0 編集部が注目した重点ポイント
① ブラジルでの企業買収によりタマネギ事業を強化する
2025年7月1日付で、ブラジルのタマネギ種子開発・販売会社であるAgritu Sementes Ltda.の全株式を取得し、連結子会社化しました。ブラジル国内でトマトに次ぐ市場規模を持つタマネギ事業を強化することで、南米市場におけるプレゼンス拡大を狙います。現地ブランドの取得により、南米地域でのキャリア機会がさらに拡大する可能性があります。
② 為替影響と海外需要の拡大を受け業績予想を上方修正する
想定為替レートの見直しと北中米・欧州等の好調な推移を背景に、通期業績予想を上方修正しました。売上高は期初予想比55億円増の1,010億円、営業利益は15億円増の125億円を見込んでいます。特に野菜種子のグローバル販売が牽引しており、世界各地で収益構造の構築が進んでいることが鮮明となっています。
③ トルコの新研究農場開設でEMEA地域の育種体制を刷新する
2025年にトルコ・アンタルヤ研究農場を新たに開設しました。EMEA(欧州・中近東・アフリカ)地域の巨大産地であるトルコを拠点に、果菜類の現地育種を強化します。気候変動や新病害への対応が求められる中、現地主義の研究開発体制を整備することで、スピーディーな商品上市とシェア拡大を目指す攻めの姿勢が強調されています。
1 連結業績ハイライト
出典:2026年5月期 中間決算説明資料 P.4
当中間期の業績は、売上高が前年同期比12.8%増、営業利益が21.6%増と非常に好調です。主力の野菜種子において、トマトの新品種やブロッコリーの再評価による販売増が寄与したほか、円安による為替換算影響(売上高に対し+16.9億円)が大きく貢献しました。利益面では、人件費や試験研究費の増加を増収効果と粗利益率の向上が上回り、大幅増益を達成しています。 通期業績予想に対する進捗状況については、売上高が47.3%、営業利益が55.2%となっています。第2四半期時点で営業利益が通期目標の半分を超えており、さらに通期予想自体が上方修正されていることから、全体として業績推移は順調であると評価できます。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2026年5月期 中間決算説明資料 P.6
海外卸売事業
事業内容:世界各国の農業生産者や代理店に対し、野菜や花、資材などの種苗を卸販売するコア事業です。
業績推移:売上高は375.5億円(前年同期比+16.0%)、営業利益は100.8億円(+17.8%)と快進撃を続けています。
注目ポイント:北中米、欧州、南米の主要地域すべてで現地通貨ベースでの増収を実現。特にブラジルでのAgritu社の新規連結(2025年7月〜)は、タマネギ種子のシェア拡大を加速させる重要なマイルストーンです。多様な気候や文化に合わせて最適な品種を届けるための、ローカルな課題解決力が求められています。
国内卸売事業
事業内容:日本国内の生産者や農協、種苗店に向けて、野菜・花種子や園芸資材を供給しています。
業績推移:売上高は65.0億円(+6.0%)、営業利益は23.8億円(+0.0%)と堅調に推移しています。
注目ポイント:野菜種子では、トマトの新品種やブロッコリーの既存品種が好調。生産現場の人手不足や気候変動といった日本の農業課題を解決する高機能な品種への需要が根強いです。花の需要停滞といった市場変化を読み取りつつ、資材販売と組み合わせた総合的な提案スキルが重要視されています。
小売事業・その他(造園緑花)
事業内容:一般家庭向けの通信販売・ホームガーデン展開、および公共・民間の造園工事・管理を担います。
業績推移:小売は売上15.5億円(△16.8%)、造園等その他は売上21.3億円(+9.3%)となりました。
注目ポイント:小売事業は厳しい天候による市場全体の冷え込みから苦戦していますが、造園緑花事業はマンション等の維持管理業務が順調で増収を確保しました。環境意識の高まりを受け、都市緑化や持続可能な景観管理のニーズは拡大しており、専門性の高い技術者や施工管理の役割が期待されています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2026年5月期 中間決算説明資料 P.38
今後の成長の鍵は、「新たな成長の柱づくり」に向けたグローバル投資です。特にアフリカ市場においては、1950年代からのビジネス実績を活かしつつ、2025年8月に横浜で開催された第9回アフリカ開発会議(TICAD9)への出展等を通じてプレゼンスを強化。人口増やF1種への転換が進むアフリカを「極めて重要な市場」と位置づけ、積極的な事業展開を進めています。 また、欧州の買収案件(SanaSeeds社、Alium Seeds社など)の統合を通じたポートフォリオ拡充も成果を出しつつあります。M&Aや新規拠点の開設が相次ぐ中、各国のリソースや遺伝資源を横断的に活用する「グローバルシナジー」の創出が急務となっており、組織マネジメントやIT基盤の整備に精通した専門人材の重要性がかつてないほど高まっています。
4 求職者へのアドバイス
同社は「花は心の栄養、野菜は体の栄養」という理念のもと、グローバルな食糧供給を支える存在です。志望動機では、ブラジルやトルコ、アフリカといった成長市場における事業拡大への意欲や、気候変動下での安定供給という社会的使命感への共感を軸にすると良いでしょう。また、買収企業のPMI(統合プロセス)や、研究と営業の連携強化といった組織の構造的進化に貢献したいという姿勢も高く評価されるポイントです。
- ブラジルのAgritu社など、近年増加している海外買収企業のシナジー創出において、現在の最も大きな課題は何ですか?
- トルコやアフリカなどの成長地域において、日本の本社からどのような技術支援やガバナンスが期待されていますか?
- 気候変動により栽培環境が厳しさを増す中、研究開発と営業現場のフィードバックループをどのように最適化されていますか?
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
農業や園芸が好きな人には良い職場
農業や園芸が好きな人には良い職場だと思う。事業も拡大してきているので今後は新しいことにもチャレンジできるような体制も期待できる。
(20代後半・海外営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]上場企業の中では並みかそれより若干低い
給料は上場企業の中では並みかそれより若干低い程度。住宅補助や通勤手当も、上場企業の中では並みか若干低いように感じる。
(20代後半・海外営業・男性) [キャリコネの口コミを読む]※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料:
- 2026年5月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)
- 2026年5月期 中間決算説明資料



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