0 編集部が注目した重点ポイント
① 米国事業の完全子会社化で海外展開を加速させる
2025年8月より、米国の瞬間接着剤事業を担う合弁会社「Elmer's & Toagosei Co.」の合弁を解消し、100%子会社による運営体制へと刷新しました。自社グループ単独での迅速な意思決定を可能にすることで、北米市場でのシェア拡大と収益改善を狙います。グローバル市場でのキャリアを目指す人材にとって、海外拠点の運営強化は大きな注目ポイントです。
② インフラ老朽化対策製品が利益成長を牽引する
樹脂加工製品事業において、下水道などの老朽化対策製品の販売が好調に推移しています。国内のインフラ維持補修需要を背景に、同セグメントの営業利益は前年同期比で約81.0%増と大幅な伸びを記録しました。社会課題の解決を起点とした堅実なビジネスモデルが確立されており、施工管理や技術開発の領域で専門性を発揮できる環境が広がっています。
③ インド新拠点設立で南アジア市場へ本格参入する
2025年3月、インドに新たな子会社「トウアゴウセイ・ケミカル・インディア」を設立し、当中間期より連結範囲へ追加しました。経済成長が著しいインド市場を拠点としたアジア圏での売上拡大を急いでいます。新規拠点の立ち上げに伴う事業開発や海外営業といったポジションにおいて、挑戦的なキャリア機会が創出される可能性が高まっています。
1 連結業績ハイライト
出典:2025年12月期 第2四半期(中間期)決算説明会資料 P.4
売上高
803億44百万円
(前年比 -1.5%)
営業利益
70億18百万円
(前年比 -4.2%)
2025年12月期中間期の連結業績は、売上高が803億44百万円、営業利益が70億18百万円となりました。米国の関税政策や地政学リスクの影響で、基幹化学品を中心に販売数量が減少したことが主な要因です。一方で、24年ぶりに社債を100億円発行し、成長分野への積極投資を継続するなど、将来の収益基盤作りは着実に進められています。
修正後の通期予想に対する進捗率は、売上高で49.4%、営業利益で50.1%となっており、現在の経営環境下において業績は概ね順調に推移しています。下期はモビリティや半導体関連の需要回復を取り込むことで、巻き返しを図る計画です。
2 事業別分析:転職者が活躍できるフィールド
出典:2025年12月期 第2四半期(中間期)決算説明会資料 P.6
基幹化学品事業
事業内容:電解製品、アクリルモノマー、工業用ガスなどの基礎化学品の製造・販売を担当するグループの基盤事業です。
業績推移:売上高361億80百万円(前年比-5.7%)。数量減により減収となりましたが、固定費削減で営業利益は11.7%増を確保しました。
注目ポイント:低迷する海外市況の中でも、徹底したコスト削減と生産効率の向上で利益率を改善させています。製造現場のDX推進やプロセス改善を主導できる技術人材が求められています。
ポリマー・オリゴマー事業
事業内容:高機能なアクリルポリマーや凝集剤などの化成品を扱い、国内外の多様な産業へ提供しています。
業績推移:売上高175億38百万円(前年比+1.7%)。海外向け凝集剤が増販となりましたが、原材料高により利益面は苦戦しました。
注目ポイント:販売価格の改定を強力に進め、収益性の回復を図っています。顧客のニーズに合わせた付加価値の高い処方提案ができるテクニカル営業や研究開発職の存在感が大きくなっています。
接着材料事業
事業内容:家庭用・工業用の瞬間接着剤「アロンアルフア」や、車載・モバイル向けの高機能接着剤を展開しています。
業績推移:売上高67億61百万円(前年比+2.6%)。日本・米国での販売数量増加により、増収増益を達成しました。
注目ポイント:米国事業の完全子会社化により、今後は北米でのマーケティング強化が急務となります。ブランド再建やグローバルサプライチェーンの最適化を担う人材の活躍の場が広がっています。
高機能材料事業
事業内容:AI半導体製造用の高純度薬剤や、環境配慮型の消臭剤などの先端材料を提供しています。
業績推移:売上高50億13百万円(前年比-1.3%)。AI向け需要は旺盛なものの、半導体市場全体の回復遅れが影響しました。
注目ポイント:世界シェア1位を誇る「高純度液化塩化水素」など、AI革命の基盤を支える製品群を持っています。次世代半導体向けの開発スピードを加速させるため、高度な専門性を持つ研究人材を募っています。
樹脂加工製品事業
事業内容:管工機材や住宅設備、介護用品など、人々の生活インフラに直結する製品を製造しています。
業績推移:売上高137億33百万円(前年比+3.2%)。環境インフラ向け製品の増販と価格改定が寄与し、81.0%の利益増を達成しました。
注目ポイント:下水道の老朽化による道路陥没事故を防ぐ「補修・診断」領域へ本格参入しています。マッピングカメラを用いた診断事業など、モノ売りからコト売りへの転換を牽引する人材が期待されています。
3 今後の見通しと採用の注目点
出典:2025年12月期 第2四半期(中間期)決算説明会資料 P.21
同社は2025年下期の課題として、成長ドライバーである「モビリティ(EV用バインダー等)」「半導体関連製品」の収益拡大を掲げています。特にリチウムイオン電池用の「LBポリマー」は、2030年に向けて売上高を数倍規模に拡大させる意欲的な計画を立てています。
また、PBR1倍超えを目指した「経営の推進継続」を明言しており、政策保有株式の売却(連結純資産の10%程度への縮減)を進めるなど、資本効率の向上にも注力しています。これら一連の動きは、中長期的な企業価値向上への強い意志を示しており、変化を恐れず挑戦する人材にとって、活躍の機会が豊富に用意されている時期だと言えます。
4 求職者へのアドバイス
同社の事業は「老朽化インフラの補修」や「EV・AIの進化を支える機能性材料」など、社会的なニーズが非常に高い分野に軸足を置いています。単なる素材メーカーとしての志望理由にとどまらず、「化学の力で持続可能な社会インフラを支えたい」や「AI・次世代モビリティの基盤づくりに貢献したい」といった、社会貢献と技術革新の両面からアプローチすることが有効です。
- 米国事業の完全子会社化により、日本側から現地法人へ期待される役割や今後の支援体制はどのように変化しますか?
- インフラ補修事業において、診断カメラ等のデジタル技術を活用した新規サービスのマネタイズはどの程度のスピード感で計画されていますか?
- AI向け半導体材料など、顧客ニーズの変化が激しい分野において、研究開発の優先順位はどのように決定されていますか?
5 転職者が知っておきたい現場のリアル(口コミ)
※本記事は、公開されている決算短信、決算説明資料等の公開資料、および社員・元社員の口コミ情報をもとに、編集部の責任において作成しています。
使用した主な公開資料
- 東亞合成株式会社 2025年12月期 第2四半期(中間期)決算説明会資料
- 東亞合成株式会社 2025年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)



2019年より企業口コミサイト「キャリコネ」担当として、数多くの企業の口コミ情報、決算資料、中期経営計画を横断的に分析。現在はリサコ編集部長として、一次情報と現場の声を突き合わせた企業研究コンテンツの企画・編集・品質管理を統括し、転職希望者の意思決定に資する情報提供を行っている。