。
面接官は選考の時期や職種によって異なります。一次面接は人事担当者または配属予定先の上長、二次面接は役員または配属先予定の上長が担当することが多いようです。各ステップにおける合否連絡は通常1週間以内、選考期間は1か月が目安になります。
現在募集中の職種は、営業職と技術職。営業職は、法人向けにITソリューションを提供する仕事や、テクニカルセールス、アカウントセールスなどが中心です。技術職は、開発系、コンサルティング系、技術サポートやセミナー講師など仕事内容ごとに細分化されています。基本的に技術職の採用は理系出身者が中心ですが、文系であっても最先端技術に関する知識があれば、これまでの経験をアピールすることで応募条件をクリアできることもあるので、必須スキルなどの詳細を必ず確認してマッチする求人へ応募しましょう。
面接内容は一般的なものがほとんです。「志望動機」「入社して実現したいこと」「職務経歴や実績」については、的確に答えられるよう考えをしっかりと整理しておきましょう。
また、フィールドを変えて未経験の業界や職種からチャレンジするという方は、「未経験であっても、同社で活かせるこれまでの経験はなにか」について整理しておくことが大切です。実際に「なぜ未経験の仕事に挑戦しようと思ったのか」という質問を受けたという口コミもあります。
同社の公式ホームページには、中途採用で最も重視するのは「これまでの実務経験」であると明記されています。応募する際には、これまでの経験を棚卸しして「同社の仕事との共通点を見つけ出しアピールポイントにする」という思考が役立つかもしれません。実際に入社した方で、あまり関係ないと思っていた量子力学の知識やプレゼンテーション能力を高く評価された例もあります。また、就職してから転職までの期間が短い方は、学生時代に頑張ったことについても質問があると想定し準備しておくことをおすすめします。
サイバネットシステムの中途採用選考を受ける際には、必ず新中期経営計画に目を通し同社の方針や目指している方向性などを理解しておきましょう。
現在進行中の計画は、2015年から2020年までの6カ年(3年ずつ前期・後期に分類)を対象としています。数値としては、連結売上高300億円以上、連結営業利益30億円以上(営業利益率10%以上)が目標です。
サイバネットシステム公式HP「新中期経営計画」より
同社は基本戦略として3つのテーマを掲げています。1つ目は独自の価値を提供すること。異なる分野をまたいで解析するマルチドメインソリューションの開発推進をおこなうとしています。2つ目は、自動車関連分野に注力することで、主に電気自動車や関連部品の電気・電子化への開発投資の強化を通じて、国内売上高に占める割合を2014年の12%から2020年には25%まで高めようとしています。3つ目はパートナー企業との連携を強化すること。国内・海外の代理店網の構築や海外のコンサルティング企業と連携し、グローバルかつローカルに販売できる体制の構築を進めています。さらに、IoT分野へのOEM提供を推進し、パートナー企業を含めグループ全体としてシナジー効果を高める戦略で計画の実現を目指しているのです。
新中期経営計画から、同社の目指す姿が見えてきたのではないでしょうか。目標達成に向けた具体的な取り組みを理解し、どのようなスキルや経験を活かせるのかを考え、面接に向けて準備を進めましょう。また、口コミからは「ANSYS」を中心としたソフトウェアの販売代理店という立場にとどまらず、ソリューションを提供していく方針に舵を切っているという声があがっています。この点にも注目し、同社の持つCAEソリューションをはじめ、ビッグデータやさまざまなITソリューションをどのように融合し提供することがクライアントの価値向上に繋がるのか、その過程で自分ができることは何かをまとめておくとよいでしょう。
サイバネットシステムの面接では、「なぜ当社なのか」という質問をされることがあります。この質問では、「ものづくりを支えたいという強い思いがあるかどうか」や「CAEをはじめ最先端技術に関して意欲的にスキルアップに努める人材かどうか」など、同社の求める人物像にマッチするかどうか確認していると言えるでしょう。また「ビジョンや社風を理解しているか」「事業の特徴や課題についてどのような考えを持っているか」など、自社についての理解度や志望意欲についても問いています。
これらについて事前に対策するためには、競合他社の分析は必須です。他社を知り比較することで見えてくる同社の特徴をしっかりと把握しておきましょう。製品の違いはもちろん、各社の方針や戦略などを理解したうえで、「なぜサイバネットシステムなのか」を伝えることが大切です。
具体的には、「ANSYS」の競合製品である「Abaqus (SIMULIA)」や「 MSC Nastran」 を取り扱うCAEソフトウェア販売代理店や開発ベンダーの日本法人、EDAに強い株式会社図研など以下の企業について調べることをおすすめします。
同社が目指している方向性や、求めている人物像が企業研究を通じて具体的に理解できてきたのではないでしょうか。サイバネットシステムの場合、「オープンな環境で専門性を高められる社風」といえます。このような環境において、実力を発揮できる人材であるとエピソードを交えて伝えることが大切です。また、新中期経営計画を理解したうえで、どのように貢献できるのかをまとめておきましょう。
以下では面接経験者が、実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
サイバネットシステムの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
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