2021年06月21日
移動式建設用クレーンの製造・販売において世界最大手級のシェアを持つタダノへの転職。採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われる他、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、共に働く仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策をすすめましょう。
香川県高松市に本社を置く、建設用クレーンメーカー大手のタダノ。日本で初めて油圧式クレーンを開発した同社は、LE(Lifting Equipment=移動機能付抗重力・空間作業機械)を事業領域としています。長期目標として「LE世界No.1」「海外売上高比率80%」「安定的高収益企業」を掲げ、本格的なグローバル化に向けて事業を展開中です。その布石として、2019年には独デマーグ社の移動式クレーン事業を買収しました。
タダノグループ 中期経営計画資料より
そんな同社の口コミには、「社内用冊子は日本語だけでなく英語版も用意している」「イスラム教徒のためにプレイルームを設置している」など、グローバル化に伴う取り組みを紹介するコメントが見られます。一方で、「各行事では国歌斉唱が欠かせない」「ラジオ体操が毎朝ある」など、日本的な文化・風土との同居を感じさせる声も。出世や報酬に関しても、「海外進出に積極的なため、海外事業への経験が評価されるようになってきている」という声がある一方、基本的には年功序列が踏襲されているようです。
また、「社員の人柄は良く、温厚な性格の人が多い」「本社工場はのんびりとしたアットホームな雰囲気」といった声があがっており、社内の風通しは良い様子。「良くも悪くも四国の企業という感じ」という口コミからも、穏やかでのんびりとした社風がうかがえます。
面接では、こうした社風に合致した人物であるかどうかが見られます。同社の社風を意識した上で、自己分析をすすめてみるとよいでしょう。
面接プロセスに関する公式情報はありませんが、口コミ等の情報によると、書類選考を経て複数回(2〜3回)の面接がおこなわれるのが一般的です。新卒採用の場合は適性検査があるため、中途採用の場合も実施されると想定した上で対策をしておきましょう。
中途採用の応募を希望する場合には、キャリア採用ページの問い合わせフォームから問い合わせをおこない、採用担当からの連絡を待ちます。なお、メールや電話での問い合わせも受け付けています。詳しくはキャリア採用ページで確認してください。
また、同社の案件を扱うエージェントも複数ありますので、そうしたサービスを利用するのも一案でしょう。キャリコネにも情報が掲載されていますので、参考にしてみてください。
これまでの職務経験など、一般的な質問が中心のようです。まずは企業研究や自己分析といった基本的な対策をしっかりとおこなうことが重要でしょう。同社は香川県に本社を置き、求人の多くが香川勤務となっています。そのため、香川県に縁がない場合には「香川県で働くこと」についての意思を確認される可能性があります。そうした点も含め、さまざまな角度から同社のことを研究し、なぜ同社を志望するのか答えられるように準備をすすめましょう。
また、開発職に応募した面接経験者の口コミによると、職種とは関係のない時事問題について聞かれ、それを踏まえたうえで開発職に必要なことについて問われたとのこと。日頃から時事問題に関心を持つことはもちろん、物事を帰納的に思考できる能力が求められるといえます。
面接では対話が重視され、和やかな雰囲気のなかでおこなわれることが多いようです。リラックスして臨むためにも、事前の準備には万全を期すことを心がけましょう。
次に、タダノの中期経営計画から今後の方向性を読み解いていきましょう。
同社では、2020年度から2022年度を対象期間とした中期経営計画を策定しています。この計画の基本方針は「誇れる企業を目指して(赤い矢印に集中)」。赤い矢印とは、自助努力でコントロールできることを指しています。その実現に向けて抽出した重点テーマは、下図で示した4つです。
タダノグループ 中期経営計画資料より
タダノグループ 中期経営計画資料より
これらの重点テーマに取り組むにあたり、以下の8つの戦略を掲げました。
(1)市場ポジションアップ
(2)四拍子強化
(3)グローバル&フレキシブルものづくりへの取り組み
(4)ライフサイクル価値の向上
(5)新技術の取り組みとソリューションビジネス展開
(6)収益力回復・資産効率改善
(7)グループ&グローバル経営基盤の強化
(8)人財活用
ここで言う「四拍子強化」とは、「商品力」「製品品質」「サービス力」「中古車価値」の4つが高いレベルでバランス良く整った状態で強化することを意味しています。これら4つのシナジー効果を商品価値の最大化につなげ、長期にわたって通用する競争優位を確立したい考えです。
この中期経営計画を把握し、自らの経験やスキルをどこに投入できそうかという視点を持って、自己分析をすすめてみましょう。その上で、同社の成長への貢献意欲を示すことができれば、有益な自己PRにつなげられるはずです。
採用面接では必ずと言っていいほど「志望動機」を問われますが、タダノもその例外ではありません。志望動機から面接官が知りたいのは、「タダノの特色を理解しているか」「社風にフィットした人材か」「中長期的なビジョンや事業戦略に合致した人材か」という点です。こうした面接官の意図に的確に応えるためには、同業他社の研究を通じて「なぜタダノを志望するのか」を語る必要があります。
面接に備えて、自分なりにタダノに近い企業をピックアップして研究をすすめてください。ここでは参考として4社をご紹介します。
タダノが目指している方向性や必要とされる人材像が見えてきたのではないでしょうか。「LE世界No.1」を掲げて事業戦略を推進するタダノ。その実現に向けて、事業展開はもとより、企業文化においてもグローバル化を推進しています。同社の長期目標と中期経営計画をしっかりとおさえ、「LE世界No.1の実現に向けて貢献できる人物」と印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくとよいでしょう。
以下、面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。これらの質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策しておきましょう。
タダノの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
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