2021年06月21日
日本三大臨床検査センターのひとつに数えられるエスアールエルへの転職。採用面接は新卒の場合と違い、これまでの仕事への取り組み方や成果を具体的に問われるほか、キャリアシートだけでは見えてこない「人間性」も評価されます。即戦力として、ともに働く仲間として多角的に評価されるので、事前にしっかり対策をすすめましょう。
H.U.グループホールディングス傘下のエスアールエル(以下、SRL)は、一般検査から特殊検査までを幅広く扱う、日本三大臨床検査センターのひとつに数えられています。とりわけ、高い技術が必要とされる特殊検査に強みを持ち、大病院を中心に市場を拡大してきました。また、国内の染色体検査の約7割を扱い、先天異常や白血病などの検査をおこなっています。
同社の口コミで多く見られるのは、「検査結果を通じて患者さんの役に立っていると感じられ、非常に誇りを持てる仕事」といったやりがいに関するものです。本人のやる気次第で成長の機会を得られることも魅力のひとつといえるでしょう。
しかし、ルーティン業務は負荷が大きく、「体力的にかなりきつい」という口コミも見られます。また、検査にかかわる職種の場合は夜勤や当直もあるほか、「患者さんの検体が毎日来るためあまり自分の都合で休みはとれない」という口コミも見られました。
社内の環境については、「風通しが良い」「和気あいあいとしている」という声が多い一方で、人間関係に対する不満の声も聞かれます。どの組織でもある程度の不満はつきものですが、同社は吸収合併を繰り返してきたことで、企業文化や風土の融合に時間がかかっている面があるかもしれません。
面接では、臨床検査の重要性や勤務体制を理解し、医療にかかわる者としての誇りと責任感を示しましょう。
中途採用の選考フローに関する公式情報はありませんが、口コミ情報によると「書類選考 → 適性検査(SPI) → 面接(2回程度) → オファー面談」という流れが一般的なようです。
2020年7月現在、同社の中途採用は転職エージェントを通じておこなわれています。転職エージェント経由の場合、上記のフローとは異なる可能性もあるので注意してください。キャリコネにも「ゲノム検査スタッフ」の求人情報が掲載されています。
また、希望する職種の求人がコーポレートサイトに掲載されていない場合はキャリア登録をおこなうことも可能です。必ずしも選考の機会を得られるものではありませんが、こうした制度を利用するのも一案でしょう。
面接は一般的な質問内容が中心で、ユーモアも交えた和やかな雰囲気だといいます。事前の自己分析と企業研究により、印象に残る有益な自己PRをおこなうことをおすすめします。
ニッチな業界であるがゆえに、「なぜこの業界なのか」「なぜSRLなのか」という質問もよく出されます。クリアに答えられるよう、周辺業界を含めて横断的に企業研究をしておきましょう。こうした質問への回答を通じて面接官が知りたいのは、志望動機やキャリア展望といった一般的なことはもちろん、医療に携わる者としての倫理観や人間性です。自己分析を通じて、自身の倫理観や価値観と向き合うことも必要とされるでしょう。
また、面接では「コミュニケーション力」や「協調性」なども見極められます。特に営業職の場合はその傾向が強いため、このことを踏まえて臨む必要があるでしょう。
SRLの面接を受ける前に、同社の企業理念を理解しておきましょう。同社は「健康で豊かな社会づくりに貢献する」という企業理念を掲げています。その実現に向けた価値観・行動様式が、「顧客本位」「新しい価値の創造」「誠実と信頼」「相互の尊重」です。
SRL コーポレートサイトより
このなかでは、顧客の医療ニーズに応えるとともに、時にはリスクをとって変革に挑戦する姿勢を打ち出しています。また医療にかかわる者として、その活動は実直かつ堅実であり、高い透明性を保たなければならないとしていることも押さえておきましょう。さらに、多様な価値観、経験、専門性とチームワークを尊重することなどをうたっています。
面接に際しては、理念や価値観・行動様式を理解した上で、自らの考えや行動がこれに合致しているかどうかをあらためて確認する必要があります。企業理念とは「その企業のありたい姿」であり、今後の方向性を決定づけるものだからです。
また、同社の親会社であるH.U.グループホールディングスは、新型コロナウイルスの影響から、2020年度の業績見通しを未定とすると同時に、2020年5月13日に予定していた新中期計画の発表を延期しました。当面は、前中期計画「Transform!2020」を延伸した施策を進める方針です。今後の動向にも注意を払いながら、同社の成長に寄与できる人材であることを伝えられるように準備をすすめましょう。
H.U.グループホールディングス コーポレートサイトより
面接では、「なぜSRLなのか」ということがよく聞かれます。これは、「社風にフィットしているか」「経営スタイルを理解しているか」「中期的な戦略に合致した能力を持ちあわせているか」といった点を確認し、入社後のミスマッチを防ぐことがおもな目的です。
この質問に明確に回答するためには、競合他社についても知っておかなければなりません。他社の経営スタイルや社風を理解することで、同社への理解をより深められるはずです。少なくとも、同社と並んで日本三大臨床検査センターといわれる2社については徹底的に研究をおこない、比較考量しておく必要があるでしょう。
●株式会社ビー・エム・エル
●株式会社LSIメディエンス
SRLが目指している方向性や求める人材像が明確になってきたのではないでしょうか。
SRLの社員は、「健康で豊かな社会づくりに貢献する」という企業理念のもと、誇りを持って臨床検査という仕事に向き合っています。入社を希望するのであれば、医療分野にかかわる者としての倫理観と透明性が求められるでしょう。「臨床検査の重要性や勤務体制を理解し、誇りと責任感を持った人材」だと印象づけられるよう、さまざまなエピソードを準備しておくことをおすすめします。
面接経験者が実際に聞かれた質問をご紹介します。このような質問をされたらどのように答えるか、しっかりと考えながら面接対策をしておきましょう。
SRLの採用面接を受けるにあたって、ぜひ押さえておきたい重要なことをご紹介してきました。面接対策として準備しておきたいのは、以下の3つです。
●臨床検査の重要性や同社の勤務体制を理解し、医療にかかわる者として誇りと責任感を持った人材であることを伝える。
●SRLの企業理念と価値観・行動様式を理解し、これに沿った自己分析をおこなうことで有益な自己PRにつなげる。
●競合他社についての理解を深め、「なぜSRLなのか」に対する答えを明確にしておく。
以上の点を意識して面接準備をすすめ、当日は自分の言葉で入社への熱意を伝えましょう。
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