2021年06月21日
「NEWクレラップ」などの家庭用品で知られる化学メーカー・クレハへの転職。採用面接は新卒の場合と違い、仕事への取り組み方やこれまでの成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策をすすめましょう。
「NEWクレラップ」などで知られる化学メーカーのクレハ。2005年に呉羽化学工業から社名変更しました。機能製品・化学製品・樹脂製品の3つの事業を柱に、独創的な製品を数多く創出する技術開発型企業です。自社開発のDNAを表しているのが「ナケレバ、ツクレバ」というフレーズ。「どこにも無ければ、創ればいい」という精神が脈々と受け継がれています。
クレハ 採用サイトより
技術開発を重視する同社では、若手技術者を対象に論文審査制度を導入しています。この制度は、若手技術者にとっての成長の場であると同時に、挑戦する風土を構築してきました。さらに、2016年度からは事務・営業職系へも対象を拡大し、人と技術を育てる風土が醸成されています。
また、年功序列や終身雇用といった日本的経営がおこなわれ、口コミには「よくある日本企業の体質」という声が寄せられています。意思決定は上意下達だという声も聞かれました。
お役所的な雰囲気があるものの、真面目で温厚な人が多く、安定的に長く勤めたい人には向いているといえるでしょう。一方で、「形式にとらわれずに仕事がしたい人物には不向き」という口コミがありますので、自分がどういう環境で仕事をしたいのかをしっかり見極める必要があります。
面接では、古風で保守的な社風を意識しながらも、「どこにも無ければ、創ればいい」という精神を受け継ぐ意思を示したいところです。
選考プロセスに関する公式情報はありませんが、口コミ情報によると、書類選考後に3回程度の面接がおこなわれるようです。新卒採用の場合には面接の前に適性検査が実施されますので、中途の場合も想定しておいたほうが無難でしょう。内定までの期間は1カ月程度のようです。
2020年7月現在、コーポレートサイトに設けられた中途採用サイトには、「経理部」「法務部」「情報システム部」「研究開発」の求人が掲載されています。また、転職エージェント経由で上記以外の職種も募集されています。コーポレートサイトに希望職種が掲載されていない場合には、転職エージェントや求人サイトなどでも求人情報を確認してみるとよいでしょう。キャリコネにも情報が掲載されていますので参考にしてみてください。
志望動機や入社後の展望といった一般的な質問が中心です。あらかじめ考えを整理しておくことにくわえ、深堀りに備えて具体的なエピソードを用意して臨むとよいでしょう。
技術職の場合には、専門的な質問も多く出されるようです。学生時代の研究内容や前職で携わっていた領域については、自分の言葉でしっかり伝えられるように準備しておきましょう。
異業界からの転職の場合には、「なぜメーカーなのか」「なぜ化学なのか」「なぜクレハなのか」に明確に答える必要があります。納得のいく答えが出てくるまで、自分自身に「なぜ?」と繰り返し問いかけてみましょう。ここでしっかり深堀りできれば、面接の場でブレずに答えられるはずです。
また、面接では会話を通じて人柄が見られますので、言葉の選び方はもちろん、誠実な受け答えを心がけましょう。
クレハの面接を受ける前に、今後の戦略を理解しておきましょう。
同社では、2019年度から2020年度を対象とした中期経営計画「Kureha’s Challenge 2020」を策定しています。この2年間を、将来の発展に向けた土台固めの期間と位置づけ、重点施策の完遂と、事業環境の変化を踏まえた新たな課題に着手する考えです。具体的には次のような経営目標を掲げています。
● PGA事業の拡大と利益創出
● PVDF事業のさらなる拡大
● 既存事業のビジネスモデル最適化
● 新規事業の国内外における探索と育成
● 経営基盤の強化
クレハ 中期経営計画資料より
また、事業から継続的に得られるキャッシュと、資産の有効活用により一時的に得られるキャッシュを合わせ、将来の発展に向けた投資を積極的におこなう方針です。こうした戦略を通じ、「技術立社」企業として、スペシャリティ・ケミカル分野において差別化された製品を開発し、社会に貢献し続けることを目指すとしています。
これらは、どれも同社の成長にかかわる重要な施策です。中期経営計画の資料を事前に読み込み、入社後にどんな貢献ができるのかを自己PRに盛り込むことで、面接官の印象に残る有益な面接にしましょう。
面接では、「なぜクレハなのか」という質問が必ずといっていいほど出てきます。この質問の意図は、入社後のイメージができているか、定着し活躍してくれる人材かを判断することです。そして、業界のことを理解しているか、企業研究がしっかりできているかという側面も併せて判断しています。
この質問に答えるためには、同社について理解するだけでなく、競合についても情報収集をおこなわなければなりません。そうすることで、組織文化や風土、目指す姿にそれぞれ違いがあることがわかるでしょう。
自分の言葉で語れるよう、以下を参考に他社研究をおこなってください。
社風や中期経営計画を理解することで、クレハの方向性や求める人物像が見えてきたのではないでしょうか。
同社で大切にされているのは、「どこにも無ければ、創ればいい」という精神。この精神によって、独創的な製品を数多く生み出してきました。面接では、そうした開発の精神をしっかり受け継いでいく意思を伝えたいところです。技術系の方は技術者目線、それ以外の業種では利用者目線で、同社の製品に関する考えを準備すると効果的です。
面接経験者が実際に聞かれた質問内容をご紹介します。これらの質問をされた場合に自分ならどう答えるか、しっかりとシミュレーションしてみましょう。
クレハの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
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